ロシア語で「コニャック」と呼ばれるお酒はブランデー
アルコール度数の高いお酒を好んで飲むお国柄のイメージで浮かぶのはロシアではないでしょうか?そのロシアで有名なアルコール度数の高いお酒といえばウォッカですね。
そのアルコール度数は過去に98パーセントンにもなるものも作られていました。
そんなロシアで「コニャック」と呼ばれるているお酒は実はブランデー全般を指す言葉として浸透しています。
ロシア語の「コニャック」からロシアの人の物事の考え方は国土のように広いのかもしれないと思ってしまうのは私だけでしょうか。
ロシアでアルコール度数の高いお酒が人気な理由
ヨーロッパ全体でアルコールは誰もが水のように飲んでいるイメージがあるのは私だけでしょうか?フランスの人の食事にはワインが欠かせませんし、ドイツの人は年中ビールを飲んで陽気に笑っている姿が目に浮かびます。
そしてロシアの人はをショットグラスにお酒をつぐたびに乾杯してお客様へのおもてなしや家族や友人のお祝いの席でお酒を飲みほします。
特にアルコール度数の高いお酒を好んで飲む習慣があるのはロシアの人々ですがこれにはロシア特有の気候が関係しています。
極寒の国土の広いロシアでは冬の気温がマイナス50度以上になります。
日本じゃ考えられない世界ですが、そこに生きる人々が移動の際に水分で喉を潤したいときに水やジュースではすぐに凍ってしまい、飲む事ができません。
純粋な水が氷る温度は0度以下からです。
しかし、アルコールはマイナス100度以下から凍り始めるので水筒に入れて飲料として持ち運べます。
それがアルコール度数の高いお酒を好んでのむ理由の一つではないでしょうか。
そもそもコニャックとは
フランスのコニャック地方周辺で作られたブドウをその土地で蒸留と熟成したブランデーが「コニャック」と呼ばれるそうです。
「コニャック」の製造では蒸留を2回行います。
そのためアルコール度数が70パーセントに達し、その状態でフランス国内産のオーク樽で2年以上熟成させます。
その後、熟成年数に応じ等級が変わっていきますが、ブランデーとして製品にするとき水でアルコール度数を40パーセントに希釈します。
色付けに少量のカラメルを添付することもありますが、フランスの高級ブランデーとして「コニャック」は認識されています。
フランス国内では特定地域で原料の生産と熟成がされたものにその地域の名称を名乗る権利が政府から保証されています。
そのため他の地域で同じ製法でつくったブランデーはその名を名乗ることができません。
フランス政府はロシアで使われている広い意味でブランデーを意味する「コニャック」を言語として使わず「ブランデー」と表現するように求めているそうです。
アララトもロシアではコニャック
「アララト」はアルメニアで作られたブランデーの名前です。
その地方の伝統的な製法で白ブドウを原料として作られています。
名前の由来はアララト山がある地域の湧水も原料として使われていたため、山の名前をとって名付けられたそうです。
特徴的な味と豊潤な香りは国際品評会などでも高い評価を受けており、アルメニア国外でも大変人気があります。
もちろんロシアでも人気があり、「アルメニアコニャック」という愛称でこのブランデーは呼ばれています。
また、ロシア語を話す極東諸国の人の間でも「アララト」のことをやはりコニャックと呼ぶそうです。
しかし、「アララト」は「コニャック風ワイン」と表現されることも多いそうです。
理由としては伝統的な特殊な製法で作られるためブランデーとして分類はされているものの本質を捉えているわけではない部分があります。
ロシアでブランデーを楽しむときは・・・
日本から国際線で行く近い観光都市の一つにロシアのウラジオストクがあります。
北朝鮮や中国とも近い場所にありながらヨーロッパの建物が立ち並び、デパートや専門店でショッピングも楽しめます。
冬はマイナス30度まで気温が下がりますが、夏場は涼しく過ごせるおすすめ観光地です。
そんなウラジオストクで地元の人とショットグラスで飲みかわすお酒にブランデーを選んでみませんか?ウォッカでは即酔いつぶれてしまってもブランデーならその豊潤な「香り」を楽しみながら仲良くお話ができるかもしれません。
ブランデーを頼むときはぜひ「コニャック」と伝えましょう。
ロシアならではの美味しいブランデーを味わえるかもしれません。
まとめ
ロシア語がそのまま日本の物の名前になっている事がたくさんあることはご存知ですか?その一つに北海道で食べるシャケの卵「イクラ」はがあります。
ロシア語で「魚卵」や「小さくて粒つぶしたもの」という広い意味を持っています。
高級食材キャビアもロシア語ではイクラと表現ができます。
もともと日本では魚卵を「はららご」と呼んでおり、塩漬けにして食べる習慣はありませんでした。
日露戦争で出兵した日本人がロシアで見たその食べ方とその言葉を広めたそうです。
「コニャック」をブランデーではなくロシア原産のお酒と思っていた方もいるかもしれません。
大きく考えると決して間違ってはいないと思いますが知っているとちょっとお酒の席で盛り上がるかもしれません。