世界最高のシングル・モルト・ウイスキーを探せ? ワールド・ウイスキー・アワード受賞のウイスキーはこれ!
ウイスキーは数あれど、イマイチ自分の好みがわからない…。
とりあえず評価の高いものを試してみたい…。
そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。
とりあえず、世界大会でトップに輝いたウイスキーから試してみるのはいかがでしょう。
ウイスキーには数々の国際鑑評会がありますが、中でも有名なのが「World Whiskies Awards(WWA)」です。
過去には日本のウイスキーが賞を受け、話題になりましたね。
こちらで金賞に輝いたウイスキーなら、とりあえずはキラリと光る何かがあるはず!
ワールド・ウイスキー・アワードで最優秀に輝いた、おすすめのシングルモルトウイスキーを見てみたいと思います。
目次
World Whiskies Awardsってどんな大会なの?
World Whiskies Awardsは毎年、イギリスで開かれるウイスキーの鑑評会です。
2001年から行われていたのですが、当時は2年に一度の開催でした。
今の形になったのは2007年からで、以後は毎年開かれるようになりました。
イギリスのウイスキー専門雑誌「ウイスキー・マガジン」によって主催されています。
ウイスキーのみの世界大会は大変珍しく、他に類を見ない鑑評会といえます。
世界中からウイスキーが集められ、専門家たちによってテイスティングを行われるわけですが、その地区代表になるだけでも大変なことです。
例えば日本では、本選にすすめるのはわずか5つ。
選ばれるためには、3度にわたって行われる厳しい審査に残るしかありません。
審査はカテゴリーごとに細分化され、勝者が決定します。
代表に選ばれれば、今度は世界の名だたるウイスキーがライバルです。
その中で最優秀に輝くのがいかに大変か、お分かりいただけると思います。
審査は銘柄を明かさない、完全ブラインドテイスティングで行われます。
基準は熟練の審査員の舌のみですから、信頼に値するのではないでしょうか。
審査対象となる部門は以下のとおりです。
World’s Best Single Malt Whisky
World’s Best Blended whisky
World’s Best American Whisky
World’s Best Blended Malt Whisky
World’s Best Grain Whisky
World’s Best New Release
World’s Best Whisky Liqueur
選ばれることは最高の栄誉!
毎年この大会でどんなウイスキーが選ばれるのか、世界中のファンたちが固唾を飲んで見守っています。
最高賞を受賞すれば、大きく報道され、知名度もアップ。
まさしく最高の栄誉を手に入れることができるというわけです。
おすすめとして、2009年以降のWorld’s Best Single Malt Whisky部門の歴代の受賞銘柄を見てみたいと思います。
Highland Park 21 Years Old
2009年のWorld’s Best Single Malt Whiskyに選ばれました。
こちらはスコットランドのハイランドパーク蒸留所で造られています。
こちらはフロアモルティングという手のかかる製麦法を使っている、数少ない蒸留所の一つです。
どういう方法かというと、
1.2日間水に浸した大麦を床に広げ、4時間ごとに攪拌
2.麦の発芽によって発生する熱を均等にする
このようなステップで行われます。
一見簡単そうに見えますが、使用する道具は重く、熟達した技術が必要となります。
また、24時間体制で発芽の様子を見なければなりません。
かなりの重労働と言えますね。
ハイランドパークはこの方法にこだわりを持ち、伝統を維持し続けているのです。
又、仕込みに使われる水にも特徴があります。
蒸留所背後の山や井戸からの硬水を使用しているのです。
ハイランドパーク特有ともいえるきりっとした口当たりは、ミネラル豊富なこの水のおかげでもあります。
使用されるピートも、蒸留所のある島でしかとれない貴重なものです。
ウイスキーにスモーキーさを与えるこのピートは、ハイランドパークに他のウイスキーとは少し違った個性を与えています。
色:優しい小麦色。
香り:トフィーのように甘い。
シェリー樽由来の香味の中に、酸味も少し感じる。
味わい:アップルクランブルのような甘酸っぱさ、ハチミツの甘さ。
円やかで、スパイシーさもある。
Ardbeg Corryvreckan
2010年のWorld’s Best Single Malt Whiskyに選ばれました。
アイラ島のアードベッグ蒸留所で造られています。
創立は1815年と古いのですが、途中閉鎖され、1995年のグレーンモーレンジィ社による買収で復活を遂げました。
「Corryvreckan」とはアイラ島付近にある、世界で二番目に大きな渦潮の名前だそうです。
その名の通り、力強い味わいが特徴のウイスキーです。
スモーキーでピーティな味わいは、ピュリファイラー(精留器)のおかげともいわれます。
これはアイラ島の蒸留所で、アードベッグにだけ取り付けられています。
色:深い琥珀。
香り:ダークチョコレートやカシスなどの力強い香り、スパイシーでスモーキーさもある。
バニラ、クローブなどのニュアンスも感じる。
味わい:スパイシーで刺激的な味わい。
だんだんとダークフルーツやアーモンド、アニスのまろやかな味わい。
最後にはエスプレッソのような引き締まった苦みを感じる2013年にも、このアードベッグ蒸留所の「Ardbeg Galileo」がWorld’s Best Single Malt Whiskyに選ばれています。
Suntory Single Malt Whisky Yamazaki 1984
2011年のWorld’s Best Single Malt Whiskyです。
日本の山崎蒸留所で造られています。
山崎がこの賞を受賞した時、日本でも大変話題になったので覚えている方も多いかもしれませんね。
このウイスキーは、シングルモルトウイスキー「山崎」が発売された1984年に蒸留・樽詰めされたモルト原酒のみを使用しています。
山崎といえばミズナラ樽。
この樽で熟成された原酒のみを中心にバッティングされており、日本のウイスキーの個性ともいわれるオリエンタルな香りを十分に感じることが出来ます。
審査員からは、「あじわいに日本らしさを感じる独創的なウイスキー」と評されました。
日本のウイスキーの品質を世界に知らしめた逸品と言えますね。
日本から世界に自身を持っておすすめできるウイスキーです。
色:赤味がかった琥珀。
香り:濃厚なドライフルーツ、チョコレートのような甘さ。
味わい:厚みのある、しっかりとした酸味、ほろ苦さ。
ちなみに翌年2012年も同じく山崎蒸留所の「Suntory Single Malt Whisky Yamazaki 25 Years Old」が受賞しています。
Sullivans Cove French Oak Cask
2014年にWorld’s Best Single Malt Whiskに選ばれました。
こちらはオーストラリアのタスマニア蒸留所で造られています。
スコッチでもジャパニーズでもない蒸留所がこの賞を受賞するのは初めて、しかも南半球からの受賞ということで、大変話題になりました。
この受賞によって、サリバンズコーブは世界的に有名なウイスキーとなりました。
このウイスキーが造られるタスマニア蒸留所は1994年に立ち上げられた小規模な蒸留所です。
島には清浄な水と空気に恵まれ、環境は抜群。
地元のブルワリーが仕込んだモロミを全て手作業で蒸留・樽詰めしています。
カラー:赤味の強い琥珀。
香り:甘く芳醇。
ドライフルーツやダークチョコレートのようなまったりした香り。
味わい:少しスパイシーさを感じる。
濃厚で甘く、トフィー、チョコレートのまろやかな舌触り。
Kavalan Solist Vinho Barrique Single Cask Strength
2015年受賞のウイスキーです。
こちらの蒸留所は、なんと台湾にあります。
ウイスキーというと、なんとなく寒い場所で造られると思っていませんか?
こちら台湾は温暖な気候ですが、それゆえ熟成も早く、通常は10数年要する熟成も、数年で済んでしまうのです。
実際、その品質は高く評価され、世界でも数多くの賞を受賞しています。
蒸留所の場所は、台北から南へ約60キロの雪山山脈のふもと、美味しい水の湧く場所です。
蒸留所の名称は「金車威士忌酒廠」。
親会社である金車グループは台湾屈指のドリンクメーカーです。
ドリンクメーカー独自のノウハウと、それに適した気候を知り尽くすことで、高品質なウイスキーを作り出すことに成功しました。
台湾に旅行に行かれた際は、お土産としてもおすすめです。
ワールドワイドな台湾発ウイスキーはインパクト抜群です!
カラー:黄金色。
香り:メロン・マンゴーのようなフルーティな甘さ、バニラやキャラメルのまったりとした濃厚さが見事にミックスされている。
味わい:モルトの豊かな味わい、アーモンド、チョコレート、マンゴーなどの旨み。
Old Pulteney Vintage 1989
2016年にWorld’s Best Single Malt Whiskyを受賞しました。
スコットランド北東のウイックにある、プルトニー蒸留所で造られています。
船を描いた美しいボトルのとおり、海のそばで造られており、ウイスキーにもかすかな潮味を感じます。
少量生産のみで、市場に出回ることはなかったのですが、1995年にインバーハウス社がオーナーとなって以来、オフィシャル品を入手することができるようになりました。
カラー:淡いはちみつ色。
香り:チェリーオークとフローラルさがバランスよく香る。
わずかな潮の香りもある。
味わい:オーク由来のナッツ、バターとレモンのようなさわやかさが口に広がる。
ほんのりと潮が残る
まとめ
シングルモルトウイスキーというと、スコッチが独占かな、と思ったのですが、違いますね。
日本産ウイスキーも、こうした受賞をきっかけに世界で品質が認められるようになったので、受賞銘柄をチェックすれば、ウイスキー業界の流れがわかりますね。
オーストラリアや台湾など、世界でも注目を浴びている産地のものに目を向けてみると、より新しい発見があるかもしれません。
お気に入りを是非、見つけてみてはいかがでしょうか。