ウイスキー魅力とおすすめのスコットランドウイスキー10選
お酒が好きな方の中にはスコットランドウイスキーに興味がある方もいることでしょう。
しかしスコットランドウイスキーは非常にたくさんの種類があります。
どれが自分の好みなのかわからず敷居の高さを感じている方もきっと多いのではないでしょうか。
ウイスキーをお洒落に飲める大人はとてもカッコいいものです。
今回はウイスキーの作り方から産地、ブランドによる味や香りの違い、ウイスキーのおすすめの飲み方について紹介します。
ウイスキーの作り方
ウイスキーはどのように作られるのでしょうか?
その作り方をきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか?
麦芽作り
ウイスキーの原料となる大麦に水を吸わせ、床に広げます。
すると1週間から2週間ほどで発芽し、麦芽になります。
この間、一日に何度かすき返し、すべての大麦が空気に触れさせてあげる必要があるのです。
大麦に含まれるでんぷんは直接アルコール発酵することができないので、麦芽に変えてあげる必要があります。
麦芽にはでんぷんを糖化する「ジアスターゼ」という酵素が含まれています。
麦芽の乾燥
麦芽をそのまま放置しておくと麦になってしまうため、一番ウイスキーを作るのに適した時期に成長を止める必要があります。
この時使うのが「泥炭」です。
泥炭は湿地などに生えた植物が枯れて厚く堆積したもので、乾燥させるとよく燃えます。
泥炭はさらに化学分解が進むとやがて石炭になります。
窯で泥炭を燃やし、その煙で麦芽をいぶして乾燥させ、成長を止めるのです。
泥炭はその土地によって成分が異なるため、泥炭の香りが土地によって変わるウイスキー独特の香ばしい香りになるのです。
糖化・発酵
乾燥が終わった麦芽は細かく砕き、仕込み樽の中で70℃の温水と混ぜます。
すると8時間程で麦芽のでんぷんが糖に変わります。
これをろ過したものを「麦汁」といいます。
麦汁を発酵槽に入れ、酵母を添加すると酵母は麦汁中の糖分を分解し、アルコールを産生します。
通常60時間程度で発酵が終わります。
これによりできた発酵汁は「もろみ」または「ウォッシュ」と呼ばれます。
この段階でアルコール度数は約7%です。
蒸留
発酵が終わったもろみをポットスティルと呼ばれる単式蒸留器に入れて二度蒸留します。
この蒸留によりアルコール度数は70%になります。
蒸留はアルコールの沸点が80℃である性質を利用しています。
蒸留の始めと終わりは品質が良くないので、その部分は捨てます。
その見極めはとても難しく、熟練した蒸留職人しかできません。
熟成
ウイスキー作りで最も大切ステップはこの「熟成」です。
蒸留でできたウイスキーの原液はその後、樽の中で長期間じっくりと寝かせ熟成させます。
ウイスキーの深み、味わい、恍惚とする風味はこの熟成によってもたらされるのです。
樽に貯蔵してあげると原酒の硫黄や穀物臭などの臭みが取れ、渋み、苦みがなくなってまろやかな味になるのです。
このウイスキーを熟成させる樽にも大きな秘密があります。
樽の原材料となる樽材、大きさによってウイスキーの風味は大きく影響を受けます。
ウイスキーを熟成させる樽は新品ではなく、使い古した樽をつかいます。
なんとその樽は、シェリー酒やバーボンを貯蔵していた樽を再利用して使っているのです。
このように使い古した樽を使って熟成することで、以前貯蔵されていたお酒の影響を受け、ウイスキーはさらに深みのある風味を持つのです。
古い樽は分解して組み立て直した後、最後に内部を焦がしてやりますが、これを行うことで古い樽の嫌な臭いが飛び、良い匂いだけが残るのです。
熟成されたウイスキーの原酒は、熟成環境の影響を大きく受けます。
熟成庫内の温度、湿度、置かれていた場所によって熟成度合いが変化し、多彩なウイスキー原酒が生まれるのです。
その樽一つとして全く同じウイスキーにはならない、とも言われているのです。
ブレンド
樽で熟成されたウイスキーの原酒はどれ一つとっても同じ味にならないため、そのまま販売することはしません。
ブレンドマイスターが原酒を絶妙なバランスでブレンドし、素晴らしいウイスキーを作ります。
ウイスキーの種類
ウイスキーには大きく分けて「ブレンデッドウイスキー」と「シングルモルトウイスキー」があります。
この二つのウイスキーの違いについて見ていきましょう。
どんな特徴があるのでしょうか?
ブレンデッドウイスキー
複数のモルトウイスキーの原酒以外にグレーンウイスキー(大麦以外を原料に作ったウイスキー、例えばトウモロコシや小麦など)の原酒を複数ブレンドして作ったウイスキーをブレンデッドウイスキーといいます。
なんと20種類以上の原酒をブレンドして作られているブレンデッドウイスキーもあります。
原材料の違いを含め、性格の異なる様々なウイスキー原酒をブレンドして作られているため、シングルモルトウイスキーとくらべ数段華やかな印象になり、ウイスキー初心者でも飲みやすいと言われています。
音楽で例えて言うならビックバンドのオーケストラといったところでしょうか。
シングルモルトウイスキー
単一蒸留所のみで作られたウイスキー原酒を混ぜて作られたウイスキーの事です。
ラベルに記載されている年数は、ブレンドに使用されたウイスキー原酒の中で最も浅い熟成年数の樽の原酒を表しています。
ですからそれ以上熟成されたウイスキー原酒も含まれているのです。
ブレンデッドウイスキーはシングルモルトウイスキーと比べ蒸留所のクセがはっきりと強調されるため、ウイスキー上級者向けであるとも言われています。
おすすめのスコットランドウイスキー
おすすめのスコットランドウイスキーの銘柄とその特徴について紹介していきます。
シングルモルトウイスキー
まずはシングルモルトウイスキーです。
スコットランドのシングルモルトウイスキーの産地として有名な地区に「スペイサイド」と「アイラ島」があります。
スペイサイド
スペイ川流域にあるウイスキーの蒸留所で作られたウイスキーです。
アイラ島のウイスキーよりも繊細で芳醇な風味のウイスキーが多いと言われています。
スペイサイドで作られるウイスキーで有名なものを紹介します。
●ザ・グレンリヴェット
ゲール語で「静かな谷」を意味しています。
こちらの蒸留所は良質な水と豊富な泥炭に恵まれています。
後味に青リンゴを彷彿とさせる爽やかな味わいとバニラのような甘みが穏やかに広がります。
●グレンフィディック
高貴な香り立つウイスキーです。
伸びやかな勢いで切れ味が良く、飲みやすく万人受けする風味といえます。
●クラガンモア
フルーティで優雅な香り、バニラのような甘い香り、薬草の香りなど複雑な香りの組み合わせが特徴のウイスキーです。
ジョニーウォーカー黒にはこの原酒が使われています。
アイラ島
アイラ島のウイスキー蒸留所のほとんどは海辺に建っており、潮の香りが特徴的です。
力強くストレートな味わいのウイスキーが多いと言われています。
●ラフロイグ
個性豊かなアイラ島のウイスキーの中でも独特で強烈な風味のウイスキーです。
強烈な波のようなイメージと表現する人もいれば、クレオソート(正露丸の香り)のような香りという人もいます。
シングルモルトの中でもより上級者向けのウイスキーと言えるでしょう。
●ボウモア
ゲール語で「大きな岩礁」という意味を持つボウモア。
風が強い日には蒸留所は波しぶきをかぶり、蒸留所は潮の香りで満ちています。
しかしその味わいはスモーキー感が少なく、フルーティな味わいです。
●ブルイックラディ
ゲール語で「海辺の丘の斜面」という意味です。
アイラ島で作られるシングルモルトウイスキーでありながらブレンデッドウイスキーのような艶やかで華やかな香りが特徴です。
●マッカラン
厳選されたシェリー樽で熟成させたウイスキーです。
シングルモルトのロールスロイスとまで讃えられた、言わずと知れた最高級スコットランドウイスキーです。
ブレンデッドウイスキー
続いてブレンデッドウイスキーについても紹介します。
●ホワイト&マッカイ
グラスに注ぐと立ち上る独特のモルトの香りとグレーンの香りのバランスが特徴的です。
口に含むとバニラや生クリームを彷彿とさせるなめらかでコクのある味わいが広がります。
●バランタイン
絶妙なバランスで原酒をブレンドしたウイスキーです。
スパイシーさやスモーキーな香りを隠し味としながらも、まろやかな甘さを上品なウイスキーです。
●ジョニーウォーカー黒
日本で飲まれているスコットランドウイスキーの中で最も有名なブランドとして多くの人に知られています。
「ジョニ黒」の愛称でも有名なウイスキーです。
濃厚なレーズンやメープルシロップのような甘い香り、味わいは爽やかでスモーキーフレーバーはほのかに漂う程度で、甘みと酸味のバランスが取れたウイスキーです。
ウイスキーの飲み方
ウイスキーには飲み方もいろいろあります。
ウイスキーはアルコール度数が高いお酒ですので、自分好みの濃さに調整して飲むのがおすすめです。
こちらに紹介した飲み方以外にも楽しみ方はたくさんありますので、いろいろ試してみるのも楽しいでしょう。
ストレート
ウイスキーをグラスに注ぎ、そのまま飲みます。
ウイスキーを一切薄めないので、しっかりとウイスキーの持つ本来の風味を味わうことができます。
お湯割りや水割りと比べ香りは控えめです。
お湯割り
温かいお湯を注げば、ウイスキーの持つ香りが一気に花開きます。
ウイスキーの銘柄の違いが最も際立つ飲み方です。
体も暖まりますので寒い日におすすめの飲み方です。
水割り
少し冷やした水で割ります。
お湯割りほど香りが強烈に立たないのでしっかりとウイスキー本来の味が楽しめる飲み方です。
アルコール度数もちょうどよくなり、時間をかけて味わうことのできるバランスよい飲み方といえます。
炭酸割り
暑い夏の日は炭酸で割って飲むのがおすすめです。
炭酸水で割ることですっきりとした口当たりになりウイスキー初心者には親しみやすい飲み方です。
オンザロック
こちらも暑い日におすすめの飲み方です。
冷たい氷でキリッと冷やしたウイスキーは暑い日にはたまりません。
氷が解けるとウイスキーの味わいも変わり、氷とグラスがあたる涼しい音が最高です。
自分好みのスコットランドウイスキーを見つけるために
今回紹介したブランド以外にもスコットランドウイスキーにはたくさんの種類があります。
自分好みのウイスキーをどうやって見つければよいでしょうか。
バーに行く
たくさんウイスキーを取り揃えているバーに行って自分好みのウイスキーを探してみましょう。
気になるブランドを順番に試していくのもありですが、バーテンダーに自分の好みを相談してみるのもよいと思います。
ミニチュアボトルを購入する
自分好みのウイスキーを見つけるまで、ミニチュアボトルの購入もおすすめです。
ミニチュアボトルであれば、万が一好みでなかった場合でも無駄になりませんし、一本あたりの値段も安いのでいろいろな種類を試すことができます。
自宅でゆっくりとテイスティングしたい時にはミニチュアボトルの購入がよいでしょう。
まとめ
スコットランドウイスキーには長い歴史があり、それぞれ大きなこだわりとプライドをもって作られています。
作られた地域やそのブレンドによってその味わいはすべて絶妙に異なるのです。
またウイスキーの飲み方も様々で、同じブランドであっても飲み方によって違う顔を見ることができます。
きっとあなた好みのウイスキーのブランド、飲み方があることでしょう。
ウイスキー初心者の方はまずバランスの取れたブレンデッドウイスキーから始めてみてはいかがでしょうか。
自分の好きなウイスキーを見つけることができればよりお酒が楽しくなります。