バーボンのホームタウンにブランデー?コッパーアンドキングスのおすすめ

ブランデー

ブランデーと言えば、コニャックやアルマニャックが有名です。

その他、スペインやポルトガル、ギリシャにもご当地ブランデーと言えるものがあります。

これに対して、アメリカはウイスキーというイメージ。

バーボンやテネシーウイスキーなど、どちらかというと穀物を原材料とするアルコールが好まれているように思えます。

そんなアメリカに、新しくブランデーの蒸留所が出来ました。

アメリカのブランデー業界に新しい波を起こしたと言われている「コッパーアンドキングス蒸留所」を見てみたいと思います。



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アメリカのブランデーってどうなの?

ブランデーと言えばまず浮かぶのがコニャックやアルマニャック。

ワインを蒸留して作られるブランデーは、質の高いブドウの確保が必須でした。

長いブランデー造りの歴史を持つヨーロッパとは異なり、アメリカでのブランデー造りの歴史は浅いものです。

しかも開拓時代にはブドウを原材料としたブランデーより、栽培のしやすかったリンゴを原材料としたアップルブランデーの方が広まりました。

現在も「アップルジャック」と言えばアメリカの歴史を表すブランデーです。

時代が変わり、アメリカでもヨーロッパ同様ブランデーの蒸留が行われるようになりました。

しかし発酵も蒸留も製造工程は同じはずなのに、アメリカ産ブランデーは品質的にヨーロッパのものには敵わないというイメージがあります。

コニャックやアルマニャックのような、洗練されたブランデーをアメリカで探すのは難しいことなのです。



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アメリカンブランデーの特徴とは…?

アメリカ合衆国は広く、西と東では気候も全く異なります。

ですからアメリカンブランデーといっても全く性質の違うものもあり、ひと口に言う事はできません。

あえていうなら、優雅で洗練されたフランスのブランデーに比べアメリカンブランデーはそれとは対照的に堅牢なフレーバーをベースにしたものが多く見られます。

フランスのコニャックやアルマニャックは、ブドウの土壌がブランデーの性質に大きく関わってきます。

コニャック地域でも、土壌によってグレードが違うのはそのためです。

アメリカでは土壌というより果物自体がブランデーの性質に影響を与えます。

また、アメリカンブランデーにはコニャックやアルマニャックのような厳しい原産地統制法もなく、製造過程に厳しい決まりもありません。

ですから、アメリカンブランデーにはまだまだこれから新しい進歩を遂げていく大きな可能性があるのです。

Copper & Kings American Brandy Company(コッパーアンドキングスアメリカンブランデーカンパニー)

アメリカンブランデーのニューウエーブ、コッパーアンドキングス蒸留所は2014年に設立されました。

場所は、ケンタッキー州ルイビル。

バーボンに知識のある方なら、あれっと思われたかもしれません。

ここはバーボンの首都とも言われる場所なのです。

バーボン・キャピタル!ケンタッキー州ルイビル

ブランデーとは異なり、アメリカから世界に発信される人気スピリッツと言えば、何といってもバーボンです。

アメリカ建国以来のオリジナルスピリッツであり、アメリカを代表する飲み物の一つと言えます。

そんなバーボンはケンタッキー生まれ。

現在も数多くの有名蒸留所が集い、世界的ブランドのほとんどはこのケンタッキーで製造されています。

「ケンタッキー産でなければバーボンではない」。

ケンタッキー州知事やルイビル市長は当然のようにこう発言しています。

現在はアメリカ合衆国内の他地域でもバーボンが作られるようになっていますが、多くの人の認識ではバーボンはケンタッキーのものなのです。

コッパーアンドキングス蒸留所のこだわりとは…

コッパーアンドキングス蒸留所では伝統的な銅製のポットスチルを使用して、純粋なポットスチルブランデーを製造しています。

こだわりはあくまで「アメリカンスタイル」。

ヨーロッパの感性に基づいたブランデーを作ることはありません。

蒸留温度は比較的低く、長くを基本としています。

蒸留速度を遅くし、銅との接触を長くすることによって濃厚な風味、香り、なめらかさを表現する、「低温&低速」蒸留哲学を採用しているのです。

良いベースワインが良いブランデーを作るという信念のもと、濾過、硫化されていないワインの蒸留を行います。

原材料となるブドウはカリフォルニアから!

質の高いベースワインを作るために使用されるブドウは主に「コロンバード」や「マスカットオブアレキサンドリア」など。

かぐわしい香りと鮮明で明るいカラーの蒸留液をつくるため、強烈な芳香を持ち、高い酸度を持つブドウをチョイスしています。

これらのブドウはワインの名産地・カリフォルニア州のセントラル・バレーとセントラル・コースト地方で栽培されています。

1バレルのブランデーを製造するのに必要なブドウはおよそ5トン。

カリフォルニアは継続的に質の高いブドウを供給してくれる理想的な環境を持つのです。

熟成はケンタッキーで!

ブランデーはケンタッキー州のバーボンバレルやアメリカ産ホワイトオーク樽にて熟成されます。

成熟樽はブランデーの性質を決める重要なもの。

ブランデーに個性を与え、質感、香り、複雑さのバランスをとってくれるものなのです。

コッパーアンドキングス蒸留所ではこの熟成工程にはアメリカンオーク樽こそが最適だと考えています。

アメリカンオーク樽はトーストした時に温かく、バター、ウッド、バニラ、ココナッツの香りがします。

アメリカンブランデーにおいてはこの甘さとカラメルが重要な要素となるのです。

コッパーアンドキングス蒸留所のブランデーをご紹介

ヨーロピアンではなく、アメリカンスタイルのブランデーを目指して作られている「コッパーアンドキングス蒸留所」のブランデー。

ケンタッキー・バーボン・バレルで熟成され、バランスのとれた複雑さを持つブランデーはオリジナリティあふれるアメリカンスタイルとして注目を集めています。

おすすめのブランデーを見てみたいと思います。

Butchertown Brandy(ブッチャータウンブランデー)

ケンタッキーバーボン樽で熟成された原酒を75%、アメリカンオーク樽で熟成されたものを25%ブレンドして作られています。

フルボディでまろやかな口当たり。

シングルカスクコニャックのような、濃厚な味わいです。

カラー:ダークブラウン。

あるいは深いマホガニー。

香り:ケンタッキーバーボンを強くイメージさせる。

ブラックベリー、チェリー。

味わい:大胆で頑丈なウイスキーノート。

甘いブドウとココア。

ややスパイシー。

American Craft Brandy(アメリカンクラフトブランデー)

ノンチルフィルタリング製法で作られています。

合成着色料や添加物も一切加えられていません。

ケンタッキーバーボン樽とアメリカンホワイトオーク樽にて熟成されています。

90%がバーボン樽から、10パーセントがオーク樽から抽出され、ブレンドされています。

カクテルベースとしてもおすすめです。

カラー:マホガニー。

香り:バニラ、チョコレート、ダークフルーツ。

味わい:ナッツ、イチジク、バニラ。

少しウッディなほろ苦さもある。

まとめ

ケンタッキー州と言えばバーボンが有名。

そのケンタッキーにアメリカでもニューウエーブと言われるブランデーの蒸留所が創設されたというのは面白いですよね。

アメリカはウイスキーブームの真っただ中。

ウイスキーの蒸留所は各地で増え続けています。

そんな中、アメリカ独自のブランデーを作ろうというのはかなり新しい試みです。

これからの発展が期待される「コッパーアンドキングス蒸留所」に是非注目してくださいね。

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