南アフリカで最も古い蒸留所!ジェームズ・セジウィック蒸留所のおすすめウイスキー

ウイスキー

南アフリカというと、新世界ワインの生産地として世界中から注目を集めています。

しかし、注目を集めているのはワインだけではありません。

この地域で生産されるウイスキーも、新興勢力としてウイスキーファンが注視しているのです。

その中でも注目したいのはアフリカ大陸で最も古い蒸留所と言われる「ジェームズ・セジウィック蒸留所」。

蒸留所についてのあれこれとおすすめを見てみたいと思います。



私が絶対おすすめするウイスキーランキングベスト10はこちら

南アフリカってどんなところ?

日本からはあまり馴染みのない南アフリカ。

アフリカ大陸の最南端にあり、大陸最大の経済大国です。

大航海時代にポルトガル人のバーソロミュー・ディアスが初めてこの地を訪れ、以来ヨーロッパとの交流が深くなりました。

アフリカにあっても比較的ヨーロッパに似た気候だったため、当時東インド会社を置いていたオランダからの移民が増加。

後にイギリスに統治権が譲渡されると、イギリスからの移民が増え、文化的にも大きな影響を受けています。

現在もイギリス連邦加盟国の一つです。

首都機能はプレトリア、ケープタウン、ブルームフォンテーンに分散していますが、実質的にはプレトリアが首都と認識されています。

アフリカ大陸のニューリーダー

南アフリカは地域によって差はありますが、一年を通して比較的穏やかで、日照時間は長いです。

南西の海岸地方はいわゆる地中海性気候で移動性低気圧の影響で冬でもよく雨が降ります。

気候が良いため、農作物の栽培もさかん。

特にトウモロコシは多く生産されており、南アフリカはアフリカ大陸最大のトウモロコシ産地として知られています。

また、小麦の栽培もさかん。

ですからウイスキーの原材料となるものには困りません。

現在は高品質ワインの生産地としても知られ、ケープタウン周辺では特にワイナリーが集中しており、品質の良いワインを国外へも輸出しています。

金やダイヤモンドなどの鉱物資源も豊富で、特に金は世界総産出量の半分を南アフリカが担っています。

群を抜いたアフリカの経済大国であり、サハラ砂漠以南のアフリカ地域諸国のGDPのおよそ4割を南アフリカが占めています。

南アフリカはアフリカおよび発展途上国のニューリーダーともいえる存在なのです。



私が絶対おすすめするウイスキーランキングベスト10はこちら

ジェームズ・セジウィック蒸留所

アフリカ大陸唯一の商業用蒸留所「ジェームズ・セジウィック蒸留所」。

国際的な評価も高く、数々の賞を受賞しています。

南アフリカ・ウエリントン

そんなジェームズ・セジウィック蒸留所があるのは南アフリカ・西ケープ州・ウエリントンです。

首都の一つケープタウンからは車で一時間ほどの距離です。

ここは周囲を山に囲まれており、南アフリカでも風光明媚な場所として有名。

数多くのワイナリーが集中し、品質の高いワインが生産されています。

世界遺産にも登録されている、アフリカで最も古い峠「Bainskloof Pass」も近くにあり、多くの観光客が訪れる観光地です。

蒸留所のある場所からはホエクワ山とグレンベルク山を望む素晴らしい眺望を楽しむことが出来ます。

蒸留所の歴史とは

蒸留所を設立したのはキャプテン・ジェームズ・セジウィックです。

長い航海をへてこの地の岬にたどり着いたジェームズ・セジウィックは「ジェームズ・セジウィック・アンド・カンパニー」を設立。

1886年にはアフリカ大陸で初めてとなる蒸留所を購入しました。

そしてそれが現在のジェームズ・セジウィック蒸留所なのです。

その評価が高まり、品質が認められるようになったのはつい最近のことです。

2011年には「ウイスキー・マガジン」の「ベストブランド・イノベーター」として選出されました。

さらに2015年にはニューヨークで開催された「ニューヨーク・インターナショナル・スピリッツ・コンペティション」において「最優秀インターナショナルウイスキー蒸留所」に選ばれました。

現在、ウイスキーはスコットランドやアイルランドだけのものではありません。

日本、台湾、オーストラリアなど本場に負けない高品質なウイスキーを生み出す産地が増えています。

南アフリカも、このジェームズ・セジウィック蒸留所の存在のおかげで、そうした新興勢力の一つとして注目を集めているのです。

蒸留所のマスターズ・ディスティラー:アンディ・ワッツ

ジェームズ・セジウィック蒸留所のマスターズ・ディスティラーであるアンディ・ワッツは、南アフリカ・ウイスキー業界の第一人者としても広く知られています。

イギリス出身でもともとはクリケットの選手だったという異例の経歴の持ち主です。

しかし、「ステレンボッシュ・ファーマーズ・ワイナリー」で29年間務めた豊富な実務経験と卓越した味覚と嗅覚により、蒸留所のマスターズ・ディスティラーに任命されました。

アンディ・ワッツとそのチームによって革新的なウイスキーが生み出され、南アフリカ産のウイスキーに注目が集まるきっかけとなったのです。

ジェームズ・セジウィック蒸留所のウイスキーの特徴とは

ジェームズ・セジウィック蒸留所のウイスキー製法はほぼスコットランドで用いられているものと同じです。

熟成に使用される樽は主にアメリカン・オーク樽。

まれにヨーロピアン・オーク樽やシェリー樽も使用されています。

気候はスコットランドよりは温暖なため、熟成中に失われる、いわゆる「天使のわけまえ」はかなり多くなってしまいます。

しかし木材、スピリッツ、空気の相互作用が活発なため、熟成過程がスコットランドよりも早く進むのがメリットと言えます。

スコッチと同じ年数の熟成期間でも、熟成度が高く円熟した滑らかさのあるウイスキーが出来るからです。

原材料となる大麦は英国業者から提供を受けています。

そのうちの一部はピーテッド。

スコッチの蒸留所のほとんどが一つのスタイルだけのモルト・ウイスキーを作っているのに対し、ジェームズ・セジウィック蒸留所では様々なブレンドが作れるように数種類の異なるスタイルのものを生産しています。

Three Ships Select(スリー・シップス・セレクト)

ジェームズ・セジウィック蒸留所のフラッグシップ「スリー・シップス」。

このウイスキーは1977年に販売を開始しました。

当時南アフリカではスコッチウイスキーが大人気。

スコッチウイスキーとは違うタイプのものを販売するのは大変なリスクでした。

この「スリー・シップス」は販売当初はスコッチウイスキーと南アフリカ・ウイスキーのブレンドされたものでした。

現在は蒸留所のストックも溜まってきたので、ほぼ全てが南アフリカ産のウイスキーとなっています。

こちらの「セレクト」はウイスキー初心者におすすめの入門編ともいえるもの。

エイジングは最低でも3年で、とてもバランスの良いウイスキーです。

カラーは淡い黄金色。

微かにスモーキーで果実の風味を感じる味わいです。

成熟したチェダーチーズやカシューナッツ、パンツェッタと合わせるのがおすすめ。

Three Shipsfiveyears(スリー・シップスファイブイヤーズ)

2012年に「ワールド・ウイスキー・アワード」にて「ワールドベスト・ブレンデッド・ウイスキー」ゴールドメダルを受賞しました。

これは南アフリカ産ウイスキーが受けた、初めてにして最高の栄誉でした。

このウイスキーの成功が現在の南アフリカ・ウイスキーの評価を高いものにしたと言えます。

エイジング期間は最低でも5年。

カラーは琥珀。

味わいは極めてクリーンで新鮮です。

ピーティでフルーティ。

スパイスの風味も効いています。

ブルーチーズ、スモークチキンなどと合わせるのがおすすめ。

まとめ

アフリカ大陸にあって、高い評価を受けるジェームズ・セジウィック蒸留所。

伝統的なスコッチの製法を受け継ぎながら、ウイスキー造りを行ってきた蒸留所は、現在スコッチの模倣ではない新しいウイスキーを生み出そうと努力しています。

アパルトヘイト撤廃以降、南アフリカにはイギリス以外の国の高品質なウイスキーが多く輸入されるようになりました。

そのようなウイスキーたちに負けないためにも、消費者のニーズとこだわりの味をすり合わせ、新しい味を模索しているのです。

ジェームズ・セジウィック蒸留所の「スリー・シップス」シリーズを見かけたら、是非トライしてみて下さいね。

ウイスキー