普段手にするウイスキー、小説や映画から蘊蓄を探すことも楽しみの内

ウイスキー

日本ではウイスキーとひと言で言われてしまいますが、勿論国や製造法でそれぞれ違った種類が作られています。

しかしイメージとしてはどれもほぼ同じで、強い酒で男の酒、と言った感じでは無いでしょうか。

実際小説や映画でも、そう言う扱いを受けているウイスキー一般ですが、どんな表現をされているのか見ていきましょう。



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代表的なウイスキーと言えば

勿論ウイスキーと言えばスコッチ、イギリスのウイスキーが第一に思い浮かぶ人が多いでしょう。

次に、バーボンウイスキーですね。

トウモロコシを主原料にした、アメリカ特有のウイスキーです。

細かく分けていきますと数限りなくあるウイスキーの種類ですが、まあ大体この2つが有名どころと言っていいでしょう。

勿論どちらも、小説や映画でお馴染みのウイスキーです。

特にアメリカのハードボイルド小説の主人公には、欠かせないアイテムの一つであると言っていいでしょう。

余談ながら、もう1つのアイテムであったタバコは、今では影が薄くなってしまいましたのでウイスキーに頑張ってもらうことになります。

勿論日本でも、特有のウイスキーが製造されて、今では海外の評価も高くなっていますが、欧米のような強烈なイメージはまだ出来上がっていないようです。



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ウイスキーは誰が初めて作ったのか

スコッチにしてもバーボンにしても、諸説ありますのでこれが完全な定説と言うのは、定義するのが難しい所です。

発酵食品などにありがちですが、何となく放置しておいたら腐るはずが何やらおいしそうな匂いを放っていた、と言う事がありますのでウイスキーも同じように徐々に出来上がっていったとみるべきでしょう。

まあスコッチの場合、12世紀くらいに蒸留技術がイギリスに伝えられたという説が有力のようです。

バーボンに関しては、18世紀に初めてという説がありますので、さすがに歴史の長さの違いを感じますね。

特にイギリスの場合、まず原料を蒸留する蒸留器が必要だったわけで、その伝来を待つ必要があったわけです。

アメリカの場合は、入植者が持ち込んで作り上げたと言う事ですね。

ただ本当に、誰が一番に作り上げたかは当時の人に聞いても、はっきりとしたことは判明しないでしょう。

歴史書などに出ている人が本当に最初に作り上げたかは、実際のところ誰にもわからない謎なのですね。

エンターテイメントの中に見るウイスキーの存在

これだけの歴史を持っているウイスキー各種ですので、勿論小説や映画でも貴重な小道具となっています。

加えて小説など読むと、その年代の人がこれらのお酒をどうとらえていたか、垣間見ることも可能です。

筆者が中々と思ったおすすめの小説など、ご紹介します。

スコッチは税金を払うことのできる裕福な階級の飲み物

時代を描いたのは小説だけでなく、版画なども多くあります。

ウイリアム・ホガースと言う著名な銅版画家の作品に、「ビール通りとジン横丁」と言う版画があります。

これはイギリスでの価格も品質も安い、しかしアルコール度だけは強いジンの普及で、低収入層の市民がジンに溺れている姿を描いたものです。

対してビール横丁では、健康的な生活が繰り広げられていると言う、酒のもたらす影響の対照的な2つの象徴を描いた歴史的版画です。

これには勿論、ウイスキーの名前も出てきませんが、この時代のスコッチウイスキーはかなりの税率で課税されていましたので、勿論庶民が楽しむことが出来ない酒であったでしょう。

庶民を描いた版画に、スコッチが登場していないと言う事自体、いかに高級酒であったかを垣間見ることが出来ますね。

スコッチは紳士の酒

高級ウイスキーはともかく、割と金額的に手に入りやすいウイスキーの場合、前述のジンと同じで強くて簡単に酔いのまわる酒として、低所得層にも支持されてきました。

しかし元々は、紳士の飲む酒として愛用されていたことが、小説などでも描かれています。

イギリスのミステリ小説の大家、アガサ・クリスティーの作品の中で、こういった描写があります。

独身の年取った女性が、疲れ切って訪ねてきた若い男性に、戸棚からスコッチとソーダを出して勧める、と言うシーンです。

まさか独身のしかも年寄りの家の戸棚に、そんなものがあると思わない男性はびっくりしつつも、ありがたくそれを受け取るのですが、この時に女性が言うのです。

誰か急に男性が訊ねてきた時のために、常に用意してあるのだ、と。

この時にそれを聞いた男性は、その彼女の言葉からビクトリア朝の性悪の、でも女性に対して慇懃な紳士のイメージを受け取ります。

裕福なだけでなく、紳士の飲み物だと言うのがおのずと浮かんでくるシーンです。

バーボンは男性のための飲み物

著名な小説、風と共に去りぬではこのバーボンが多くの描写に貢献してくれています。

主人公を訪ねてきた若い男性は、バーボンを使ったミントジュレップで饗応されます。

午後のひと時や、ガーデンパーティーなどでもやはり、男性の飲み物として描写されています。

また主人公の父親も、嗅ぎ慣れたウイスキーの匂いと葉巻の匂い、と言う描写で描かれています。

この当時女性がこの酒を飲むことは、堕落した女ととられる場合もあったようで、疲れ切った主人公が熟成しきってないバーボンを生のままで飲むのを、父親が非難の目で見ると言うシーンもあります。

本当に男性のお酒、紳士のお酒として認知されていたのですね。

ちなみに女性の場合は、気絶した時とか気分が悪くなった時に、ブランデーをと言うのが定番だったようです。

独立記念日はやはり酒が欲しい

第二次大戦の捕虜収容所からの脱走を描いた映画に、大脱走があります。

この作品の中でアメリカの捕虜たちが、独立記念日を祝うのに酒が欲しいと、配給のジャガイモをこっそり集めて蒸留して、密造酒を作るシーンがあります。

出来れば連中も、バーボンが作りたかったのでしょうが、残念ながら蒸留は出来ても樽に詰めての熟成が出来なかったので、結果はアルコール度だけは強いジンまがいの物が出来上がります。

顔をしかめつつもそれでも分け合ってこれを飲む捕虜たちの姿は、男の矜持と言うにはあまりに可愛く幼く見えるものでした。

本当に出来れば彼らは、トウモロコシを使って蒸留して樽で熟成もさせたかったでしょうね。

ギャングには付き物だけど実は歴史的に古くからあった密造

バーボンと言うと、禁酒法時代のギャングたちと言う方もいるのではないでしょうか。

多くの映画や小説のギャング物でつきものなのが、夜薄暗い部屋でテーブルを囲み、密造酒と葉巻を手にしたギャングたちと言うシーンです。

しかしこの密造、実はスコッチに関してはもっと古くに密造酒時代があったのです。

例のスコッチへの課税時代、17世紀の事です。

税率が上がり過ぎて手に入りづらくなってきた市民が、スコッチウイスキーの密造に乗り出したわけです。

20世紀初めのアメリカの禁酒法による密造と、17世紀のイギリスの税金逃れのための密造、ここでも歴史の差を感じることが出来ますね。

ウイスキーを嗜みつつ古今の名作を

のんびりとした休日、ウイスキー片手にゆったりした時間を、別にそれ自体は主役ではないけれどふと気がつけばウイスキーの蘊蓄も手に出来る、そんな映画や小説を楽しんでみてはいかがでしょう。

特にウイスキーなどを扱った作品でなくても、登場人物の台詞や折々のシーンから、ウイスキーがどのように楽しまれてきたかを感じ取ることが出来るはずです。

たんに酔うためでなく、楽しむためのウイスキーであるならその歴史や、もしくは時代での扱われ方なども知ってみるのもまた一興です。

お酒の酔いは人生を楽しくしてくれますが、単に酔うだけが目的だとそれこそ、ジン横丁の二の舞になってしまいます。

人生とお酒を楽しむために、古今の名作の中にその楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょう。

きっと、ウイスキーの時間がもっと楽しく充実すること請け合いです。

まとめ

歴史小説でなくても、欧米の小説の場合特に何気なくウイスキーの描写が入っているものです。

これ以外にも、20世紀中盤の小説など読みますと、あの頃は随分普段からお酒とたばこを飲んでいたのだなあ、と驚くことがあります。

17世紀にと言われてもあまり現実感はありませんが、20世紀の描写で読むと結構その変化に戸惑います。

せっかくのウイスキータイム、映画も小説もちょっと深読みしてみませんか。

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