ジャパニーズウイスキーの始祖、サントリーウイスキーの歴史

ウイスキー

フロム・ザ・バレル 500ml

今やワインやブランデーを始め様々な洋酒を販売している大手企業として誰もが知っているサントリーですが、そのサントリーが成長するにあたって最も尽力したものがウイスキーでした。

五大ウイスキーの1つにまで数えられるまでに成長したジャパニーズ・ウイスキー。

サントリーのウイスキーたちは日本の風土にあった、日本人に好かれ愛されるウイスキーを目指し先人の努力と歳月に育まれた多彩で豊かなウイスキーです。



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ウイスキーの製造

世界各国ではグレーンウイスキー、バーボンウイスキー、ベースウイスキー、フレーバリングウイスキーにみられるようにトウモロコシやライ麦、小麦など様々な穀物で原酒を作るウイスキーですが、日本では大麦麦芽から作られるモルトウイスキーとそれにトウモロコシを加えた比較的安価なグレーンウイスキーが作られています、とりわけサントリーでは大麦麦芽、つまりモルトを原料に使用したモルト原酒にこだわっています。

日本独自のウイスキーを求め原酒の改良を重ねブレンドを工夫して行きました。

ウイスキーは原料大麦の選定、麦芽の乾燥、仕込み、発酵、蒸溜、これらすべての要素が影響しあって味や香りが形成され、熟成により更に複雑で多様になっていきます。

熟成に長い歳月がかかるウイスキー作りは原酒を仕込んだ製造者が製品の完成に立ち会うことができるとは限りません。

何十年も前の原酒が熟成され、後世の者たちが熟成のピークを迎えたものを厳選しながら1つ1つのウイスキーは作られていきます。



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サントリーの創業基礎

明治12年両替商の息子として生まれた鳥井信治郎は13歳で薬酒問屋に奉公へ出ました。

西洋文化に触れることも多い薬酒問屋はウイスキーをはじめワインやブランデーなども扱う先進的なお店でした。

ここで洋酒の知識を身につけ20歳で独立し鳥井商店を創業しました、ですが当時まだ日本人の味覚に洋酒は合わず研究の結果赤玉ポートワインを発売、それが洋酒メーカーとして飛躍するきっかけとなり社名も寿屋洋酒店と改められました。

そしてあるとき、リキュール用スピリッツをワインの古樽に入れて放置していたものをふと試飲してみた所、まったく異なる味に変化しているのを発見しました。

そこで酒に複雑さと深い香味を与える樽熟成の神秘に魅了され日本で本格的なウイスキーを作りたいと思い立ちました。

サントリー山崎誕生

そして1923年山崎蒸溜所の建設が始まり、6年後の1929年には日本初の本格国産ウイスキーであるサントリーウイスキー白札が誕生し、それから続々とサントリーウイスキー赤札1930年、サントリーウイスキー角瓶1937年、トリスウイスキー1946年、そして1984年にはサントリーシングルモルトウイスキー山崎が誕生しました。

ウイスキーの改良

白札は当時、国産最高の美酒というキャッチコピーで売り出したものの、やはり日本人の味覚には受け入れられず改良や模索の日々が続いきました。

次に発売された赤札も当初売れ行きが好ましくなく、翌年は資金不足で原酒が作れませんでした。

ですが、1937年にサントリーウイスキー角瓶が発売された時点でスコッチ至上主義者の舌をも魅了したサントリーは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していきました。

低価格ウイスキー

太平洋戦争が勃発すると洋酒への規制が厳しくなり、さらに空襲によって本社や大阪工場が破壊され大打撃を受けていたが山崎蒸溜所は無傷でした。

その頃次男の佐治敬三が復員しましたが、敗戦直後の混乱のなか日本の闇市ではカストリ、バクダンと呼ばれる質の悪い酒が出回っていました。

コレを憂いた佐治敬三は安価でもしっかりとしたウイスキーを提供できないかと考え、グレーン原酒をブレンドした低価格ウイスキーの製造を提案しました。

モルト原酒にこだわりを持つ信治郎でしたが、敬三の考えを汲み敗戦の失意と虚脱に沈んだ国民に安くて美味いウイスキーを提供しようと決意しました。

幸い戦火から免れた山崎の貯蔵原酒をベースに終戦の8ヵ月後、うまい、安いをキャッチフレーズにトリスウイスキーを発売した。

トリスは絶大な人気を誇りバーなどでおすすめされ、大流行しました。

そうして一般家庭でもウイスキーに親しむ人々が増えました。

世界に認められた

その後、さらに改良や工夫が重ねられ品質に磨きがかかった銘柄が続々と登場し、1961年にはアメリカでサントリーがジャパニーズ・ウイスキーとして初のラベル登録承認を受けました。

そうしてついにスコッチ、アイリッシュ、カナディアン、アメリカンと並ぶ世界五大ウイスキーとして認知されるまでに至りました。

1984年、日本初のモルト原酒100パーセントのウイスキーとして山崎12年が発売され、権威ある賞を次々と受賞し、山崎の長期熟成プレミアムウイスキーは世界の認める評価を得ました。

まとめ

サントリーウイスキーは様々な困難に立ち向かい生まれた誇り高き日本のウイスキーですが、山崎を始めウイスキーのラベルはどれも飾り気なく無愛想で、別にみんなに好かれようとは思っていませんから、という声が聞こえてきそうです。

そして味も見た目通り1本1本頑固で譲らない個性を持っています、しかし飲み始めると不思議な親密さがあって、その武骨さがとても好ましく思えてくるようなウイスキーたちです。

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