バーボンを含めウイスキーの定義が曖昧になっている!
バーボンと言えばアメリカンウイスキーを指します。
そして、スコッチウイスキーと言えば伝統的なウイスキーです。
しかし、バーボンやスコッチなど多くのウイスキーにおいて定義が曖昧になりつつあると考えます。
特にウイスキーで特に重要視されているのが、『シングルモルトかどうか?』ということでしか無くなりつつあります。
そもそもバーボンとはどんなウイスキーか?
そもそも、バーボンとはどんなウイスキーか考える必要があります。
バーボンは本来トウモロコシを原料とし、アルコール発酵を行います。
その後、連続蒸溜塔で加熱と冷却を繰り返し、アルコール度数を高めていきます。
連続蒸溜を行うことで、アルコール度数は99.9%まで濃縮することが可能です。
実際にこのような方法で、高純度のアルコールが生成されます。
バーボンの場合はアルコール度数は50数%に抑えます。
この先の工程がバーボンを定義づけるポイントです。
バーボンは新品のオーク樽の内面を焼き焦がして長期熟成するウイスキーとされています。
ウイスキーの定義からすると、バーボンに使用されるアルコールはモルトではないことになります。
しかし、バーボンのラベルを見ると『モルト、グレーン』の表記があります。
バーボンの定義からすると、製法はバーボンではあるものの正統派のバーボンではないことになります。
バーボンとスコッチの違いとは?
では、バーボンとスコッチの違いは何でしょうか?ウイスキーの原点はやはりスコッチウイスキーです。
スコッチウイスキーの場合は、原料に大麦が使用されており、アルコールの蒸溜方法までは全く同じです。
唯一ことなるのが、熟成方法です。
スコッチウイスキーの場合、新品のオーク樽で長期熟成されたものを指します。
そして、ピュアモルトすなわち混ぜ物をしていないものがスコッチウイスキーと定義されます。
しかし、現在のスコッチウイスキーもバーボン同様にグレーンが添加され、正統派のスコッチは少なくなっています。
それ以外のウイスキーはどうなのか考えたいと思います。
他のウイスキーはどうなのか?
正統派のバーボンは、トウモロコシが原料で焼いたオーク樽です。
スコッチは、大麦が原料で新品のオーク樽です。
それ以外のウイスキーはもはや、定義はありません。
原料はアルコール発酵と蒸溜により、アルコール度数を高め、熟成樽で長期間熟成すればウイスキーとなってしまいます。
現在では、熟成樽にワインやシェリー酒、バーボンの熟成に使用したものまで使用されます。
もはや、ウイスキーの定義自体が完全に曖昧になり、熟成方法が異なれば、バーボン、スコッチなどを名乗れるような状態です。
実際のところ、トウモロコシだろうが大麦だろうが、米だろうがライ麦、サトウキビでも連続蒸溜で加熱・冷却を繰り返してしまえば、ただの純粋なアルコールになります。
この時点で、原料が何か全く関係ありません。
むしろ、高純度のアルコールさえ生成出来れば、あとは熟成方法で各種ウイスキーの定義がされるだけです。
ウイスキーに入っているグレーンの役割?
ちなみに気になるのが、バーボンやスコッチに入っているグレーンの役割と正体です。
グレーンの正体は、ただのアルコールです。
しかも、アルコール度数は非常に低いです。
つまり、高濃度のアルコールを薄めるために使用されるものです。
日本人がイメージし易いのは、甲類焼酎です。
もっと、分かり易く言うと日本酒に入っている醸造アルコールです。
バーボンやスコッチを出荷する際に、適度なアルコール度数に調整するために使用される低純度のアルコールです。
水で薄めては雑味の原因になるので全く美味しくありません。
そもそも、このようなアルコールを添加すること自体がバーボンやスコッチの定義を損なています。
やはり、こだわる方には正統派の混ぜ物をしていないバーボンをおすすめします。
まとめ
筆者自身、過去にバーボンやスコッチ、その他のウイスキーにハマったことがあります。
やはり、グレンの使用されていない正統派かつ各ウイスキーの定義にマッチングしたものは味や風味に違いが出ます。
しかし、混ぜ物の多いウイスキー類はただのアルコールで『薄い』としか感じません。
筆者自身が一番好きなウイスキーは、『ラフロイグ』というスコッチウイスキーです。
独特の風味が強く、日本人なら正露丸みたいな匂いと感じます。
しかし、スコッチウイスキーかつシングルモルト、そしてバーボン樽を使用したウイスキーなのでコアな方には非常におすすめです。
これが飲めたら大抵のウイスキーは薄く感じます。