パンサーが目印!コニャックの名門「ミュコー(Meukow)」のおすすめブランデー
美味しいブランデーを見つけるのはなかなか難しいですよね。
高いからおいしいというわけでもなく、結局は好みの問題と言えるのではないでしょうか。
そこでブランデー、特にコニャック好きの方に試して頂きたいのが「ミュコー」のコニャックです。
19世紀から続く伝統を現在も守り続け、高い品質と豊かな味わいが多くのブランデーファンに愛されています。
ミュコーのあれこれとブランデーを見てみたいと思います。
目次
ミュコー(Meukow)ってどんなブランド?
ミュコー(Meukow)ブランデーの中でもコニャック愛好家に愛されているブランドです。
ボトルに描かれているパンサーが目印。
コニャック地方の中の「プティ・シャンパーニュ」地区にあるこのブランドのあれこれを見てみたいと思います。
ミュコーの始まりとは…
ミュコーの創設者はオーギュスト・クリストフ(Auguste-Christophe )とグスタフ・ミュコー( Gustav Meukow,)。
シレジア(現在のポーランド南西部からチェコ北東部にまたがる地域)出身の二人の兄弟は1862年、ロシアの皇帝に蒸留酒を送るため、アレクサンドル2世の命を受けてフランスにやってきました。
そして同年8月1日、ミュコー(Meukow)の名前をとって会社を創設。
コニャック造りを始めたのです。
1849年から1869年までコニャック市長だった株主アンリ・ブロー(Henri Bouraud)のおかげで、ミュコーは世界中のイベントに同行します。
そして各地で高い評価を受け、ブランドは急成長したのです。
さらに時をへて、マイケル・コステ(Michel Coste.)が1979年に設立したドイツブランド「CDG(Compagnie de Guyenne)」のメンバーとなりました。
グループのコニャック戦略によりミュコーのコニャックは販路を拡大。
ミュコーのコニャックは現在80カ国以上で愛されています。
伝統とノウハウを後世にきっちりと伝える!
ミュコーのコニャックを特徴づけているのはパワーと柔軟性の素晴らしいバランスです。
この完璧なバランスはマスターブレンダーの仕事。
現在のセラーマスターは「アンネ・サルトー(Anne Sarteaux)」。
2007年からマスターとして働く彼女も、ミュコーの長い伝統を受け継いできた一人。
そして、これからの世代に伝統としきたりを伝えていく役割を持っているのです。
コニャックの原材料となる上質なワインを二度蒸留したあと、スピリッツは最低2年間、オーク樽で熟成されます。
マスターセラーはその中から最適なものを選ばなければなりません。
セラーマスターの才能と知識はコニャックのブレンドに大きな影響を与えます。
異なる年代の原酒の組み合わせは繊細な芸術です。
ミュコーが長きに渡って守ってきた伝統の味わいと風味を守るため、マスターセラーはグランド・シャンパーニュとプティ・シャンパーニュのコニャックを完璧なバランスでブレンドする必要があるのです。
ミュコーのシンボルマークはパンサー!
パンサーが躍動する印象的なボトルは1993年に作成されました。
マイケル・コステ(Michel Coste.)はミュコーというブランドのための、シンボルとなるものを探していたのです。
ほかのブランドとはっきりと区別でき、ミュコーのコニャックの品質をすぐさまイメージできる強烈なもの。
そして選ばれたのがパンサーだったのです。
この美しい動物は強さと優雅さ、柔軟性の象徴として使用されています。
ミュコーの本質を完璧に具現化し、表しているのです。
最初に発売されたパンサーボトル「Félin」は躍動するパンサーの姿がインパクト大。
このデザインが認められ、国立研究所より賞を授与されました。
ミュコーのブドウはどこでつくられているの?
ひと口に「コニャック」といっても、原材料となるブドウの産地によりランクが異なるというのはご存知でしょうか。
フランスには「テロワール(Terroir)」という概念があります。
日本語でいうと「生育環境」という言葉が一番しっくりくるかもしれません。
同じ地域の農地は土壌、地形、農業技術が似ているため、作物に影響を与えるのは土地特有の性格であるという考え方です。
テロワールの要素として定義されるのは気候、土壌、地形学、近隣にある植物など。
ワインやコーヒー、茶の栽培で見られる概念ですが、ブランデーでも同じです。
ブランデーの原材料となるブドウは栽培地によって味わいや風味が異なるという考えのもと、土壌そのものにランクをつけているのです。
ミュコーのブドウは「グランド・シャンパーニュ」と「プティシャンパーニュ」のものがメインとして使用されています。
これはコニャックの土壌の中でも1番目と2番目に良いとされている土壌です。
グランド・シャンパーニュとは
コニャックの原材料となるブドウにとっては最も良い土壌とされています。
グランド・シャンパーニュはコニャック地方のほぼ中心。
ブドウ作付面積は13,159ヘクタールほど。
6つある土地区分の中でも1番小規模です。
この地域で栽培されたブドウは独特の上品さ、繊細さ、アロマを持つと言われます。
よく言われるのが「スミレの花の香り」。
グランド・シャンパーニュでとれたブドウを原材料としたコニャックは最高品質とされ、特に生産から出荷まで一貫して行われた場合のみ「グランド・シャンパーニュ」とボトルに記すことが許されます。
プティシャンパーニュとは
グランド・シャンパーニュに次いで良いとされる土壌です。
ブドウ作付面積は15,246ヘクタール。
コニャック全地域の1/4ほどです。
この地域でとれるブドウはグランド・シャンパーニュのものには及ばないものの、上品さ、繊細さ、優雅さに秀でていると言われています。
ミュコーのコニャックはこの最上の地域から取れたブドウをメインの原材料として作成されているのです。
また、これら以外にも味わいのバランスを保つためにほかの土壌のブドウも使用されています。
コシが強く、豊かな風味を生み出すとされる「ボルドリ」。
赤味がかった粘土質の土地で、若々しい軽快な味わいが特徴とするブドウができる「ファン・ボア」。
さらに、沿岸部の砂地質で、ブドウの香味がやや乏しくなりがちな「ボンボア」。
これらの土壌からのブドウはメインに使われることはありませんが、最上級の「グランド・シャンパーニュ」や「プティシャンパーニュ」のブドウと混ぜることで、絶妙な味わいを生み出してくれます。
ミュコーXOグランドシャンパーニュコニャック(Meukow XO Grande Champagne Cognac)
このコニャックは「グランド・シャンパーニュ」と記されている通り、グランド・シャンパーニュのオードヴィーのみでつくられたコニャックです。
ボトルに浮き出るように刻まれた「プラチナ・パンサー」が印象的。
コニャックの味わいは繊細で、グランド・シャンパーニュらしいフルーティな香りが特徴です。
非常にバランスが取れ。
フルーティでフローラル。
口に含むと華やかな味わいが広がります。
レザーとタバコのスモーキーさあり、フィナーレにはチョコレートとシガーの複雑なまろやかさが残ります。
ミュコーのコニャックを始めて試すという方におすすめです。
ミュコーエクストラコニャック(Meukow Extra Cognac)
ハウスセラーの一番古い樽からブレンドされたコニャックです。
30年以上熟成されたものも含まれています。
樽からのランシオ香をはっきりと感じることができるでしょう。
こちらのボトルに描かれているのは「ゴールド・パンサー」。
高級感あふれるボトルデザインが目を引きます。
香りはフルーツや甘いキャンディ。
口に含むと、レザーの強さを感じます。
トリュフの濃厚さがなめらかに、そして長く続きます。
まとめ
力強いパンサーが目を引く「ミュコー」のボトル。
なかなかインパクトがあるので、一目みたら忘れることはできないかもしれません。
そんなミュコー、見た目のインパクトだけではなく味わいも深みがあり、ブランデーファンならきっとお気に入りが見つかるはずです。
今回ご紹介した「グランド・シャンパーニュ」はとびきりの逸品ですが、日本仕様と現地仕様では異なるようです。
まずは日本仕様を試し、気に入ればぜひ、現地仕様を手に入れてみて下さいね。