甘いものから塩味まで、多彩なつまみと相性の良いブランデー
ヨーロッパでは食中酒としても飲まれることのあるブランデーですが、そのアルコール度の高さから言って、やはり食後酒として楽しむお酒と言えましょう。
そうなると、ブランデーに合うつまみはどんなものがあるか、知っておきたいものです。
食後ですから、口がややさみしいのを慰める程度のもので、ブランデーの味を引き立てるものがあれば、それが最適のつまみということになります。
そこで、つまみに適したものを、これから見ていくことにしましょう。
ブランデーとチョコレート
ブランデーに合うつまみとして定番的存在と言えば、何と言ってもチョコレートでしょう。
元々、ブランデーには若干甘味のあるものがつまみとして合うと言われています。
なので、同じチョコレートでもビター気味のものが特にブランデーのつまみとしておすすめです。
チョコレートは、ブランデーの味をよりまろやかなものに感じさせてくれることから、好まれています。
そのことから考えても、チョコレート自身が甘くてまろやかなミルクチョコレートよりも、ビターなカカオ60%~70%のチョコレートの方が、つまみに向いていると言えます。
また、ブランデー入りのボンボンチョコレート、トリュフ、ショコラの存在も、ブランデーとチョコレートとの相性の良さを証明していますが、そうしたショコラ自体、ブランデーを楽しむ際のつまみとして、これまたおすすめなのです。
フランスのコニャック周辺でつくられるブランデーであるコニャックのメーカーの一つ、テセロンの社長が来日した時に、「コニャックにはショコラが合う」と言ったという有名な話もある程です。
高級感がつきまとうイメージのあるブランデーですが、日本では例えば飲み屋さんでもブランデーが飲めるところがあり、ポッキーがつまみに出される店もあります。
実は、クラッカーやプレッチェルと言った塩味の焼き菓子も、ブランデーのつまみに向いているので、ポッキーはその組み合わせとして好適なつまみとなります。
ポッキーは形もマドラーに使えるので、ウイスキーを飲む時に初体験したと言う人もいることでしょう。
ブランデーとドライフルーツ
甘いつまみが合う傾向のあるブランデーは、ドライフルーツとも相性が抜群です。
ドライフルーツの場合は、甘味の強いフルーツがおすすめです。
代表的なのは、干しぶどうですが、アプリコットも良いつまみになります。
ドライフルーツ独特の歯ごたえも、つまみとしての魅力の一つです。
そもそもドライフルーツの洋酒漬けにブランデーを使うくらいですから、絶対に失敗はありません。
ブランデーとナッツ
甘いものとの相性が良いブランデーですが、塩味のつまみも合います。
塩味のつまみとしておすすめなのが、ナッツ類です。
ピーナッツやアーモンド、カシューナッツが合うのは勿論ですが、ピスタチオが特にブランデーと相性抜群なのです。
香りが独特で、口当たりも滑らかなので、さすがナッツの女王と言われるだけのことはあります。
また、口がさみしい時には、食べ応えのあるナッツ類はもってこいのつまみとなります。
女性の方であれば、美容効果も期待できる食物繊維、ビタミン、カリウムが含まれているナッツ類は、特に喜ばれるつまみでしょう。
ブランデーとチーズ
チーズと言うと、ワインとの組み合わせを一番に思い浮かべる人が多いようですが、チーズにも沢山の種類があり、実はワイン以外のお酒と相性の良いチーズがあります。
そこで、ブランデーに合うチーズとしておすすめなのが、ウォッシュチーズというものです。
このチーズ、熟成させる間に外皮に塩水と共にブランデーを定期的に吹きかけるのです。
ワインを吹きかけて熟成させるものもありますが、醸造酒であれ、蒸留酒であれ、果実酒を吹きかけて熟成させますので、ブランデーとはよく合うのです。
ウォッシュチーズは外皮にリネンス菌という菌を植え付けて、外側から熟成させていく作り方がとられています。
中はマイルドな滑らかなチーズですが、外皮はリネンス菌のせいで独特の強い匂いがあります。
リネンス菌は枯草菌の一種で、実は納豆にも枯草菌の一種が使われています。
なので、納豆が平気だという人であれば、ウォッシュチーズの匂いにも抵抗を感じないことでしょう。
また、チーズの楽しみ方として、外皮は無理して食べずに、クセのない滑らかな中身だけ食べても良いのです。
有名な産地はいずれもフランスにあり、エポワス、リヴァロ、ランクル、モン・ドール、ポン・レヴェック、ショームといった種類があります。
いずれも中身は柔らかく、スプーンで食べられますが、パンやクラッカーに載せてつまみとする方法も良いでしょう。
リヴァロは特に外皮の匂いが強烈ですので、外皮は無理して食べることはありません。
なお、ブランデーに合うほか、それぞれのチーズの産地の名産のお酒ともよく合います。
例えばエポワスはブルゴーニュ地方のウォッシュチーズですので、ブルゴーニュの赤ワインともよく合う、といった具合です。
ブランデーと生ハム
塩味のつまみもブランデーと合うことは、ナッツの例で分かる通りで、同じく塩味の生ハムも、ブランデーのつまみとしておすすめです。
また、生ハムはフルーツとも合うイメージがあるのではないでしょうか?
そして、甘いもの、ドライフルーツもブランデーのつまみとして好適なので、生ハムもブランデーとは相性が良いのです。
ブランデーと相性の良いチョコレートがブランデーを包んだボンボンとしても美味しいように、そして、ブランデーのつまみになるドライフルーツのブランデー漬けがあるように、生ハムのブランデー漬けも魅力的です。
生ハムは薄いので、3時間も漬ければ十分です。
好みにより、シナモンなど加えてスパイシーに味付けしても良いでしょう。
こうすることで、脂のうまみが活かされたまま、芳醇な香りが口の中一杯に広がるのです。
生ハムのほか、例えばサラミソーセージもつまみとしておすすめです。
ブランデーとクラッカー
塩味のつまみがブランデーに合うことは既にナッツの例で紹介した通りですが、ブランデーと同じく相性の良い甘いチョコレートの中で、ポッキーもつまみとして向いています。
このポッキーは、チョコレートとクラッカーの味を併せ持つつまみと言えます。
ですから、クラッカー単体でブランデーのつまみとするだけではなく、例えばジャムを乗せたクラッカーをつまみにするのも良いでしょう。
クラッカーに乗せるのは、チョコレートでも良いですし、ドライフルーツを乗せても、良いつまみとなります。
ブランデーとジャム
ブランデーには、甘いチョコレートも合えば、塩味の例えばナッツ類も合うことをご紹介してきましたが、合わせ技も勿論オーケーです。
塩味のクラッカーに甘いジャムを乗せてつまみにすることも、クラッカーのところで紹介した通りです。
特にイチゴジャムは意外な程ブランデーに合います。
手作りジャムなど、果肉が大きいイチゴジャムが、一層美味しいでしょう。
クラッカーのほか、フランスパンにジャムを乗せてつまみとすることも、おすすめです。
さすが果実を原料にしているお酒だけあって、ブランデーはジャムとも相性が良いのです。
ブランデーとコーヒー
ところで、食べ物ではなく飲み物なのですが、ブランデーと相性のよいものがあります。
それはコーヒーです。
と言っても、カフェロワイヤルのことではありません。
つまみと言えるかどうかは別にして、コーヒーをブランデーと一緒に楽しむことで、ブランデーの甘味がとても引き立つのです。
引き立て役としてのコーヒーですので、それ自体は苦みの濃いものが向いています。
深煎りブラックコーヒーで、勿論ホットで戴きます。
その渋く苦いコーヒーを飲んだ後、水などを飲まずに、コーヒーの苦みを口の中に残したまま、次にブランデーを口に含むのです。
すると、ブランデーの甘味がことのほか引き立つのです。
ブラックコーヒーとブランデーとを交互に飲み進めていくのです。
まとめ
このように、ブランデーを美味しく味わう時に、ブランデーの良きお伴となるつまみは、甘いものから塩味のものまで、そして果てはコーヒーまで、バラエティーに富んでいるのです。
ブランデーはアルコール度が高いですし、つまみとしてご紹介したものの中に、甘いものやカロリーの高いものもありますが、程ほどであれば大丈夫です。
ブランデーにはポリフェノールが含まれていて、血液をきれいにしてくれます。
それに、脂肪を燃やす働きもあるので、食後酒としておすすめなのです。
是非、自分に合ったつまみを見つけて、ブランデーを十二分に楽しんで下さいね。