宮城県限定発売のウイスキー「伊達」をご存知ですか?
ニッカウヰスキー株式会社から発売されている、宮城県限定発売のウイスキー「伊達」をご存知でしょうかニッカウヰスキーと言えば「余市」や「宮城峡」が思い浮かびますが、ニッカウヰスキーはこれまでにも「博多」(九州)「昴」(北海道)「ザ・横濱」(関東)といった地域限定ウイスキーを何度か出しています。
その地域限定シリーズもので一押しの宮城県限定発売のウイスキー「伊達」をご紹介します。
目次
ニッカウヰスキーってどんな会社
1934年(昭和9年)、広島県賀茂郡竹原町出身のドラマ化された事もある竹鶴政孝(マッサン)が北海道余市郡余市町に、ニッカウヰスキーの前身である「大日本果汁株式会社」が設立されました。
「日果(にっか)」と呼ばれていたものが、現在のブランド名であるニッカウヰスキーとなっています。
2001年(平成13年)、筆頭株主のアサヒビール株式会社(現在のアサヒグループホールディングス)が全株式を取得して完全子会社化されたため、現在ではニッカウヰスキーが製造する商品の販売はアサヒビールが行っています。
連続テレビドラマ、マッサンのおさらい
初の国産ウイスキー製造に挑んだニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝と、その妻であるリタをモデルに夫婦の愛と奮闘を描いたドラマです。
放送後は、国産のウイスキーブームを起こし、原酒不足で製造中止のウイスキーが出るなど社会現象となりました。
ウイスキー「伊達」誕生まで
宮城県で伊達と言えば、独眼竜でお馴染みの仙台藩初代藩主伊達政宗が連想されますが、伊達政宗をモチーフにしたウイスキーではありません。
しかし「伊達な文化」と呼ばれる仙台を中心とした商業圏で展開された大型観光キャンぺーをきっかけに誕生したので、元を辿れば伊達政宗に集約されるともいえます。
ウイスキー「伊達」発売
2008年に販売元であるアサヒビール株式会社が、JR、自治体、地元の観光事業者等が共同で実施する大型観光キャンペーン「仙台・宮城【伊達な旅】の応援企画として発売したのがきっかけです。
この応援企画は「つくろう宮城のウイスキー」と命名され、「豊かな自然に育まれ、宮城の皆様の手によって生まれたウイスキー」をコンセプトとしニッカウヰスキーが宮城峡蒸留所で製造しました。
ウイスキー「伊達」の現在
2008年発売当時は、宮城にお住まいの皆様、宮城を訪れる皆様に愛される商品にしたいという考えのもとでつくられたということで、数量限定発売でした。
2012年からは、ニッカウヰスキーの主要ブランドである「宮城峡」を反映した現在のラベルにて発売され、現在も宮城県限定で発売されています。
ラベルにあるローマ字上記「DATE」の「A」が、正宗公の兜をモチーフにしたデザインになっています。
ウイスキー「伊達」の特徴
スチーム式である宮城峡蒸留所の作りだすまろやかで華やかなモルトウイスキーと、ニッカウヰスキーが誇る「カフェ式連続式蒸溜機」が生み出すカフェモルトウイスキーとカフェグレーンウイスキーとのブレンデットウイスキーです。
シェリー樽のウッディな香りと樽熟成感、ほどよいモルト感のある甘さが口中に広がります。
例えるなら、ビタースイートチョコレートとフルーティーな甘さの調和といった感じで、酸味を感じつつも優しくやわらかな余韻を楽しめます。
全体的な仕上がりは「宮城峡」の香り豊かなモルトと、独特の酸味がみられるカフェモルトが主体になっていて、オールモルトに近い味になっているように思えます。
ロックで味わうのであれば、渋めのテイストを好まれる方におすすめといえます。
宮城峡蒸留所について
2014年にNHK朝の連続テレビ小説で「マッサン」が放送されましたが、その主人公でニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が、理想のモルトウイスキー、そして理想のブレンデッドウイスキーづくりのために、蒸溜所をつくりました。
そのひとつが、宮城峡蒸溜所です。
宮城県仙台市の最西部(仙台市青葉区ニッカ1番地)の山形県境に近いところに位置しており、仙台市内から車で40分ほどかかります。
近くには、古くから仙台の奥座敷として称された作並温泉があり、平日休日問わずこの蒸留所を見学に訪れる人が絶えません。
宮城峡は、豊かな緑に囲まれ、広瀬川と新川川(ニッカワガワ)というふたつの清流に恵まれているため穏やかで適度な湿潤によりとてもウイスキーの熟成に適しているとされています。
※新川川(ニッカワガワ)は古来からの呼称で、蒸留所竣工にちなんで命名されたわけではないそうです。
スチーム式のモルトウイスキー
緑豊かな仙台の峡谷で育まれる宮城峡モルトは、その環境に似て、おだやかでバランスのとれた個性を備えています。
果実を連想させる、みずみずしく華やかな香りを放ち、軽快でスムース、それでいてふくよかな甘さを感じさせる味わいです。
力強く男性的な余市モルトに対して女性的と評され、ウイスキーに慣れていない人でも飲みやすく、飲み飽きないという特徴を備えています。
この香りと味わいをつくり出すために、宮城峡モルトはスチームによる間接蒸溜を採用しているのです。
蒸気間接蒸溜は上向きのラインアームを持つバルジ型のポットスチルを使いスチームを使い、じっくりと130℃ほどで蒸溜する方法です。
蒸溜の過程で蒸気と香味成分が何度も繰り返し釜に戻り、その間に洗練された香りと味わいへと凝縮されていきます。
そのバランスの良さから宮城峡モルトは余市モルトよりおとなしい印象がありますが、フルーティーでまろやかなシングルモルトとして多くの人を魅了しています。
また、その華やかな存在感はピュアモルトウイスキーやブレンデッドウイスキーに欠かせないものとして、ニッカウヰスキーのおいしさの秘訣と言われています。
カフェ式連続蒸留器のグレーンウイスキー
そしてもうひとつ、宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸溜機」です。
導入当時、既に旧式とされていた蒸溜機だったのですが、創業者である竹鶴政孝(マッサン)はあえてこの旧式蒸溜機を選びました。
旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができたのです。
グレーンウイスキーはモルトウイスキーに比べて香味成分は少なく、クセがありません。
しかしモルトウイスキーとブレンドすることで互いの個性を引き立てあい、複雑な旋律を奏でるブレンデッドウイスキーとなります。
このブレンドこそが、ニッカウヰスキー「伊達」の魅力なのです。
宮城県のお土産にニッカウヰスキーの「伊達」をどうぞ
宮城県を訪れた際は是非とも「伊達」を味わってみてください。
県内のウイスキーを扱っている飲食店であれば、「伊達」を置いてあることが多いです。
ウイスキーを嗜まれる方へのお土産としても大変喜ばれますので、県内の酒屋さんで購入されるのもよろしいかと思います。
市販価格は、アルコール度数43度で700mlのものが、定価3500円ほどで購入できますので、国産ウイスキーとしては求めやすいお値段ではないでしょうか。
まとめ
ニッカウヰスキー「伊達」のおいしさや味わい深さの秘密は、宮城峡蒸留所の存在無くしては語ることができません。
ウイスキーと言えば洋酒の代名詞とも言えますが、飽くなき探求心を持って創業者竹鶴政孝(マッサン)の追い求めていた国産ウイスキーの一端を、このニッカウヰスキー「伊達」で味わってみてはいかがでしょうか。