まだまだ知らないブランデーの種類を大きく分ける2つのポイント

ブランデー

ヘネシー V.S 箱入り 700ml

アルコール度数は40度弱から50度程度と高めで、オシャレで大人の飲み物のイメージが強いブランデー。

基本的にはブランデーと言った場合はブドウが原料のワインを蒸留して作られたものを指しますが、リンゴやサクランボから作ったブランデーも存在し、意外に気軽に飲めるお酒もあるんです。

今回はそんなブランデーの種類を紹介していきます。



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1.主原料:ぶどう

1-1.コニャック

フランスのコニャック周辺で生産されているブランデーの呼称です。

原料のぶどうには主にユニブランというものが使われています。

伝統的な製法として銅でできたポットスチルを使った単式蒸留を2回行います。

そうして、得られたアルコール度数70%程の精留分を、フランス国内産のオークの樽で2年以上熟成させて、水で度数40%まで薄めて製品化しています。

ブランデー特有の色付けには少しのカラメルを添加することもあります。

コニャックは品質が良いことで一般的です。

同じフランスのアルマニャックとともに高級ブランデーとされ、樽による熟成の度合いによって、V.O.、V.S.O.、V.S.O.P.など等級に分類されます。

しかし、これは公的に定められた基準があるものではないので、製造者によって差が生じるのも事実です。

さらにV.S.O.P.を超える等級は、呼び方自体が統一されていなくて、V.V.S.O.P.、X.O.、EXTRA、NAPOLEONなど、各メーカーが自由に様々な呼び方を付けていて面白いです。

日本では、高級ブランデー=「ナポレオン」という意識が強かったですが、何か基準に沿った格付けではないので、「ナポレオン」もピンからキリまであり、大手メーカーのV.O.クラスよりも価格の安い「ナポレオン」も存在します。

一般的なブランデーとしてスタートにはおすすめです。

1-2.アルマニャック

フランス南西部、アルマニャック地方で醸造されるブランデーの呼称です。

コニャックと同じく、フランスのブランデーの二大銘酒の1つに数えられています。

アルマニャックとは白ぶどうから造られる蒸留酒(オー・ド・ヴィー)のことを指します。

原料となる主なブドウの品種には、ユニ・ブランはもちろんのことフォル・ブランシュ、コロンバールなども有名です。

収穫後、3月31日までに蒸留が行なわれ、アルマニャック型と呼ばれる連続式蒸留器を用いて1回蒸留、ガスコーニュもしくはリムーザン産のカシの樽(ピエス)で熟成後、ブレンドさせる製法を取っています。

アルコール度数はコニャックよりも強く40度以上に上ります。

1-3.ピスコ

ペルー原産のブドウ果汁を原料とした蒸留酒の呼称です。

色は無色透明か、もしくは淡い琥珀色でアルコール度数は約42度が一般的です。

16世紀にカナリア諸島からペルーにブドウが持ち込まれ、気候等の条件が合っていたため栽培が盛んに行われました。

それに伴い、ピスコの製造が始まったのがきげんとされています。

ペルーとチリの間では、ピスコの定義を巡って争いがあるそうです。

しかし正式な定義としては、ペルーにあるピスコ地方で栽培されたぶどうを伝統製法で作られたものだけをピスコと呼ぶことになっています。

特にタクナ産のピスコはペルー国内でも高品質のものとして広く知れ渡っています。

1-4.マール

ワイン醸造後にできる発酵後のブドウの残りかす(ポマース)を蒸留したものをマールと言います。

そこで得られたエタノールは伝統的なスピリッツとして使われ、アニス・リキュールのように様々なリキュールに加工されることでも一般的です。

日本では粕取りブランデーをポマース・ブランデーとも呼んでいます。

語源は「つぶす、砕く」を意味した Marcher の派生語からきていて、ワイン用にしぼったブドウのかすを蒸留して製造されます。

シャンパーニュ、ブルゴーニュのものが評価が高いとされていますが、生産量はラングドックがフランス全土の約60%を占めています。

原料は白ワイン用のブドウを使う場合もあれば赤ワイン用のブドウを使う場合もあるので、アルコール度数をはじめ様々な味わいがあります。

1-5.グラッパ

イタリア特産の蒸留酒のことをグラッパと呼びます。

ワインを蒸留して作る一般的なブランデーとは違って、ぶどうの搾りかす(ポマース)を発酵させたアルコールを蒸留して作る製法になっています。

そのほとんどは樽熟成を行わないので無色透明の色合いですが、ぶどうの香りが程よく残るのが特徴です。

アルコール度数は30から60度と幅があり香り付けをしてあるものもあります。

イタリアでは、食後酒としてポピュラーなお酒でよく飲まれています。

バーにも置かれていて、度数が高いためリキュールを作る時にもしばしば使われています。

またイタリア中部では、エスプレッソコーヒーに3~4杯の砂糖を入れてかき混ぜずに飲み、カップの底に砂糖が溜まっているのでそこにグラッパを注ぎ、飲むという変わった飲み方もあります。

EUの法律で、イタリアで作られたものをグラッパと呼ぶと定められています。

フランスのマールのようにぶどうの絞り粕をもとに製造するため「かすとりブランデー」とも言われ、しかし、マールは長期の樽熟成を経てから製品化される点がグラッパとは異なっています。

1-6.オルーホ

マールやグラッパのようにかすとりブランデーの中のスペイン産のものをオルーホと呼びます。

樽熟成を行わないので、無色透明の色合いのものがほとんどですが、オーク樽で熟成させるて褐色にしたものも存在したり、香草の風味を付けた黄緑色の特殊なものも存在します。

1-7.フィーヌ

ぶどうを選定した時に基準に満たないと判断されたはねだしのぶどうを使用したり、澱引きした後にタンクや樽に残ったワインを使って造られた蒸留酒をフィーヌと呼びます。



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2.主原料:ぶどう以外

2-1.カルヴァドス

フランスのノルマンディー地方で製造されているリンゴを原料とする蒸留酒をカルヴァドスと呼びます。

また、ノルマンディー地方以外で製造されるリンゴを原料とする同じような蒸留酒でもカルヴァドスとは名乗ることはできず、一般的にアップル・ブランデーと呼ぶことで、区別されます。

原料はリンゴの他に、10~30% 程度のセイヨウナシを加えて製造することが多いです。

2-2.キルシュヴァッサー

種ごと潰したサクランボを醗酵させ、6週間前後寝かせた後に蒸留した無色透明のスピリッツをキルシュヴァッサーと呼びます。

ドイツ・シュヴァルツヴァルト地方の名産品として有名です。

片仮名表記の場合、キルシュワッサー、キルシワッサーなどと書かれることもありますが、キルシュと省略して呼ばれることも多いです。

さらにサクランボ果汁を醗酵させずに、サクランボをエタノールに漬けした後に蒸留させて製造する場合のキルシュヴァッサーは、キルシュガイストと呼ばれ区別されています。

2-3.スリヴォヴィッツ

スモモの一種ダムソン・プラムから製造される蒸留酒の呼称です。

プラム・ブランデーと呼ばれることもあり、果実から製造される蒸留酒全般を指す言葉としてバルカン半島ではラキヤ、ハンガリーではパーリンカ、スロバキアではパーレンカという語があり、スリヴォヴィッツはその1種とみなされてしまっています。

スリヴォヴィッツは中欧および東欧の名産品であり、商用のものも自家製のものも存在します。

主要な産出国はセルビア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ共和国、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアなどが有名です。

2-4.フランボワーズ

フランスで作られる木いちごを原料としたブランデーがフランボワーズです。

ドイツで作られた木いちごブランデーはヒンベアーと呼ばれます。

カクテルや製菓用など幅広い用途に使えるのが特徴でブランデーでお菓子を作るのが好き人はその名前を聞いたこともあるのではないでしょうか。

2-5.オープストラー

アップル・ブランデーの一種で、リンゴと西洋ナシが原料の蒸留酒のことをオープストラーと呼びます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ブランデーひとつとってもその産地や法律で様々な銘柄や特徴が存在します。

製法も各地で独自のものがあり、それぞれの国の風土を大切にしていることが分かります。

大人の飲み物のイメージを一度取り払って、まずは甘い風味の果物のブランデーからはじめてもいいですし、一般的なコニャックから大人の階段を上ってみてもいいのではないでしょうか。

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