ケンタッキー州フランクフォートで人気NO1の観光名所! バッファロートレース蒸留所のおすすめバーボンは?
バーボンの故郷と言えば、言わずと知れたアメリカ・ケンタッキー州です。
バーボンには原産地呼称統制法のような厳しい決まりはありませんから、アメリカ国内で規定に従って製造されれば「バーボン」と名乗ることが許されます。
そうはいっても人気の高い主要なバーボンはほとんどケンタッキー州で造られているのが現状。
その中でもバッファロートレース蒸留所は一番古い歴史を持つ蒸留所の一つです。
蒸留所ツアーは、フランクフォート観光の目玉の一つになっているとか。
バッファロートレース蒸留所と、おすすめバーボンを見てみたいと思います。
目次
ケンタッキーで造られなければバーボンじゃない?
1964年5月4日、米国議会はバーボンを「米国特有の製品」と位置付けました。
バーボンはアメリカの精神そのものであり歴史的にも重要なものだからです。
近年のウイスキーブームのもと、ニューヨーク州やヴァージニア州など、ケンタッキー州以外でもバーボンの製造が行われるようになりました。
ほとんどが小規模蒸留所のものですが、それぞれ個性的で高い評価を受けているものもあります。
新興蒸留所があちこちにでき、毛色の違うバーボンも楽しめるようになり、消費者にとっては選択の幅が増えて嬉しい状況です。
しかし、バーボンの生産が全米規模で広がっているとはいえ、バーボンの生産量を見るとケンタッキー州が断トツです。
主な大規模ブランドはほとんどこの地域に蒸留所を置き、バーボンを作り続けているためです。
その量は現在アメリカで生産されるバーボンのなんと95%にも及ぶとか。
「ケンタッキー産でなければバーボンとは呼べない」と述べたのはケンタッキー州知事、そしてルイビル市長でした。
傲慢な発言ととられるかもしれませんが、実際のところこのように考えている人は少なくありません。
バーボン=ケンタッキー州で造られたもの、というイメージはしばらく変わりそうにありません。
ケンタッキー州は蒸留所だらけ?
現在アメリカで製造されるウイスキーの99%は8社・13の蒸留所のものです。
そのうちの6社がケンタッキー州に蒸留所を構えています。
特に有名なのは全米でも一、二を争う大規模蒸留所「ヘブンヒル」でしょうか。
大小合わせて200ものブランドを持っています。
他にもサントリーが買収した「ジムビーム」やケンタッキーダービーで有名な「ウッドフォードリザーブ」もケンタッキーにあります。
バーボンのふるさとらしく、蒸留所を巡るツアーも充実していますし、全米一のおまつりともいえる「バーボンフェスティバル」もケンタッキー州で毎年行われています。
まさにバーボンはケンタッキーを象徴する存在と言えるのです。
バッファロートレース蒸留所(Buffalo Trace Distillery)
バッファロートレース蒸留所は、前述したケンタッキーに蒸留所を持つ6つのビッグブランドの一つ「Sezerac」社の傘下にあります。
歴史は古く、ウイスキーの蒸留を始めたのは1775年とか。
しかしこれはあくまでもバッファロートレース蒸留所の主張です。
最も古い蒸留所としてギネスブックに認定されているのは、現在ビッグブランドの一つ「メーカーズマーク」が所持している「バークス蒸留所(Burks’ distillery)」です。
こちらの蒸留所は1805年にバーボンの蒸留を始めたと言われているそうです。
これが事実なら、1775年に蒸留を始めたバッファロートレース蒸留所の方が古いことになりますね。
この主張は正式には認められていないようですが、ケンタッキー州の数ある蒸留所の中でも古い歴史を持つというのは間違いありません。
バッファロートレース蒸留所の歴史とは…
1812年にハリソン・ブラントンによって最初の蒸留所がフランクフォートに設立されました。
その後1870年にはエドモンド・H・テイラーに売却され、「OFC蒸留所」と名前を変えます。
そしてさらに8年後、「オールド・オスカー・ペッパー蒸留所」と共にジョージ・T・スタッグに売り渡されました。
「OFC蒸留所」の土地をさらに拡大するために、「オールド・オスカー・ペッパー蒸留所」は売却。
1886年、スタッグはウイスキーのエイジングのための貯蔵庫に蒸気加熱を導入しました。
これによりさらなる生産の拡大が行われます。
1992年には「Sezerac」社の傘下に入りました。
現在2億ドルもの設備投資を行って蒸留所はさらに大きく変化を遂げています。
売却に次ぐ売却ですが、古くから受け継がれてきた伝統はそのままです。
歴史的価値の高い当時の蒸留所はまだ残っています。
まだまだこれからの躍進に期待がかかる蒸留所です。
2016年の大発見!
2016年、バッファロートレース蒸留所では長期間使用していなかった建物をイベント用に整備していました。
そこでたまたま「OFC蒸留所」の基盤と発酵バットが見つかったのです。
通常、蒸留所を拡張する際は古い設備や構造は撤去されてしまいます。
しかしそれが残っていたので、大変重要な発見となりました。
発見後、バッファロートレース蒸留所はウイスキーの専門家、歴史保存コンサルタントを呼び、詳しく調査。
すると、この基盤が1873年頃エドモンド・H・テイラーによって運営されていた時代のものであることが分かりました。
この歴史的発見の場所は一整備後に一般にも公開予定とのこと。
バーボン造りの歴史にとって重要な発見となる遺跡に注目が集まっています。
バッファロートレース蒸留所のおすすめ!
バーボンの歴史においても欠かすことのできない重要な存在であるバッファロートレース蒸留所。
ビッグブランドの傘下にありますが、生産されるアメリカン・ウイスキーは品質も高く、バーボンファンなら是非試して頂きたいところです。
Ancient Age(エインシェントエイジ)
1964年以来、高い評価を受けているバーボンです。
原材料にはトウモロコシ、ライ麦、大麦が使用されています。
バッファロートレース蒸留所オリジナルの製法を守ったシンプルなバーボン。
- カラー:淡い麦色
- 香り:トウモロコシ、キャラメル、タフィー、バニラ
- 味わい:スパイス、タフィーや柑橘系の果物
Benchmark(ベンチマーク)
1700年代後半に蒸留所のたつフランクフォートの北部を調査した「マカフィー兄弟」に因んで名づけられました。
このバーボンレシピは蒸留所の歴史とその土地を称えています。
- カラー:琥珀
- 香り:カラメル、ザクロ
- 味わい:ドライフルーツ、オーク、チェリー、タバコ
滑らかで柔らかく、レザーのようなスムースさがある2017年「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」においてシルバーメダルを受賞しました。
Old Charter(オールドチャーター)
バランスのとれた80プルーフのバーボンです。
フルボディで複雑な味わいが特徴。
バーボン好きの方なら絶対にはまる、オールド・ソリッド・バーボン。
ロックまたはお好みのカクテルベースにおすすめです。
- カラー:淡い琥珀
- 香り:ドライペッパーと甘いはちみつ
- 味わい:スパイスとメロウなタフィー
甘さが長く余韻として残る
ワイン愛好者からの人気が高いバーボンです。
W.L. WellerSpecial Reserve(W.Lウェラースペシャルリザーブ)
非常になめらかな味わいのバーボンです。
ライ麦の代わりに小麦を使用。
90プルーフでボトル詰めされたこのバーボンはカクテルベースやストレートで頂くのがおすすめです。
- カラー:焼けたオレンジ色
- 香り:ハチミツ、カラメル、バタースコッチ
- 味わい:なめらかで繊細
甘いハニーサックルが余韻として残る
まとめ
アメリカで最も古い蒸留所の一つである「バッファロートレース蒸留所」。
現在も高品質なバーボンを作り続けています。
こちらの蒸留所は、禁酒法時代もバーボンを作り続けた数少ない蒸留所です。
アルコールが一切禁止された時代に、薬品として蒸留を続けたそうです。
禁酒法時代にも信念をもってバーボンを作り続けたこの蒸留所、ツアーで見学も可能です。
無料のテイスティングもついていて、フランクフォートを訪れる観光客に大人気とか。
バーボンの歴史と現在を知りたいなら外せませんね。
海外旅行のご予定があれば、目的地の一つとして候補に入れてみるのはいかがでしょうか。