バーボンはケンタッキー産のみにあらず。小さな蒸留所の新バーボン!

バーボン

Few Bourbon Whisky (750ml)

バーボン人気は高く、アメリカではスコッチ以上に愛飲されているとか。

そんなバーボンの故郷といえば、言わずと知れたケンタッキー州です。

しかし、バーボン人気が高まるにつれて、ケンタッキー州以外でも素晴らしいバーボンが造られるようになりました。

ケンタッキーのような古くからの伝統はないけれど、個性豊かなものが見つかります。

おすすめを見てみたと思います。



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バーボンはケンタッキー州で造られねばならない?

バーボンの歴史は1789年からと言われます。

アメリカ合衆国独立の年ですね。

後のアメリカ大統領となるトマス・ジェファーソンは、独立戦争時にアメリカに味方してくれたフランスに敬意を示し、当時の州の一つを「bourbon county」と名付けました。

次第にこの名前がその土地で造られたウイスキーを指すようになり、定着していきます。

これがバーボンの始まりと言われています。

現在はアメリカ合衆国の規定にそったもののみがバーボンとなりますが、始まりの歴史を持つケンタッキー州では「ケンタッキーで造られたもの以外はバーボンとは呼べない」と自負している人がたくさんいます。

しかし実際はコニャックやアルマニャックのように厳しい原産地呼称統制の制度があるわけではないので、アメリカ合衆国内で規定にそって造られていれば大丈夫のようです。

たとえケンタッキー州以外で造られていたとしてもバーボンであるというわけですね。



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バーボンの定義とは!

それではアメリカ国内で消費されるバーボンには製造上どんな規定があるのか、見てみたいと思います。

バーボンは5大ウイスキー(スコッチ、カナディアン、アメリカン、ジャパニーズ、アイリッシュ)の中でも唯一着色料の使用が認められていません。

さらに、バーボンと名乗るためには以下の条件を満たす必要があります。

●アメリカ合衆国内で製造されていること。

●51%以上のトウモロコシを原材料として使用すること。

●熟成のためのオーク樽は新品で炭化被膜処理を施されたものを使用すること。

●樽熟成を行う前の原酒のアルコール度数は62.5%以下であること。

●瓶詰する際の蒸留酒のアルコール度数は40パーセント以上であること。

ケンタッキー州で造られねばならない、とはありませんね。

しかし、蒸留所がケンタッキーに集中しているのもまた事実。

それ故に「バーボン=ケンタッキー」の図式がぱっと浮かんでしまうのでしょう。

さらにアメリカ独立時から愛されていた、アメリカを代表する飲物の原産地であるという誇りは、現地の人にとっては揺るがないものです。

ケンタッキー知事やバーボンフェスティバルを行うルイビル市長が「世界のバーボンの95%はケンタッキー産で、残りはまがいもの」と言い切ってしまうのも、その歴史に強い自負があるからこそ。

歴史や伝統でケンタッキー州に変わるものはないと言えます。

バーボン業界にも新しい風が吹いているのです

近年、ケンタッキー州以外で造られたバーボンが注目を集めるようになってきました。

ケンタッキー州のような古くからの伝統はありませんが、様々な味を模索して、新しいバーボンを探求しているものが多いのです。

バーボン消費量が多いアメリカでは、選択肢に幅が出来るのは嬉しいところ。

人気の高まっている小規模蒸留所の良さを生かした製品が期待されています。

FEW蒸留所

開拓者が力強く切り開いてきたアメリカ。

その精神はウイスキーにもみられます。

このFEW蒸留所は、オリジナリティを追及する、新時代の蒸留所とも呼ばれます。

FEW蒸留所があるのは、イリノイ州のエバンストンという街。

このエバンストンは19世紀にはじまった禁酒運動の発祥地で、1972年までは完全に酒類の販売・消費が禁止されていました。

1984年までは酒屋さえなかったとか。

そんなドライカウンティに蒸留所を開いたのは、ポール・ホレッコ。

彼はもともと弁護士でした。

バーボン造りとは全く関連のなさそうな職業ですが、あえてこのエバンストンで蒸留所を立ち上げたのは、彼が「変化」を求めたからです。

エバンストンで生まれ育ったポール・ホレッコは、20年以上もずっとなにも変わらない街に変化をもたらしたいと考えました。

そして蒸留所の立ち上げ後も、それまでのウイスキー作りとは違うもの、オリジナリティ、変化を求めてチャレンジを続けます。

小規模蒸留所であるFew Bourbon Whiskyは、普通の商品を造っていてはとても大手蒸留所には敵わないからです。

収益にこだわらず、品質に重点を置く。

その精神で造った製品は徐々に市場に認められ始めているのです。

名前の由来は…

FEWって変わった名前だな、と思われませんか?

創設者はホレッコさんですし、名前からとったわけでもありません。

実はこのFEWというのはとある人物の頭文字をとっているのです。

その人物とは、フランシス・エリザベス・ウィラード。

エバンストンにあるエバンストン女子大学の学長を勤めた人物です。

彼女は「婦人キリスト教禁酒組合」の設立者でもあり、のちのアメリカ禁酒運動のさきがけとなったとも言われています。

彼女は飲酒による家庭崩壊の危険を指摘し、各地で飲酒禁止運動の演説を行いました。

この運動が拡大してアメリカ全土に広がっていくわけですね。

ある意味蒸留所にとってはありがたくない人物のようにも思えますが、そんな人物の頭文字を新しい蒸留所に着けてしまうというところが新しいなあと思いますよね。

ちなみにこのウィラードさん、女性の参政権のためにも尽力した、立派な方です。

現在でもエバンストンを象徴する偉人として知られています。

こだわりぬいたFew 蒸留所の製法

Few 蒸留所ではすべての工程が手作業で行われています。

それは品質へのこだわりから。

原材料となるホップを含め、バーボンづくりに必要なものはすべて地元エバンストン産です。

ポール・ホレッコが目指すのは、小規模ながら独自の道を行く蒸留所。

本物を手作りすることこそが、Few 蒸留所の存在意義といえるのです。

Few Bourbon Whisky

Few Bourbon Whisky (750ml)

角ばったボトルのおしゃれなバーボンです。

カラーは美しい黄金色。

2014年に「Beverage Tasting Institute」よりゴールドメダルを授与されました。

さらに同年、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」においてシルバーメダルを獲得。

南部に伝わるバーボンの伝統製法で造られ、原材料には北部産のライムギを使用しています。

シナモンと香辛料の香り。

キャラメル、バタースカッチ、アニス、柑橘系果物などの甘さを感じます。

特徴ある酵母を使っているため、口に含むとピリッとした刺激を感じます。

ハーブ豊かでスパイシー、そしてなめらかな味わいです。

ハーブ系バーボンということで、何も知らずに飲むとびっくりするかもしれません。

ちなみに、スモールバッチで「bloodshotrecords」とコラボしたものもあります。

販売本数はわずか500本。

こちらはオリジナルに比べてハーブが強め。

ボトルの裏のラベルには「bloodshotrecords」の名前が刻まれています。

なかなか貴重なバーボンですね。

FEWバーボンを使ったおすすめカクテル

FEWバーボンを使用したオリジナルカクテルもあります。

おいしそうなものを見てみたいと思います。

FEWバーボンのすっきりした味わいが生きるレシピです。

DOESN’T FALL FAR

シンプルで甘くい、クラシックなカクテルです。

ジンジャースパイスがおいしさを引き立てます。

材料:FEWバーボン…1.5オンス
フレッシュライムジュース…1/4オンス
シンプルシロップ
ジンジャービール

作り方…ジンジャービール以外の材料を全てシェーカーに加え、氷を満たす。

よくシェイクし、氷で満たしたグラスに注ぐ。

ライムの輪切りをふちに飾る。

さっぱりとした飲み口で、夏の暑い日などおすすめです。

まとめ

バーボンといえばケンタッキーというイメージがありますが、新しい蒸留所を探してみるのも楽しそうですね。

大手とは違った、一風変わったものが見つかるかもしれません。

飲み比べて、やはりクラシックな方がいいと思うかもしれませんし、新しいものにはまるかもしれません。

なんにせよ、バーボンというものの楽しみが増えるのは嬉しいものですよね。

バーボン