いくつ知ってる? 飲む前に知っておきたいブランデーに関するトリビア8選
近年、日本でも大人の嗜みとして人気になってきたブランデー。
もともとは7世紀ごろにスペインで作られたワインの蒸留酒ですが、今では世界中で愛されるお酒になっています。
それほどメジャーなお酒にも関わらず、ブランデーについて詳しい方は多くありません。
飲みの席でビールやワインについての話題が出ることはあっても、ブランデーについて語られることはあまり無いように感じます。
しかしブランデーの世界はとても奥深く、みなさんに知ってほしい知識がたくさんあるんです!
今回は、ブランデーを飲む前に知っておきたいトリビアをご紹介します。
一気に詳しくなって、ブランデー通を名乗っちゃいましょう!
ブランデーに関するトリビア
最近は日本でも愛好家の増えてきたブランデーですが、ビールやワインに比べるとまだまだ知名度は低めです。
ブランデーの名前くらいは知っていても、どんなお酒なのか、何を原料としているのか…などなど、基本的なことも知らずに飲んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
しかしせっかく飲むのなら、ブランデーに関する知識も身に着けておきたいものですよね。
そこで今回は、飲む前に知っておきたいブランデーに関するトリビアを8つご紹介します。
ブランデーを日本語で書くと何になる?
世界一高価なブランデーの値段は?
ブランデーを燃やす理由は?
…などなど、ブランデー通じゃないとわからない知識です。
さて、あなたはいくつ知っていますか?
1.日本語で書くと「葡萄地酒」になる
ビールを「麦酒」、ワインを「葡萄酒」と表現することができるように、昔の日本人には海外から入ってきたものに日本名をつける文化がありました。
ブランデーは一般的にブドウを原料とした蒸留酒ですが、「葡萄酒」という名称がすでにワインに使われていたために日本名が付けることができませんでした。
また、ブランデーが日本に入ってきたのは19世紀後半とビールやワインに比べて遅かったため、そのまま「ブランデー」というカタカナの名前が一般化しました。
そのためブランデーを漢字で表記した文献は少ないものの、明治時代に書かれた辞書「袖珍獨和新辭林」ではブランデーのことを「葡萄地酒」と紹介していることが分かっています。
2.リンゴやサクランボから作ったブランデーがある
ブランデーはブドウを原料とした蒸留酒として知られています。
しかし実はブランデーの定義は「果実酒から作られた蒸留酒」であるため、理論上は他の果物で作ったお酒も蒸留させてブランデーにすることが可能です。
海外では実際にリンゴやサクランボを原料としたブランデーも製造されており、アップル・ブランデーやチェリー・ブランデーという名前で親しまれています。
特にフランスのノルマンディー地方で作られたアップル・ブランデーは「カルヴァドス」の名前で知られており、日本にも愛好家が多いブランデーです。
3.ブランデーはフランス語で「命の水」
ブランデーという名前は、もともとノルウェー語の「brandeviin(焼いたワイン)」が変化して英語になったものです。
世界中多くの地域でブランデーという呼び名が定着していますが、フランスではブランデーのことを「eau-de-vie(オドヴィ)」と呼びます。
これは日本語に直訳すると「命の水」という意味になるんです。
実はフランスでは昔からブランデーに健康効果があることが知られており、漢方薬のような立ち位置のお酒として珍重されていました。
現代ではブランデーにはワインにも匹敵するポリフェノールが含まれていることがわかり、抗酸化作用が期待できるという研究結果も出ています。
4.世界一高価なブランデーはなんと2億円以上!
現在世界で最も高価なブランデーには、なんと日本円で2億円以上もの値がつけられています。
「Henri IV Dudognon Heritage Cognac Grande Champagne(ヘンリー4世デュドニョンエリタージュ)」と呼ばれるこのボトルは、イングランド国王ヘンリー4世の子孫が100年以上前から保管していたブランデーです。
中身の貴重さもさることながら、驚くのはボトルに施された装飾の豪華さです。
ボトルには24金の加工が施され、6500個のダイヤモンドがちりばめられています。
ちなみにこのブランデーに冠される「エリタージュ」には「遺跡・遺産」という意味があります。
まさに、単なるお酒ではなくヘンリー4世からの遺産と呼ぶべきブランデーにふさわしい名前です。
5.ブランデーを燃やす行為は単なる演出!?
レストランなどで、グラスに注がれたブランデーにマッチの火を入れ、ブランデーを燃やすサービスを見たことはありませんか?
一度燃やしてアルコールを飛ばすことでより芳醇な香りを楽しむためのサービスだと勘違いされがちですが、実はブランデーを燃やすことに味や香りを変える効果はありません。
ブランデーはアルコール度数の高いお酒なので、簡単に火をつけることができます。
レストランなどで行われているブランデーの火入れは、お客様の目を楽しませるための演出にすぎないんです。
ブランデーに火を入れて揮発させたあと、お菓子などにブランデーの香りを移す方法もあります。
その場合は単なる演出というよりも、調理工程の一貫ということができるでしょう。
6.高級ブランデーをクリスタルガラスに入れるワケとは?
リシャールやルイ13世などの高級ブランデーは、よくクリスタルガラスで作られたボトルで飲まれます。
クリスタルガラスは通常のガラスに酸化鉛を加えて作られる高品質なガラス製品です。
ソーダガラスと呼ばれる一般的なガラス製品に比べ、透明度が高く質の良いガラスとして知られています。
高級ブランデーをクリスタルガラスに入れる理由は、ガラス表面の材質に秘密があります。
実はクリスタルガラスの表面は、目には見えないほど細かい凹凸が出来ています。
この凸凹にブランデーの成分が入り込むと、スキマに香り成分が堆積します。
香り成分がグラスに残るため、より香りが際立ち、長時間に渡ってブランデーの風味を愉しむことができるというわけです。
普通のグラスに入れて飲むのとクリスタルグラスに入れて飲むのでは、初心者でも分かるほど風味が違います。
少し値は張りますが、良いブランデーは一度クリスタルグラスで飲んでみるのをおすすめします。
7.ブランデーとグラッパは何が違うの?
ブランデーのなかでも人気のある銘柄に「グラッパ」というものがあります。
グラッパはブランデーの一種として知られていますが、一般的なブランデーとは製法が全く違います。
そのため、グラッパとブランデーを全く異なる種類のお酒だとする声もあります。
ブランデーはブドウを原料としたワインを蒸留してつくるお酒です。
一方グラッパは、ワインを作った後に残るブドウの搾りかすを原料として作られるお酒なのです。
グラッパの起源については諸説ありますが、もともとはワインを買えない貧しい農民が自分たちのために作ったお酒がグラッパだったと言われています。
農民たちは貴族用のワインの原料となるブドウを栽培していたため、ブドウを自分たちのために使うことが出来ませんでした。
しかしワイン用に絞ったブドウの搾りかすなら自由に使うことが出来たため、何とか搾りかすでお酒を作れないかと模索して出来たのがグラッパの原型だったのです。
今でもグラッパはイタリアで庶民のお酒として人々に愛されています。
8.ブランデーが出来る仕組みは解明されていない!?
ブランデーは、発酵→蒸留→熟成→調合といういくつもの工程を経て完成します。
全ての工程がブランデーの味わいを深めるために必要不可欠なものですが、なかでも特に重要なのが「熟成」の工程です。
ブランデーは蒸留した後にしっかりと熟成させることによって風味を決めます。
熟成させるブランデーは、専用の樽の中に入れて長期間保管されます。
銘柄にもよりますが、短いもので3年、長いもので100年近くも熟成の工程が続きます。
熟成されたブランデーは樽から木の成分が溶けだし、色や香りに大きな変化が現れます。
樽の材質や保存期間、温度から湿度に至るまで、様々な条件がブランデーの味を決めます。
樽の中に入れて保管することがブランデー作りの真骨頂ともいえますが、実はこの樽の中で何が起こっているのかは、科学的に解明されていません。
「おそらくこのような条件が作用して化学変化が起こっているのだろう」という推察はされていますが、100%完全には解明されていないんです。
ブランデー作りは、まだまだ謎に包まれた神秘的な世界なのです。
まとめ
ここまで8つのトリビアをご紹介してきましたが、アナタはいくつ知っていましたか?
ブランデーを「命の水」と呼ぶことや、ブランデーとグラッパの違いなどは、有名なので知っていた方も多いかもしれませんね。
また、ブランデーをクリスタルグラスで飲む理由などは、これからブランデーを飲み続ける方には絶対知っておいてほしい知識です。
ソーダガラスで飲むのとクリスタルグラスで飲むのとでは、香りの強さが全く違いますよ。
実は今回は、ブランデーのトリビアの中でも比較的初歩的な知識を中心にご紹介してきました。
ブランデーを嗜むなら、このくらいは覚えておきたいものですね。