5種類のグラスでウイスキーをより深く楽しむ
ウイスキー愛好家の方ならこだわりのグラスの1つや2つは持っていると思います。
しかし、ロックもストレートも水割りも同じグラスで飲んでいるなんてことはありませんか?
もしそうなら、これからより深くウイスキーを楽しめるようになるかもしれません。
グラスの飲み口の厚さだけでも味わいが変わってくるのがウイスキーです。
ぜひこれから紹介するウイスキーグラスの特徴を知ってウイスキーの奥深さを感じてください。
ロックグラス
ウイスキーの王道を楽しむ
グラスと氷が作り出す光のコントラストとカランと心地よく響く音の反響が心地よいオン・ザ・ロックはウイスキーの楽しみ方の王道と言っても良いでしょう。
時間とともに氷が少しずつ溶けだしウイスキーの風味を穏やかに、けれど確かに変化させてくれます。
オン・ザ・ロックはウイスキーの複雑な魅力を一度に感じさせてくれるのです。
そんなオン・ザ・ロックを楽しむためのロックグラスはウイスキーを嗜む方なら1つは必ず持っているでしょう。
洗練されたデザインが存在し、定番のガラス製や日本伝統の切子による装飾が美しい物、重厚な金属製や陶磁器製まで多種多様です。
そのコレクションは並べるだけでインテリアにもなります。
ウイスキー愛好家ならぜひとも、こだわりたいグラスです。
どう選ぶのか
素材からデザインまでロックグラスには無限の可能性が存在します。
ロックグラスを選ぶ際にはどこに注目すればいいのでしょうか。
まずは持ったときに自らの手に馴染むものが一番です。
ほどよい重さが心地良いものを選びます。
重厚なものほど手の体温を伝えにくくオン・ザ・ロックを長い時間楽しめますし、軽量なものは女性にも扱いやすいと思います。
次に飲み口の厚さにもこだわりたいところです。
ウイスキーの味わいは口に触れる飲み口の感触にも微妙に左右されるのです。
一般的に飲み口の薄いものほど良いとされています。
口に軽快な感触を残しウイスキーの香りがスムーズに口内へ広がります。
しかし薄いほど破損しやすく高価であるというデメリットもあるのです。
銅製やチタン製のグラスはガラス製やクリスタル製とはまた違った口触りを楽しめますし、破損の心配もありません。
またロックグラスを選ぶにおいて機能面以外に見た目も重要なポイントとなります。
ガラス製やクリスタル製は精巧にデザインされたカットでウイスキーの琥珀色をより美しく見せてくれるのでおすすめです。
テイスティンググラス
味と香りを深く感じるためのグラス
ワインと同じようにウイスキーにもテイスティンググラスがあります。
器下部の柔らかな膨らみがウイスキーの香りを留め、飲み口の反り返りがウイスキーを優しく口内に広げてくれます。
またグラス全体が薄くできているテイスティンググラスはウイスキーの琥珀色の輝きそのものを観賞できます。
ウイスキーをストレートや、水と1:1で割るトワイス・アップで楽しむ場合にはぜひ使用したいグラスです。
テイスティンググラスでのウイスキーは、ロックグラスでしかウイスキーを飲んだ経験がない人には驚きの体験となるはずです。
ウイスキーの味、香り、色をより理解することができるでしょう。
ショットグラス
ストレートで味わう
映画などでウイスキーをショットグラスでクイッと煽るシーンをよく見かけると思います。
一度は憧れるカッコいい飲み方ですが、ショットグラスで飲むウイスキーは他のグラスで飲むときとは味わいもまた変わります。
ショットグラスで飲むと口の中にウイスキーが素早く広がり、舌でアルコールによる刺激が楽しめます。
そして次にチェイサーの水を口に含むことによってウイスキーの芳醇な香りが口内で立ち上がってきます。
ウイスキーをストレートで飲む際のチェイサーは酔いを抑え、口の中をリセットする以外に、ウイスキーを楽しむためにも重要なので準備するようにしてください。
またショットグラスはロックグラスと同様に多様なデザインが存在しコレクションを楽しむこともできます。
ウイスキーをストレートで味わう為にショットグラスもぜひ1つ揃えてみてください。
タンブラー
ウイスキーを軽快に
昨今のウイスキーブームを牽引することになったのはハイボールです。
ウイスキーを炭酸水で割ることによって食事と合わせて飲みやすくなり気軽で軽快な飲み物となります。
そんなハイボールを飲むときに必需なのがタンブラーグラスです。
冷たい、炭酸が抜けては困る、一度にたくさん飲める、というハイボールの特徴は他のグラスでは収まりが悪いでしょう。
氷を大量に入れることができて、炭酸ガスが抜けにくいように縦長で飲み口は小さく、また冷たくても取り回しが良いタンブラーが最適です。
そんなタンブラーですが用途がウイスキーに限られないために多くの種類が存在します。
また本来ならウイスキーの琥珀色を楽しむためにガラス製やクリスタル製が好まれるウイスキー・グラスですが、ことハイボールにおいては事情が異なります。
2~3倍の炭酸水で割り、レモンを加えることもあるハイボールではその必要がないのです。
実用性だけを追求でき、破損せず保温にも優れた金属製も積極的に選択できます。
ウイスキーで家族や友人などと楽しい時間を過ごすためにもタンブラーを揃えて後悔はないでしょう。
スキットル
スキットルとは
スキットルとはアルコールを持ち運ぶための水筒で正確にはグラスではありませんが、ウイスキーをより楽しむためのアイテムです。
西部劇などで登場人物が小さな金属製の水筒をお尻のポケットから取り出しゴクッと一口なんてシーンは観たことあるでしょう。
大抵のスキットルはお尻のポケットに収納しやすいように軽く湾曲しています。
またこのことからスキットルはヒップ・フラスコとも呼ばれています。
スキットルという名前はイギリスの棒倒しゲーム「スキットル」のピンの形状に由来し、また率直にウイスキー・ボトルと言うこともあります。
ステンレスやチタン、銀やピューターなどが主な材質でそれぞれに特徴があります。
銀やピューターなどの昔ながら素材はデザイン性も高くオシャレですが柔らかいため潰れやすく、高価でもあります。
ステンレスは安価なうえに丈夫で手入れも簡単ですが金属臭がウイスキーに溶け出してしまうことがあり、チタンは高価ですが丈夫で金属臭もありません。
スキットルには主に蒸留酒を入れます。
その形状から手入れが難しく、不純物が多いお酒はスキットルを駄目にしてしまうからです。
大人の男の楽しみ方
アウトドアにおいてお気に入りのウイスキーを楽しめるのは最高の贅沢です。
大自然の中で焚き火をしながら一人スキットルのウイスキーを飲むのは何とも言えない男らしさがあります。
冬のスポーツ観戦時やフィッシングなどでも凍えた体を温めてくれるでしょう。
もちろんアルコールを楽しむためのマナーは必要です。
酒類が持ち込み禁止の場所には行けませんし、運転時には飲めません。
またスキットルの容量は多くのものが200CC以下となっていてそれだけで泥酔することはありませんが、公共の場で酔っ払うのもカッコ悪いものです。
しかし日常の散歩でも、ポケットにウイスキーを入れたスキットルを忍ばせているだけで気分が高揚してくるものです。
いつもより遠くまで足を伸ばして綺麗な景色を観ながらウイスキーを楽しんでみるのも良いでしょう。
まとめ
ウイスキーを楽しむための5つの器を紹介しました。
ウイスキーには様々な飲み方、楽しみ方があり奥が深いものです。
ウイスキーそのものへの造詣が深まったらウイスキー・グラスにもこだわってみてはいかがでしょう。
今まで1つのグラスでウイスキーを楽しんでいた方も新しいグラスを手に入れてウイスキーを飲んでみてください。
必ず新しい発見があるはずです。