ライトな飲み口にはまる人続出!カナディアン・ウイスキーのおすすめは?
ウイスキーといえば、スコッチ、アイリッシュが有名ですよね。
最近では日本のものも品質が認められ、人気・知名度ともに世界でも大人気です。
そんな中、忘れてはならないのがカナディアン・ウイスキーです。
カナダも5大ウイスキー産地の一つ。
そしてその中では、最もライトで軽快な味わいを楽しめます。
意外と知られていないカナディアン・ウイスキーのおすすめを、いくつかご紹介してみたいと思います。
カナディアン・ウイスキーのはじまりって?
カナダで蒸留酒の製造が始まったのは、17世紀後半です。
アメリカ合衆国の独立戦争に反対していたイギリス系の農民達がカナダへ移住し、(カナダは当時イギリスの植民地でした)そこで穀物の栽培を始めたと言われています。
多くはアメリカ向けのウイスキーで、しかも品質は最悪のものでした。
蒸留後、ほとんど熟成をさせずに出荷していたのです。
そのため、当時のカナディアン・ウイスキーは「onedaywhisky」と呼ばれていました。
たった一日でつくるウイスキーという、品質の悪さを揶揄したものです。
しかしカナダはその後、ウイスキーに関する法律を厳しく整備し、品質向上と信頼回復に努めました。
当時の方法で造られた蒸留酒は現在ではウイスキーと名乗ることはできません。
おかげで現在は世界中からその味を愛され、高品質のウイスキーの一つとして認められています。
禁酒法時代とカナディアン・ウイスキー
カナディアン・ウイスキーにとって最大の転換期となるのは、アメリカが禁酒法を制定した1920年でしょう。
アメリカは当時最大の輸入国であったアイルランドからの輸入を全面禁止しました。
カナダからのウイスキーももちろん禁止対象だったのですが、なんといってもアメリカとカナダは国境を接したお隣同志。
監視の目をくぐって、カナディアン・ウイスキーはアメリカへと密輸されました。
アメリカ北部の住民は、休日になると国境を越えてカナダまでお酒を購入しに行っていたそうですから、禁酒法下にあっても人々はお酒を飲む事はやめられなかったようです。
実際に、禁酒法が制定されていた間でも、アメリカ国内のウイスキー消費量は法律の制定前と変わらなかったそうです。
しかもその2/3はカナダ産と言われます。
禁酒法時代は、カナディアン・ウイスキーが大きく発展するきっかけとなりました。
後に禁酒法は撤廃されましたが、アメリカが再びウイスキーを造り始めるころには、カナディアン・ウイスキーの人気と知名度は高く、信頼されるものとなっていました。
ウイスキーは熟成しないとできません。
ですから、いくら禁酒法が撤廃されてすぐにウイスキーをつくり始めても、おいしいウイスキーを出荷するまでには何年もかかってしまうんですね。
その間に親しまれ、愛されたのが良質なカナディアン・ウイスキーだったというわけです。
カナディアン・ウイスキーの特徴って?
カナディアン・ウイスキーはほとんどがブレンディッドウイスキーです。
カナダの法律によれば、カナディアン・ウイスキーと名乗るためには以下の条件を満たしていなければなりません。
1穀類のみを原材料とする
2麦芽によって糖化させ、さらに酵母によって発酵させる
3カナダ国内で蒸留
4180リットル以下の樽で、最低3年以上熟成。
熟成もカナダ国内で行う
さらに、カナディアン・ウイスキーの特徴としては、ライ麦を原材料として、単式蒸留方式で蒸留された原酒と、トウモロコシを原材料として蒸留された原酒をブレンドし、熟成させたものが主流となっています。
ライ麦を使用したものがフレーバーウイスキー、トウモロコシを使用したものがベースウイスキーと呼ばれます。
ライ麦の方が香り豊かで個性的で、トウモロコシはライトでクセのない味わいとされます。
これらをブレンドしたウイスキーは、深く個性を感じる香りと軽快な飲み口が見事にミックスされた、とても魅力的なウイスキーになります。
食事を邪魔しませんから、気軽に頂けますし、普段ウイスキーを飲まない方にもおすすめしやすいですね。
試してみるべきおすすめ!カナディアン・ウイスキーはどれ?
日本人にはなかなか馴染みのないカナディアン・ウイスキーですが、トライしてみるべきおすすめは、実はたくさんあります!
カナダらしいウイスキーをいくつか見てみたいと思います。
アルバータ プレミアム
まずはこちら、カナディアン・ウイスキーの名門「アルバータ蒸留所」で造られるウイスキーを見てみたいと思います。
こちらは1958年に誕生した、「ライ麦」100%のウイスキーです。
カナディアン・ウイスキーにライ麦は多く使われていますが、100%となるとなかなか希少です。
ライ麦が主張しすぎるんじゃない…?
と心配された方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
口当たりはスムースで軽快そのもの。
飲み口もまろやかです。
カラーは明るい金色で、ライ麦畑を思わせます。
オーク樽由来のバニラやフルーツの香りが甘くかぐわしく香ります。
口に含むと、甘さとほんのりとしたスパイシーさが口に広がり、複雑でリッチな味わいが広がっていきます。
ライトな飲み口のおかげで、スイスイ入ってしまうので、注意が必要かもしれませんね。
おすすめの飲み方は、スムースな味を楽しむために、ソーダ水やジンジャーエールで割る、ハイボールスタイルです。
又はオンザロックで、レモンやオレンジを添えて頂くのも、いいですね。
どんなシーンにもピッタリな、気軽に頂けるウイスキーです。
カナディアンクラブ
ザ・カナディアンウイスキーとも言うべき、誰もが最初に思い浮かべるであろうウイスキーです。
クセがなく、とにかく飲みやすいです。
ウイスキー初心者におすすめするなら、まずこれでしょう。
ハイボールやカクテルベースにもぴったりですし、価格的に見ても、かなりコスパ良しなウイスキーと言えます。
こちらのウイスキーを造っているのは、ハイラム・ウオーカー社です。
アメリカ禁酒法時代にカナディアン・ウイスキーを広め、カナダのみならずアメリカ中で愛されるようになりました。
当時は「クラブ・ウイスキー」という名で販売されていましたが、禁酒法後のアメリカででは改名を余儀なくされました。
これは、アメリカが国内産ウイスキーを復活させ、保護する目的で、外国産のもとの差別化を図ったからです。
こうして名前は「カナディアン・クラブ」に変わりましたが、それ以後もますます人気は高まり、カナダを代表するウイスキーと呼ばれるようになりました。
現在では世界150カ国以上で販売されているといいますから、人気の高さが伺えますね。
一番飲みやすいホワイトラベルは熟成6年ほどで、ブラックラベルは8年、12年、20年ものがあります。
熟成年度があがるほどコクが深く、円熟した甘みを備えています。
ライトに楽しみたいならホワイトラベル、まったりしたいならお好みのブラックラベルを選んでみてはいかがでしょうか。
クラウン ローヤル
格調高いボトルが目をひくこちらは、シーグラム社によって造られています。
日本ではキリンから販売されていますね。
こちらのウイスキーは1939年、イギリス国王ジョージ6世が初めてカナダを訪れた際に献上されたものです。
ウイスキーが造られたラ・サール蒸留所には、最適の清冽な水と豊富な穀類に恵まれていました。
そこで600種類ものブレンドを試し、生まれたのがこの「クラウン ローヤル」です。
ラベルには王冠が描かれ、高貴なカラーである紫のオペラバッグに納められています。
とても高級感があるので、贈り物にもおすすめですよ。
もともとはシーグラム社が来賓をもてなすためのウイスキーとして少量のみ生産していたそうですが、現在では海を越えて、私達でも気軽に入手できるようになりました。
香味はかすかに香る程度で、軽快な口当たりはまさにカナディアン・ウイスキーの代表格。
舌に残るクセもなく、しかしじんわりとチョコレートのような香りが残ります。
モルトとグレーンをまさしく黄金比率でブレンドしてある、高貴な味わいです。
ハイボール・カクテルベースに適していますが、そのままを楽しむのもおすすめですよ。
クラウンローヤル・ノーザンハーベストライ
ジム・マーレイ氏が著す、「ウイスキー・バイブル」において、2016年のワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたウイスキーです。
カナディアン・ウイスキーとしては初めての快挙です。
ジム・マーレイ氏は世界中のウイスキーを試し、得点付けし、最も得点の高かったものを選んでいます。
華やかで清涼感ある香りが特徴です。
味わいはなめらかで、アップルジュースやスペアミントを感じます。
華やかでクセのない、さわやかなウイスキーです。
夏場に飲むのにぴったりかもしれませんね。
今までのライウイスキーとは一線を画す味わいです。
ジム・マーレイ氏が選出したウイスキーは、世界中の愛好家から注目を集めます。
過去には日本産ウイスキーも選ばれて、その後に日本産ウイスキーブームが訪れました。
そう考えると今後、カナディアン・ウイスキーブームが来ることも十分考えられますね。
まとめ
とにかく軽快でクセのないのが特徴の、カナディアン・ウイスキー。
気軽に試してみたくなりますよね。
ハイボールファンには間違いないウイスキーですが、これからウイスキーをもっと深く楽しみたい方にもとてもおすすめです。
例えば、今まではソーダ水やジンジャーエールで割った飲み方しかできなかったけど、もっと本格的に楽しみたい!
と考えている方。
まず最初にウイスキーのストレートにトライするなら、カナディアン・ウイスキーがぴったりです。
飲みやすくくせもないので、気負わずに頂けますよ。
慣れてきたら、様々なブレンドのカナディアン・ウイスキーを探していくのも楽しいですね。