ブランデー…コニャックとアルマニャック

ブランデー

ブランデー…コニャックとアルマニャック

お酒は醸造酒と蒸留酒に分かれます。

葡萄などをアルコール発酵させてできる醸造酒と、アルコールの濃度(%)を上げるために醸造酒に蒸留工程を付加したのが蒸留酒です。

ワインとブランデーどちらも葡萄が原料です。

しかし、ワインは醸造酒、ブランデーは蒸留酒です。

ちなみにウイスキーも蒸留酒ですが、大麦などの穀物が原料です。



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ブランデーとは

ブランデーは広義で、果実を原料とする蒸溜酒の総称であるとされています。

アルコール度数は40~50%です。

ブランデーという言葉の由来は、フランス語のヴァンブリュレやオランダ語のブランデヴァイン(どちらも焼いたワイン)から転じたとのではないかといわれています。

一般的には、葡萄を醗酵させ、蒸溜したものをブランデーと呼びますが、他にも葡萄の絞りかすを原料とするグラッパ、リンゴを原料とするカルバドスやサクランボのキルシュなど様々な果実が使われます。

ブランデーには樽熟成した琥珀色のものと、樽熟成しない透明なものがあります。



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ブランデーの製法

原料にする葡萄の品種はユニ・ブランといい、糖分が少なく酸味が強く、フルーティーで、柑橘系のさわやかな風味がある葡萄です。

酸の影響で醸造時に雑菌の繁殖が抑制されて、芳醇な香味が醸成される反面、アルコール発酵しにくく貧相なワインになってしまいます。

一般に、ブランデーの蒸留は単式蒸留器を使い、アルコール度数7~8%のワインを約70%まで濃縮します。

ユニ・ブランで醸造したワインはアルコール度数が低くいことから、蒸留後に却って香味が濃縮します。

蒸留を終えると数年から数十年の間、樽の中で貯蔵し熟成します。

アルコール度数が下がり、色が琥珀色に変化して、まろやかなブランデーに変っていきます。

コニャックとアルマニャック

コニャックとアルマニャックはフランスの南西部の地名で、ブランデー発祥の地とされます。

この特定された地域で栽培された特定品種の葡萄を使って造られる高級なブランデーです。

コニャックの生産地はグランド・シャンパーニュを中心に6地区に分けられ、アルマニャックも3地区に分けられます。

蒸溜は、コニャックが単式蒸溜器で2回なのに対して、アルマニャックは連続式蒸留器で1回です。

熟成には、コニャックがホワイトオーク樽、アルマニャックはブラックオークの樽が用いられます。

熟成の年数によってVSOP、NAPOLEONやXOなどの符号が付けられます。

ブランデーの樽・熟成

ブランデーには樽熟成した琥珀色のものと、樽熟成しない透明なものがありますが、蒸留を終えると殆どが、数年から数十年の間、樽の中で熟成されます。

熟成年数が長くなるとアルコール度数が下がり、色が変わって、まろやかな味わいのブランデーになって行きます。

熟成年数を表す符号がありますが、統一基準はなく、コニャック、アルマニャック、製造国や製造メーカーによっても異なります。

熟成年数の少ない順に紹介しますと1~3つ星、VO(very old)、VSO(very superior old)、VSOP(very superior old pale)、NAPOLEON、XO(Extra Old)、さらにエクストラなどがあります。

ブランデーの銘柄

コニャックですと、ポールジロー(PAUL GIRAUD)、 マーテル(MARTELL)、ヘネシー(HENNESSY)、 レミーマルタン(REMY MARTIN)、 カミュ(CAMUS)、 クルボアジェ(COURVOISIER)などが有名です。

アルマニャックですと、シャボー(CHABOT) 、ジェラス(GELAS)、 モンタル(MONTAL)、ラフォンタン(LAFONTAN)などが有名です。

ヘネシーX.O.は人気が高く、高級クラブ御用達ですから、お酒を飲まない方でもご存知かもしれません。

他にも、レミーマルタンV.S.O.P.やカミュのナポレオンが有名ですね。

しかし、愛好家から高い評価を受けているのが、ポールジローのブランデーです。

ポールジローは、コニャックの中心地であるグランド・シャンパーニュで、300年以上の伝統を誇っています。

ポールジローのラインアップのなかで、手軽にブランデーが楽しめるトラデションがおすすめです。

ブランデーはストレート

ブランデーをグラスに注ぐだけの、香りが存分に楽しめるストレートがおすすめです。

飲む前にグラスを近づけ、ブランデーの芳醇な香りを味わいます。

次にブランデーを口に含み、飲んだあとに口を閉じると、濃厚なブランデーの芳醇な香りがより強く味わえます。

1度にグラスへ注ぐ量は、数十分で飲みきれる量がよいでしょう。

ブランデーのグラスの持ち方

最近では、香りを閉じ込める形状になっているグラッパグラスやフルートグラスがおすすめです。

ブランデーの温度は常温が適しているといわれますので、体温が伝わらないような配慮が必要だからです。

手のひらでブランデーを温めるとアルコールが揮発し、その刺激臭によってブランデー本来の香りを味わえなくなります。

ブランデーグラスやグラスを手のひらで温めたる飲み方は、古い飲み方とされるようになっています。

まとめ

イタリアやフランス各地で、古くからワインを蒸留したお酒は薬用として飲まれていたそうです。

アルマニャックは小説「三銃士」ゆかりの地で、1411年には薬としてブランデーが造られていたとの記録があります。

他方、コニャックでブランデーが作られ始めたのは比較的遅い16世紀といわれています。

しかし、コニャックで画期的な二重蒸留が開発されると、アルコール度数を高く濃縮できるようになって品質が安定し、さらに熟成期間が長いほど芳醇な香りと味わいが生まれることが分かり、希釈せずに飲まれるようになりました。

このように古くから、コニャックとアルマニャックは他のブランデーとの違いを際立たせてきたのです。

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