バーボンウイスキーはどのくらいの期間もつ?上手な保存方法は?
バーボンウイスキーに限らず、お酒には基本的に賞味期限が表記されていません。
表記されているのはビールやカクテルなどごく一部で、そのため「10年以上前にもらったバーボンウイスキーは飲んでも大丈夫ですか」といった質問もよく見かけますね。
お酒は、12~13%以上のアルコール度があって、きちんと保管されていれば、品質が安定した状態で保管できるため、賞味期限の表記は義務化されていないのです。
目次
1.バーボンウイスキーの保存期間は?
バーボンウイスキーはアルコール度が50度近くあります。
しかも蒸留されるときに高温に加熱されており、雑菌がまじる可能性もほとんどありませんから、ワインなどの醸造酒よりもずっと長い保存に耐えることができます。
封を開けなければ基本的に「いつまでも保管できる」と考えてもかまわないでしょう。
ごくまれにですが、数十年前にボトリングされたウイスキーがオークションに出品されたり、蒸留元から放出されたりして話題になることがありますね。
こういうウイスキーを実際に飲んだ方の話は残念ながら聞いたことがないのですが、遜色のない味がするはずですね。
2.とはいえ、開封してしまうと……
ただし、長期間の保存に耐えられるのは、あくまでも未開封のボトルです。
一度開封して空気に触れてしまうと、ワインや清酒と同じように酸化がはじまります。
醸造酒のように数日で味や風味が変わってしまう、というほどデリケートではありませんが、ふたを開けてグラスに注ぐとビンの中には新しい空気が入り込みますから、飲むたびに味が落ちていくと考えた方がいいでしょう。
具体的に、開封からどのくらいの期間に飲みきってしまうのがいいのかというと、これについては諸説あって、まとめると1ヵ月程度から1年以内、という感じになります。
かなり幅がありますね。
それだけ劣化がゆっくりだということでしょうか。
3.では、開封から数年のバーボンウイスキーは飲めない?
飲めないほど味が悪くなったり、または飲むとお腹を壊すほどウイスキーが劣化するのは、たとえば開封後、陽の当たる窓際に何年も置かれていたなど、よほど悪い環境に放置されていた場合です。
ほとんどの方は戸棚の中や流しの下などに並べてあると思われますので、気にしないで飲んでしまってよいのではないでしょうか。
特にバーボンのように風味・味が強いお酒は、あまり気にならないのではないかと思います。
そのまま飲むのはやはり何となく……という方は、カクテルにして飲むのも良い方法ですね。
4.味や風味を長持ちさせるためには冷暗所へ保存
ポイントは、「紫外線」、「温度変化」、「酸素」、この3つを遮断することです。
冷暗所での保存が基本ですが、冷蔵庫は向かないので注意してください。
いろいろな食品と一緒入れるとにおいが移る危険がありますし、冷えすぎると香りも感じづらくなってあまりおいしく飲めません。
日のあたらない収納スペースなどが適当です。
その際、購入したときの箱を保存してあったら入れておくと、紫外線をブロックするのでベターです。
箱がない方はビンにアルミホイルを巻きつけると代用ができます。
5.酸素は窒素ガスで遮断
プライベート・プリザーブを使うと酸素からバーボンを保護することができます。
これは窒素ガスのスプレーで、ビンの中にスプレーするとお酒の表面にガスの層ができ、酸素を遮断します。
窒素は無味・無臭の気体で、食品の保存によく使用されています。
もちろん、プライベート・プリザーブは食品用に開発されたスプレーです。
ワインなどにも利用できるのでお酒好きの方は持っておくと重宝しますね。
6.容器を移し変えても大丈夫?
残りが少なくなってきたら小さな容器に移し替えてもいいですね。
密閉性の高いガラスビンが無難ですが、フラスコでも良いと思います。
フラスコというのは、お酒を入れるための金属製の小型の水筒です。
時代物の洋画を見ると、タフガイまたは酔っ払いが持っているのを時々見かけます。
もともとは旅行など外出先にお酒を持ち歩くための容器ですが、保存容器にしても大丈夫でしょう。
7.ペットボトルは……?
理想的な保存容器ではありませんが、ペットボトルという選択もあります。
バーボン好きの方に怒られそうですね。
でも、引越しのときなどは、バーボンウイスキーのフルボトルが何本もあるとかなりの重量ですから、ペットボトルは重宝するんですよね。
蒸留酒を入れておくとプラスチックの成分が溶け出すことを懸念する声もありますが、少なくとも現在は内部にコーティングがしてあり、アルコール度50度程度では心配しなくても大丈夫です。
ただ、強度は高くないので、できるだけ早くガラスビンなどに移した方がいいですね。
また、においがつかないように、清涼飲料水などではなくミネラルウォーターのペットボトルがいいですよ。
まとめ
栓を開けてしまうと劣化していくのはウイスキーの宿命ですが、丁寧に保存することで寿命をかなり長く伸ばすことができます。
そしてまた、時間をかけて飲むとバーボンの味は変化します。
味がやわらかくなったり、香りが華やかになったり。
これはある種の劣化なのかもしれませんが、手元に置いておいた、その時間が溶け込んでいるような気がして、これはこれで違ったおいしさがあります。
1本を時間をかけて飲むというのも、バーボンの楽しみ方かもしれません。