世界5大ウイスキーについて
世界には様々な蒸溜酒がありますがビール、ワイン、日本酒と並び売り場面積が広いのがウイスキーです。
そのためウイスキーはたくさんあるので、どの様なモノがどの様な特徴を持つのか、それを知ることがウイスキー選びにとって大切なことになります。
ウイスキーには世界5大ウイスキーと呼ばれるポピュラーな物があるのでご紹介したいと思います。
ウイスキーの基本
ウイスキーの主な種類はスコッチやジャパニーズウイスキーを例にすると、まず原料と蒸留方法により2種類の原酒に分けられます。
大麦麦芽を発芽させたモルトを原料に、ポットスチルと呼ばれる単式蒸溜器で蒸溜するモルトウイスキーとトウモロコシなどの穀物を原料に使い連続式蒸溜器で蒸溜するグレーンウイスキーがあります。
さらにこの2つをブレンドするとブレンデッドウイスキーになります。
そして一つの蒸溜所から生まれたモルトウイスキーのみを瓶詰めしたものをシングルモルトウイスキーになります。
ジャパニーズウイスキー
ジャパニーズウイスキーの誕生は20世紀になってからと5大ウイスキーの中で最も歴史が浅いですが、現在ではその優美で繊細な味わいと高い技術力が世界に認められ注目されています。
もともとはスコッチウイスキーをお手本にして誕生したのがジャパニーズウイスキーですが、日本での法定義は酒税法に基づいているためスコッチウイスキーのように製造に関する細やかな規定はありません。
製品の分類としてはスコッチと同じモルトウイスキーとグレーンウイスキー、両者をブレンドしたブレンデッドウイスキーが作られています。
日本ではウイスキー原酒の売買が行われていないことが理由で各酒造メーカーが複数タイプの原酒をとりわけ独自にブレンドしています、そのため各メーカーで多彩な原酒を造りわける技術が磨かれていきました。
シングルモルトウイスキーでは山崎や余市、シングルグレーンウイスキーでは知多、ブレンデッドモルトウイスキーでは竹鶴、ブレンデッドウイスキーでは岩井トラディションや響などがあります。
スコッチウイスキー
スコッチウイスキーは5大ウイスキーの中で最もきらびやかで突出している存在です。
その存在感はスコットランドの風土がウイスキー造りに適していたことさらに蒸溜所ごとの個性を育む多様な自然環境があったところによることが大きいです。
スコッチウイスキーの生まれたスコットランドはイギリスを構成する4地域の一つで、大ブリテン島の北部の約三分の一と周辺の数百の島々からなります。
面積でいえば北海道よりも少し小さいくらいしかないこの地で、世界各国のウイスキー消費量の約6割を占めるスコッチウイスキーが作られています。
スコッチは原料の違いからグレーンウイスキーとモルトウイスキーに分類されますが、製品としては2つをブレンドしたブレンデッドウイスキーと単一の蒸溜所で蒸溜したモルトウイスキーのみを瓶詰めしたシングルモルトウイスキーが一般的です。
シングルモルトウイスキーではザ・グレンリベット、ボウモア、グレンモーレンジィ、ブレンデッドウイスキーではジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガルが有名で愛好家にも初心者にもおすすめです。
アイリッシュウイスキー
アイルランドは南北約500km、東西約300kmの島で南側の約6分の5がアイルランド共和国、残りはイギリス領の北アイルランド、アイリッシュウイスキーはこの2つの地域から生まれるモノをそう呼びます。
伝統的なアイリッシュウイスキーはモルトと発芽していない大麦 、その他の穀物を原料にポットスチルで3回蒸溜さひるシングルポットスチルウイスキー(ピュアポットスチルウイスキー)です。
独特なオイリーなフレイバーも滑らかで穏やかな味わいが特徴です。
初心者におすすめなジェムソンスタンダードや、愛好家におすすめなブッシュミルズなどがあります。
アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーとはアメリカで作られているウイスキーの総称で、様々な種類のウイスキーが作られており、その種類によって原料の比率や蒸溜方法、熟成方法などが細かく定められています。
スコッチ・アイリッシュと呼ばれるスコットランドやアイルランドからの移民が造りはじめたアメリカンウイスキーは、ウイスキー戦争や禁酒法など激動の時代を経てスコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーとは異なる独自の個性を育んでいきました。
アメリカンウイスキーといえば最もポピュラーなバーボンウイスキーと、現在ジャックダニエルが単独銘柄として世界一の売り上げを誇っているテネシーウイスキーがあります。
テネシーウイスキーは法律上の規定ではバーボンウイスキーと変わりないですが、チャコールメローイング製法という独自の製造工程が用いられます。
バーボンといえばジムビーム、ブッカーズですが日本用に日本のためだけに詰められたブラントンストレート・フロム・ザ・バレルといったものもあります。
カナディアンウイスキー
カナダのウイスキー造りは1776年にアメリカが独立宣言をした時期に、独立を嫌った一部のイギリス系住民が五大湖周辺に移住し、穀物栽培をはじめたのがきっかけです。
大規模な商用製粉所が発達し、そこでウイスキーの蒸溜もはじまりました。
その後、アメリカの禁酒時代にカナダは輸出を禁止せずアメリカのウイスキー庫として大量のウイスキーを製造、密輸し莫大な富を築くとともにアメリカ市場に広く浸透していきました。
カナディアンウイスキーはフレーバリングウイスキーとベースウイスキーに分類され、ほとんどの製品がこの両者を混合したカナディアンブレンデッドウイスキーになります。
穀物由来のライトで爽やかな風味が特徴です。
まとめ
世界5大ウイスキーには日本で生まれた新進気鋭のジャパニーズウイスキー、古くからの伝統が根強いスコットランドのスコッチウイスキー、それに続くアイルランドのアイリッシュウイスキー、世界で広く飲まれているアメリカのアメリカンウイスキー、他と違い特徴的なカナダのカナディアンウイスキーがありますが、他の国々でもウイスキーは作られています。
これから続々と新しいウイスキーが生まれると思うと楽しみですね。