禁酒法の時代にこっそりと作られたバーボン「ムーンシャイン」
作る事も飲むことも法律で禁止されていた禁酒法の時代に、こっそりと作られていたウイスキー。
もちろんバーボンの原料などでも作られていましたが、じっくりと樽熟成させる時間はなかったため、無色透明なものが多かったとか。
これらは「ムーンシャイン」と名付けられ、友人知人間で楽しまれていたようです。
今回は、そんな密造酒をモチーフに作られたものをいくつか紹介したいと思います。
透明のバーボン?ジェイコブス・ゴースト
ジムビームからも、クリアなホワイトウイスキーが発売されています。
ジムビームの創業者であるジェイコブ・ビーム氏の名前が付けられたもので、透き通った透明感が特徴ですね。
ジムビームと同じ原料を使い、ちゃんと内側を焼いたホワイト・オーク樽を使っているのですが、樽熟成は1年間だけされているそうです。
その後、原料の香りや味を残しつつ、ろ過を経てボトリングされるようで、香りや色、味などはうっすらと感じるような一本に仕上がっています。
1790年代の密造ウイスキーをモチーフに作られたようで、コンセプトやラベルにユーモアが感じられますね。
ホワイトウイスキーを飲んだ事がある方なら想像しやすいと思いますが、ちょっと雑な麦のお酒といった感想です。
バーボンと名乗れる条件を満たしていないので、カテゴリー外になるウイスキーですが、機会があれば試してみてはいかがでしょうか?
ジムビーム・ファンにおすすめの一本です。
ムーンシャインの有名ボトル、ジョージアムーン コーンウイスキー
熟成期間は30日以下という荒業で作られる事で有名な、ジョージアムーン。
アルコール度数40度で、なかなかの飲みやすさを持っています。
ただ、「今作ったばかり?」と聞きたくなる様な若くて荒い味です。
コーンウイスキーと名乗っているだけあり、香りは一応ありますね。
バーボンなどでも若い味が好きな方なら、なんとか楽しめるのではないでしょうか。
でもウイスキーを飲んでいるとは思えないかもしれず、どちらかというと焼酎の感じに似ています。
瓶やラベルは可愛いので、そのギャップを楽しむのも良いかも知れません。
これはシリーズ展開されていて、「ジョージア ムーン レモネード 」と「ジョージア ムーンピーチ」といった物も販売されています。
ウイスキー好きならぜひ一度飲んでみましょう!
カクテルベースにも良さそうです。
ムーンシャインにしては長期熟成オーレ スモーキー チャード ムーンシャイン
3~4ヶ月の熟成を経てボトリングされる、ムーンシャインもあります。
米テネシー州はガットリンバーグにある、オーレ・スモーキー・ディスティラリー作のムーンシャイン。
焦がしたバーボン樽を使っていて、ムーンシャインにしては長い樽熟成されているのがポイントでしょう。
そのため無色透明といった感じではなく、少し薄めですがちゃんとウイスキー色をしています。
原料にはコーンを80パーセント使っていて、残りの20パーセントは秘密だそうです。
このブランドはフレイバード・ウイスキーを得意としているのか、ラインナップも多いです。
ムーンシャインにおいても、色々なフレーバーの物が用意されており、楽しみ方も広がると思います。
ジョージアムーンと同じように、可愛いガラス瓶に入っています。
もし興味がありましたら、オフィシャルホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。
きっと気に入ったものが見つかる事でしょう。
まとめ
今回紹介したムーンシャインのリメイク商品は、数年前に小さなウイスキー蒸溜所が期間限定で「ホワイトドッグ」という名前で売り出したのが始まりです。
それが「ホワイトウイスキー」や「ムーンシャイン」などの当時の呼び名で広まっていったようです。
当時の味までは再現されておらず、フレーバーを付けて飲みやすくしているものも多いので、十分楽しめると思います。
たまにはバーボンをお休みして、変わったウイスキーを飲んでみるのも面白いと思いますよ。