芸術品のように美しいブランデーボトルを楽しもう
お酒やブランデーのボトルって結構凝ったものが多くて、きらきら美しいボトルたちがズラリと並んだ様子を眺めているだけでも、なんだか楽しいですよね。
ブランデーファンのなかにはミニチュアボトルを集めるのが趣味だという人もいるくらい、ブランデーにとってボトルの美しさはブランドや商品の価値を左右するものなんです。
ここではそんな芸術品のように美しいブランデーボトルについて、ご紹介していきます。
高級品にはクリスタルガラスのボトル
ブランデーボトルは形やカッティングなどのデザインもそうですが、高級品にもなると、素材からして特別なものを使って作るようです。
一般的にお酒を入れる容器はガラス瓶が使用されていますが、高級ブランデーは「クリスタルガラス」という特別なガラスボトルに入っています。
まず、一般的なガラスは「ソーダガラス」と呼ばれるもので、珪砂・カリウム・ソーダ灰などから作られます。
クリスタルガラスはそこへ酸化鉛を添加して、まるでクリスタル(水晶)のような、より透明度の高い鉛ガラスとして作られたものです。
水晶の仲間というわけではなく、「クリスタルのように美しいガラス」なのでクリスタルガラスと呼ばれるようになりました。
クリスタルガラスの種類
ひとくちにクリスタルガラスといっても、酸化鉛の含有率によってランクや名称が異なります。
鉛をレッド(LEAD)と言うことから酸化鉛含有率が30%以上のものを「フルレッドクリスタルガラス」、24%以上で「レッドクリスタルガラス」、24%未満なら「セミレッドクリスタルガラス」となり、密度がしっかりしていて高い透明度があり、澄んだ音を響かせることなども高品質なクリスタルガラスの条件となっています。
なかには、肉眼で見たときの美しさを追求して、少し青みを持たせるために着色する場合もあるようです。
クリスタルガラスといえばバカラ
クリスタルガラスといえばご存知「バカラ」が有名ですが、ブランデー界でもバカラクリスタルは確固たる地位を築いていて、ブランデーに詳しくない人でも名前を知っている「リシャール」や「ルイ13世」「カミュ・キュヴェ」などのボトルにバカラ製クリスタルガラスが用いられています。
バカラのクリスタルガラスは酸化鉛含有率が一番多いフルレッドクリスタルで、これは加工時に相当な技術を必要とすることや出荷前に厳しい審査があるため、熟練の職人が作るものでも実際に商品として出せるのは全体の60%ほどだそうです。
デザインが美しいボトル
特別な素材だけでなく、リシャールのボトルは洋ナシ形の曲線が特徴的ですし、ルイ13世は王室御用達だけあって堂々とユリの紋章が並んでいます。
このように、中身と同じかもしくはそれ以上にボトルデザインにこだわっているものが数多くあります。
船の形をそのまま表現したインパクトある外見のラーセン「バイキングシップ」は、一度見たら忘れられないうえに実に多彩なラインナップで中には陶器(!)で出来たボトルまであり、コレクター心をくすぐるボトルがおすすめです。
ほかにもアート・デ・マーテルやマーテル・ロール・ド・ジャンのボトルはもはや近代美術作品のようであり、ヘネシー・パラディ・ホルスは意味深な形を模したデザインが印象的なボトルに、ブラック×ゴールドの化粧箱が高級感を漂わせています。
またアンリ4世デュドニョン・エリタージュのボトルで化石をモチーフにしたフレームは、インパクトや高級感がありながらハンドメイド作品のようなぬくもりも感じさせ、反対にシンプルなクルボアジェのボトルはウッディでスパイシーな香水を思わせます。
まとめ
ステイタスの象徴でもあるブランデーは、ゆっくりと自分の時間を大切にする大人の余裕を感じさせてくれるもので、デザイン性に富んだボトルや特別なクリスタルガラスでできたボトルを眺めながらいただくことでより一層満足感を得られることでしょう。
またクリスタルガラスの表面には非常に細かいデコボコがあり、そこに液体が留まるため液面を傾けた際にゆったりとした動きを楽めますから、日常のことは忘れて、ゆったりとした大人の時間を堪能するためにクリスタルガラスでブランデーを楽しんでみてはいかがですか。