ユニークなバーボンをお捜しなら!クラフト蒸留所「バークシャー・マウンテン蒸留所」のバーボンを見てみよう。

バーボン

バーボンと言えばケンタッキー。

しかし近年では、あまりにもオーソドックスなケンタッキー州のバーボンではなく、個性豊かな小規模蒸留所のバーボンが世界的にも注目を集めています。

小規模蒸留所のバーボンは革新的でユニーク。

「バークシャー・マウンテン蒸留所」のバーボンもそんな小規模蒸留所の一つです。

こちらの蒸留所のユニークなバーボンをご紹介します。



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バーボンはアメリカ生まれのウイスキー

バーボンと言えば、アメリカ創立の頃より愛されてきた、アメリカを代表するウイスキーです。

スコッチやアイリッシュウイスキーなどと同様に、原産地保護のため生産地がアメリカ国内に限定されています。

バーボンの発祥はケンタッキー

バーボンはケンタッキー州の牧師「エライジャ・クレイグ」によって作られたと言われています。

スコッチなど、他の有名どころのウイスキーが比較的寒冷地で作られているのに対し、バーボンはアメリカでも南部に属する地域で始まりました。

そのため、他のウイスキー等とは異なる味わいや製法を持っています。

バーボンの特徴といわれる「バニラ」や「キャラメル」の風味、濃厚な味わいはその製法から由来しています。

「バーボン」という名前の由来はフランスの「ブルボン王朝」からきたものです。

独立戦争でアメリカを助けてくれたフランスに敬意を表し、ケンタッキー州の一つが「バーボン郡(ブルボンの英語読み)」と名付けられました。

郡の名前はやがて消えてしまいますが、その地域で作られるウイスキーの呼び名として残ったのです。

「バーボン」になるための製法とは…?

バーボンには製法に関しては独特の決まりがあり、これをクリアしていなければバーボンと謳うことは許されていません。

そしてこの製法こそがバーボンをバーボンたらしめているのですが、その製法の条件は以下のとおりです。

  1. アメリカ合衆国内で製造されなければならない
  2. 原材料として使用されるトウモロコシの割合は51%以上であること
  3. 熟成には新品の炭化被膜処理されたオーク樽を用いること
  4. 蒸留はアルコール度数80%以下で行うこと
  5. 樽熟成を行う前のアルコール度数は62.5%以下であること
  6. 製品としてボトリングする際のアルコール度数は40%以上であること

製法の中でも独特なのが「炭化被膜処理されたオーク樽」を熟成の際に用いることです。

炭化被膜処理とは、簡単に言えば「内側を焼き焦がす」ということです。

焼き焦がした樽に入れることで、バーボンにバニラ、キャラメルと言った独特の風味が加わるようになります。

なぜこのような工程を経るようになったかというのは諸説あり、定説はありません。

バーボン創世者であるエライジャ・クレイグ牧師が保存していたバーボン熟成用の樽が、たまたま火事で焼け焦げてしまったという説や魚を入れた樽を熟成に使用したため、くさみを取るために焼き焦がした等の説があります。



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ケンタッキーVS小規模蒸留所?

バーボンが生まれたのは1789年と言われています。

つまり、アメリカ合衆国建国の年。

バーボンはアメリカ国民にとって、愛国のお酒として愛されているのです。

バーボンを初めウイスキーなど様々なアルコール類は、1920年から1933年まで続いた禁酒法により一時断絶されてしまいました。

アメリカ各地にあった蒸留所はほとんど閉鎖に追い込まれ、バーボンを作る蒸留所も壊滅的な打撃を受けてしまいます。

しかし、ケンタッキー州においてはわずかな蒸留所が「医療用」としてウイスキー製造を行うことが許されました。

禁酒法が終わったあと、ほとんどの地域の蒸留所は再開することができませんでしたが、ケンタッキー州は閉鎖を免れた蒸留所等もあったため、再びバーボンを作ることができたのです。

結果、世界的に有名なバーボンのほとんどはケンタッキー州に集中しています。

そのため「ケンタッキー産でなければバーボンとは呼べない」とまで言われていたのです。

小規模蒸留所の台頭

禁酒法が遠く過ぎ去ってしまった現在でも、州によってはアルコールの製造・販売が禁止されています。

個人の蒸留所設立の規定も厳しく、ウイスキー業界に新たに参入することは難しかったのです。

しかし、近年になってこうした規定を緩和する動きが出始めました。

ワシントン州やイリノイ州などでは規定が緩和されたため、新しい蒸留所の設立が容易になったのです。

こうして「小規模蒸留所(マイクロ・ディスティラリー)」と呼ばれる蒸留所が次々と現れます。

このムーブメントはアメリカ全土に広がり、数多くの小規模蒸留所がオリジナルのウイスキーやバーボンの製造を始めました。

バーボンは「ケンタッキーのもの」とは言えなくなっているのです。

バークシャー・マウンテン蒸留所(Berkshire Mountain Distillers)

「バークシャー・マウンテン蒸留所」の設立は2007年。

マサチューセッツ州グレートバーリントンに蒸留所が建設されました。

マサチューセッツ州に蒸留所がオープンするのは、禁酒法以降初めてのことです。

スモールバッチで手作りされるバーボンをはじめ、ジン、ラム、コーンウイスキーなどを製造し、アメリカ国内19の州で販売されています。

小規模蒸留所ながらもそのクオリティは高く、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」で金賞を受賞するなど、世界的にも高い評価を受けています。

バークシャー・マウンテン蒸留所では、現地生産が鉄則

バークシャー・マウンテン蒸留所で製造されるウイスキー等の原材料は蒸留所から2マイルのところにある農場から入手したもの。

水は地元の湧水を使用しています。

マサチューセッツ州の農業やビジネスを推進するため、殆どの原材料は州内で確保。

良質なウイスキーの製造と共に、地域の活性化にも力をいれているのです。

Berkshire Cask-Finished Bourbon Whiskey(バークシャー・カスクフィニッシュ バーボンウイスキー)

小規模蒸留所の強みは、なんといっても個性です。

大手の蒸留所とは違い、あれこれと製法に手を加え、オリジナリティにあふれた味わいを探求し続けています。

バークシャー・マウンテン蒸留所のバーボンも、他にはない味わいを持っています。

この「カスクフィニッシュ」のバーボンは、熟成の最後に「ビール樽」を使用しているのが特徴です。

使用したビール樽は「サミュエル・アダムズ」というビールのもの。

熟成最後の4か月間、原酒はこのビール樽にて熟成されました。

バーボンはビールとバーボンの良いところが交じり合った独特の風味を持って生まれました。

味わいはモカ、バニラ、ライの風味が強くフィニッシュにビールの気配をほのかに感じます。

爽やかで甘く、まろやかな味わいです。

ミントを加えて、ミントジュレップにもおすすめ。

Berkshire Bourbon Whiskey smoke and peat(バークシャー・バーボンウイスキー スモークアンドピート

こちらはアイラモルトウイスキーの熟成に使用された樽を使ったバーボンです。

アイラモルトと言えば潮、ピート、スモーキーさ、ヨードの独特の味わいが特徴。

その樽を使用することで、今までにない全く新しい味わいのバーボンが生まれたのです。

スコッチウイスキーがフィニッシュにバーボン樽を使用するのはよく見られますが、逆は非常に稀なことです。

フィニッシュにアイラモルトの樽を使用したことでバーボンの味わいを持ちつつ、非常にピーティな味わいになりました。

味わいはトウモロコシ、バニラの甘さにかすかなピート、塩分を感じます。

ちょっと変わったバーボンを飲みたい方におすすめです。

まとめ

近年ちょっとした小規模蒸留所ブームに沸いているアメリカ。

バーボンはもはやケンタッキーだけのものではありません。

小規模とはいえクオリティの高いものも多く、専門家や愛好家の中には「本当のバーボンに出会いたければ、小規模蒸留所のバーボンをさがせ」という人もいるほどです。

この度ご紹介した「バークシャー・マウンテン蒸留所」はアメリカの小規模蒸留所ブームの初期に名をあげた蒸留所の一つです。

日本国内で入手するのは難しいかもしれませんが、名品の揃ったバーでなら見つかるかも。

是非チェックしてみて下さいね。

バーボン