シングルモルトウイスキーの「ロールスロイス」。最高のシングルモルトは「マッカラン」
ウイスキーファンなら知らない人はいないであろうマッカラン。
あまりの美味しさ、圧倒的存在感から「シングルモルトのロールスロイス」と呼ばれています。
マッカランが作られているのは、質の高いシングルモルトがつくられることで知られる、スコットランド「スペイサイド」です。
マッカランはスペイサイドを代表する王道シングルモルトの一つ。
マッカランを飲んだことがない、これから飲んでみたいという人のためにおすすめをご紹介します。
シングルモルトウイスキーはどんなもの?
ひと口にウイスキーと言っても、種類はさまざまです。
シングルモルトウイスキーというのは大麦麦芽をメインの材料とした「モルトウイスキー」の一つです。
ただのモルトスキーとシングルモルトウイスキーの違いは、製造過程にあります。
単一の蒸留所でウイスキー制作工程の全てを行ったもののみが「シングルモルトウイスキー」と呼ばれます。
この他に一つの樽の原酒からのみボトリングされたウイスキーは「シングルカスクウイスキー」と呼ばれます。
どちらも製造者のオリジナリティやこだわりが強く現れ、独特の味わいを楽しむことができます。
スコッチウイスキーはどこも同じなの?
ウイスキーの生産地として絶対的な人気を誇るのがスコットランドです。
スコットランド内ではほぼ全域にわたってウイスキー製造が行われていますが、地域によって全く異なる味わいを持っています。
海に近い蒸留所は「塩気」を持っていたり、ピーティさが強烈だったりします。
逆にピートを全く使用しない地域もあり、口当たりや味わいは同じスコットランド内でこんなに異なるのかと驚くほどです。
このたびご紹介する「マッカラン」があるのはスコットランド内でも最も多くの蒸留所がひしめく「スペイサイド」と呼ばれる地域です。
良質なシングルモルトウイスキーの代名詞とも言え、「スペイサイド産のシングルモルトなら間違いない」というファンもいます。
スペイサイドウイスキーの特徴は?
スペイサイドとはハイランド地方の北東部にあるスペイ川流域を指します。
世界的に有名な蒸留所が多く、マッカランをはじめ「グレングラント」や「グレンフィディック」、「グレンリベット」などがあります。
スペイサイドウイスキーの特徴としてあげられるのは、「華やかさ」です。
のど越しがスムーズで軽く、ふわっと優しい甘さが口に広がります。
勿論蒸留所ごとに味わいは異なりますので、全てのウイスキーがそうだとは言えませんが、一般的にこのような傾向があると言えます。
スコッチウイスキーの王道とも言えるウイスキーが多いので、初めてスコッチを嗜む人はスペイサイド産から攻めていくのがおすすめです。
マッカランってどんな蒸留所?
シングルモルトのロールスロイスと呼ばれるマッカランは、スコッチファンだけではなく世界中のウイスキーファンから認められる品質の高さを誇ります。
マッカランの創業は1824年に遡りますが、現在はスピリッツ販売会社「エドリントングループ」の傘下に入っています。
合法的な蒸留許可を得た蒸留所としてはスコットランドで2番目に古い歴史をもっており、数ある蒸留所の中でも老舗中の老舗ということができます。
マッカランの原材料へのこだわりとは…
世界中のファンに愛されるマッカランはその品質の高さに定評があります。
シングルモルトウイスキーに使用される原材料にとことんこだわり、厳しく選別したもののみを使用しているのです。
マッカランがこだわっているのは、ウイスキーに使用される大麦やイースト菌。
水は近くを流れるスペイ川近くの湧水のみを使用しています。
スコットランドの雄大な山々の間を流れてきた水は自然の濾過作用によって磨かれ、柔らかく清冽な味わいです。
ミネラル成分を豊富に含んでいるため、シングルモルトウイスキーの原材料となるイースト菌が麦汁を発酵させるには最適と言われています。
また、醗酵には2種類のイースト菌を使用し、アルコールを生成させます。
蒸留にもこだわりがある
マッカラン蒸留所で知られるものとして、1700年代に建てられたマナーハウスがあります。
そしてもう一つが蒸留に使われる蒸留窯です。
これはスペイサイドで一番小さなポットスティルで、形もユニーク。
マッカランの特徴である豊かな風味とフルーティなあじわいはこのポットスティルから作られます。
独特な形状のポットスティルは「バンク・オブ・スコットランド」の10ポンド紙幣の裏に印刷されました。
このポットスティルで蒸留された蒸留液が全てマッカランの原酒になるわけではありません。
蒸留液のうち、マッカランの原酒となるのはわずか16パーセントのみ。
蒸留液の最初と最後は使用せず、一番状態のよい中間の蒸留液のみが原酒となります。
樽にもこだわりがある
マッカランの味わいを決定する最も重要な要素が「樽」です。
マッカランの樽は大部分がヨーロピアンオークとアメリカンオークが使用されています。
樽の原材料となるオークはマッカラン社が独自に管理する森林で伐採されたもの。
乾燥期間1年を経てスペイン南部でシェリー用の樽使われます。
シェリー酒を3年間ほど熟成させた後、その樽がマッカランの熟成に使われる樽としてスコットランドに運ばれるのです。
樽の品質にとことん注意を払っているマッカランでは、樽管理の責任者もウイスキー管理の責任者と同様の重要な役割とみなされています。
マッカランのウイスキーは着色料を使用しておらず、華やかな色あいは全て樽由来のものです。
樽の品質がマッカランの品質に直結しているとも言えます。
世界最高品質のシングルモルトウイスキーが完成する
熟成期間もマッカランは厳しい管理体制を敷いています。
ウイスキーの責任者が原酒の熟成度を厳しくチェック。
最適なタイミングでボトリングし、リリースできるように時期を図っています。
マッカランの原酒の中には50年を超える熟成期間のものもあり、厳しい管理体制が最高のウイスキーを生みだしているのです。
マッカランのおすすめシングルモルトウイスキー
おすすめのシングルモルトウイスキーとして必ず名前が挙がるマッカラン。
世界中にファンを持ち、2016年には、1878年もののマッカランにグラス一杯110万円をはらった中国人富豪が話題となりました。
ウイスキーファンを魅了するマッカランのおすすめシングルモルトウイスキーをご紹介します。
ザ マッカラン 12年 シェリーオーク
マッカランの中でも最も有名でスタンダードと言われるのが「12年」です。
厳選されたシェリー樽で12年間熟成させた原酒のみを使用しています。
華やかで柔らかい口当たりです。
シェリー樽由来のフルーティな甘さが心地よく、ひと口で美味しいと感じられるウイスキーです。
後口は少しピリッとスパイシー。
絶妙なバランスのおすすめシングルモルトウイスキーです。
ザ マッカラン 30年 シェリーオーク
シェリー樽にて30年の熟成期間を経た原酒のみを使用しました。
世界的にも希少価値が高く、お値段は一本18万円ほどになります。
シェリー樽由来のフルーティさはさらに強調され、華やかに香ります。
味わいは強く深く、独特のスモーキーさもあります。
華やかでリッチな味わいの優雅なシングルモルトウイスキーです。
まとめ
おいしいシングルモルトウイスキーを探している人ならきっと満足できるのがマッカランのウイスキーです。
希少価値の高いものはオークションでもかなり高価な値段で取引されています。
おすすめはやはりスタンダードな12年。
シェリーオークではなくファインオークですと10年というのもあり、それはさらに飲みやすく軽い味わいです。
スコッチウイスキーの華やかさを感じたい人はぜひマッカランを飲み比べてみて下さいね。