バーボンとミルクの組み合わせはどう?アメリカンなドリンク「バーボンミルクパンチ」を楽しもう
バーボンというと、男性的でワイルドな印象があります。
スコッチやジャパニーズの方が敷居が低いというか、飲みやすいイメージです。
しかし、そんなバーボンはカクテルベースとしては最高。
濃厚でまろやかな味わいは個性的なカクテルを生み出すのです。
このたびご紹介したいのは、アメリカでは日常的に飲まれているもの。
バーボンをベースにして牛乳と併せます。
ちょっと変わった組み合わせに思えますが、飲んでみるとなめらかで風味豊か。
「ミルクパンチ」と呼ばれています。
バーボンとミルクパンチについて見てみたいと思います。
目次
バーボンはアメリカを代表するウイスキー!
「世界5大ウイスキー」と呼ばれているのは、「スコッチ」、「アイリッシュ」「ジャパニーズ」「カナディアン」そして「アメリカン」ウイスキーです。
アメリカンウイスキーの中でも、人気・知名度共に高いのが「バーボン」です。
バーボンはアメリカでのみ作られる
スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーには、産地や原材料について明確な規定があります。
これはとても厳しいものです。
産地をそれぞれの国内に限定していることからスコッチやアイリッシュウイスキーの希少価値を高めていると考えられます。
バーボンも同様です。
ただし、スコッチやアイリッシュが自国内の中でもさらに厳密に生産地を限定しているのに比べ、バーボンは「アメリカ合衆国内」ならどこでつくってもOKという点で他のウイスキーよりは緩い規定となっています。
「バーボン」を製造するための規定とは…
アメリカンウイスキーを「バーボン」と表記して販売するためには、様々な条件をクリアする必要があります。
まず、原材料の51%以上はトウモロコシでなければなりません。
さらに、新品の炭化被膜処理を施されたアメリカンオーク樽を使用して熟成させること。
蒸留はアルコール度数80%以下で行わなければならず、熟成樽に入れる前には62.5%以下になっていなければいけません。
その後のアルコール度数40%以上でボトリングすること。
そして、アメリカ合衆国内で製造されていること。
これらがバーボンの規定です。
特に特徴的なのが「新品の炭化被膜処理」を施されたアメリカンオーク樽を使用すること、という部分でしょうか。
炭化被膜処理された樽というのはつまり内側を焼き焦がした樽ということです。
これは他のウイスキーには見られない工程で、バーボン特有のもの。
バーボンのまろやかで深い味わいと独特の風味はこの過程を経ることによってのみ醸し出されると言われています。
バーボンの故郷はケンタッキー州
バーボンはアメリカ合衆国内ならどこででも製造することが可能です。
しかし、実際のところは大手バーボン製造会社のほとんどが「ケンタッキー州」に集中しています。
これはバーボンの故郷がケンタッキー州だから。
現在バーボンを製造・販売している会社の多くはもともとケンタッキー州でバーボンを製造していました。
ですからケンタッキー=バーボンという誇りがあるのです。
ケンタッキーには「バーボン協会」というものも存在し、大手蒸留所をはじめ、小さなクラフト蒸留所もこのメンバーに名を連ねています。
バーボンの普及と保護のため、幅広く活動しているのです。
ですからケンタッキー州の人々はバーボンをケンタッキーのものとみなしている節があります。
それは「ケンタッキー産でなければバーボンにあらず」と言った、ケンタッキー州知事やルイビル市長の言葉を見ても明らかなことです。
高齢になるほどこのような考えを持つ人が多いようですが、現在アメリカはクラフト蒸留所ブーム。
モンタナ州やワシントン州、ニューヨーク州などにも蒸留所が乱立し、それぞれが個性的なバーボンを生み出しています。
今後はケンタッキー州以外からも高品質なバーボンが次々と現れていくのではないでしょうか。
バーボンの味の特徴とは…
スコッチやアイリッシュウイスキーは、温度の低い寒い地域で製造されています。
これに対してバーボンはアメリカでも南部に属するケンタッキー州で製造されており、気候的にも両者の違いは明確です。
ケンタッキー州は寒暖の差が非常に激しく、これは熟成の過程でウイスキーの味わいに影響します。
温かい場所で樽熟成を行うと樽材の膨張収縮が頻発するので、原酒の熟成が早く進むのです。
ですから長期熟成しなくても十分に深く円熟した味わいになります。
また、前述の通り、バーボン樽は「炭化被膜処理を施した」新品のオーク樽を熟成に使用します。
樽の焦げた成分が原酒に混じり、オーク材の色や香りを強く取り込んだウイスキーになります。
そのためスコッチやアイリッシュより風味や香りが強く、その香りはしばしばバニラやカラメルにたとえられます。
バーボンは洗練されたスコッチやアイリッシュウイスキーに比べると、ワイルドで力強い味わいのものが多いです。
深いコクがあり、ガツンとくる味わいです。
バーボンの中でもテネシーで作られる「テネシーウイスキー」はさらにシャープでくっきりとしたクリアな味わい。
どちらもカクテルと相性が良く、合わせるものによって様々な風味が楽しめます。
バーボンに合わせたいのは…ミルク!
バーボン発祥の地アメリカ合衆国では、日常的にバーボンを楽しむ人々がたくさんいます。
特にアメリカ建国当時からの伝統あるアルコールですから、古くから伝わるオリジナルレシピやカクテルが存在するのです。
ここで見ていたいのは、「バーボン」と「ミルク」の組み合わせ。
バーボンと牛乳なんて気持ち悪い…と思われる方もいるかもしれませんが、アメリカ南部地方では日常的に飲まれているドリンクもあり、珍妙な組み合わせではありません。
バーボンは円やかで深い味わいと、カラメルやバニラのような甘く豊かな香りのウイスキー。
ミルクのコクとなめらかさが意外にマッチします。
南部で愛される味「ミルクパンチ」
バーボンにミルクを混ぜた飲み物は「ミルクパンチ」と呼ばれ、南部地方では朝食にもでてくるほどの日常的な飲み物です。
アメリカの他の地方ではバーボンに変わりブランデーなどを使用するところもあります。
もともとはミルクとブランデーに薬効があると信じられていた時代に始まった飲み物と言われています。
アメリカの東海岸で始まったレシピが変化しながらアメリカ全土へと広がりました。
現在では薬効があるとは言われませんが、お年寄りなどは「これを飲むと胃が良くなる」という人がいるようです。
簡単なレシピを見てみたいと思います。
ミルクパンチ レシピ
- バーボン… 45ml
- ミルク… 120ml
- シュガーシロップ… 5ml
- バニラシロップ…5ml
グラスに氷と全ての材料を入れて良く混ぜて下さい。
仕上げにはナツメグをふりかけるとより本場風になります。
ミルクパンチ+卵で「エッグノッグ!
前述のミルクパンチと同様に親しまれているのが「エッグノッグ」です。
ミルクパンチに卵をプラスしたもので、こちらは古くからヨーロッパで愛されてきた飲み物です。
アメリカやヨーロッパでは寒い日やホリデイの飲み物として人気があります。
アメリカではイギリスからの入植者によって広められ、はじめはラム酒で作られていました。
しかしラム酒の入手が困難になると、ウイスキー、そして最終的にはバーボンが使用されるようになったのです。
アメリカ初代大統領も訪問者に振舞っていたと言われる、アメリカ伝統の飲み物です。
エッグノッグ レシピ
- バーボン…45ml
- 卵黄…20ml
- 砂糖…小さじ2杯
- ミルク…85ml
これらをボウルに入れ、よく混ぜます。
グラスに氷を入れて注げば完成です。
こちらも仕上げにナツメグを振りかけて下さい。
ホットミルクでもおいしく頂けます。
バニラビーンズなどを添えるのもおすすめですよ。
まとめ
主にアメリカ南部地方で愛されている「ミルクパンチ」。
ニューオリンズでは朝食メニューに入っているほど日常的な飲み物だそうです。
クリスマスやイースター、南部最大のお祭り「マルディグラ」の期間にはテレビの料理番組などでもミルクパンチのレシピが放送されます。
バーボン以外にもウイスキーやブランデーを使用するものもあるそうですので、飲み比べてみるのも楽しいかもしれません。
アメリカの味を知りたくなったら、「ミルクパンチ」を是非お試しくださいね。