親しい人への贈り物にウイスキーを!由来や歴史の解説・添え物のご提案
お酒が好きなあの人にウイスキーを贈りたい!
そうは思うものの、選びかたが分からない・漠然と自分の好きなものを贈っていいものか?
とお悩みのかたが、いらっしゃるのではないでしょうか。
そんなかたのために、贈り物に思いを乗せるための豆知識や、添えると喜ばれるもののご提案をさせていただきます。
ご自身で愛飲されているというかたも、是非ご参考にしてみてください。
お相手のことを考えて…
ウイスキーをプレゼントとして考える場合、嗜好品になるため、やはりお相手の好みや性格などが大切です。
その上で、よりお相手との関係を深めたい・しっかりと確かめたい…という場合については、贈る品に関する由来や意味も知っておくといいですね。
思いを込めた選びかたとしては
- 恋人なら「ピュアな気持ち」をこめて、シングルモルト
- お祝いであれば「これからの変化を楽しめるように」、ブレンデット
などが考えられますね。
ここから先は、ウイスキーの由来や意味、どんな風に飲まれてきたか…贈答品とともに語れる素敵な豆知識をご紹介したいと思います。
ウイスキーのウンチク
ウイスキーのもともとの名前は、ラテン語で”apua vitae"。
「命の水」という意味になります。
14~15世紀ごろ、医療がまだ未発達だった中世、地中海沿いの海辺にある修道院で、痛み止めや消炎効果のある薬として醸造されたのがはじまりでした。
つまり、元々は「身体を大切にしてほしい」という気持ちが込められたものだったのです。
やがて北方の寒冷地域に広まると、身体が温まるという効果を見込まれて、嗜好品として常飲されるようになりました。
最初に紹介した「命の水」を、スコットランドの古語に翻訳して訛ったものが「ウイスキー」と言われています。
スコットランドといえば、ブランド化した種を「スコッチ」と呼ぶことで有名ですね。
一方では、まだ英国が分裂していた5世紀ごろに、イングランド人がスコットランドに攻め込んだ際に兵士が見つけたものを最初に「ウイスキー」と呼んだ説があります。
これには「勝利」という意味が込められています。
なお、英国やロシアを除く欧州各地では、「命の水」をそのままその地の言語で呼ぶことが多いようです。
いずれにせよ、縁起物・かつ貴族や戦士など、第一線で活躍する人の飲み物だったんですね。
少し触れましたが、ウイスキーの聖地はやはりスコットランド・アイルランドになります。
スコッチ・ウイスキーは独特の煙の香りがあり、カカオ含有率の高いチョコレートや魚の燻製とあわせてよく飲まれています。
映画などで、キャラクターの男らしさを象徴するアイテムにもなっています。
一方でアイリッシュ・ウイスキーは、スコッチと比べて口当たりがまろやか・香りも上品なのが特徴。
海外では、女性が好んで飲む高級酒とされています。
海を渡ってアメリカ大陸でも醸造が始められるようになりましたが、この頃にはすでに大衆化が始まっており、貴族だけの飲み物ではなくなっていました。
そのため、特別感を演出したい際は、スコッチ・アイリッシュウイスキーがおすすめとされています。
それでは、ジャパニーズウイスキーのほうはどうなのでしょうか?
ここに素敵な男女の物語があるので、ご紹介させていただきたいと思います。
ニッカウヰスキー創業者の物語
スコッチウイスキーの伝来者
日本にウイスキーが輸入されたのは1923年、山崎の創業者である竹鶴政孝氏によるものでした。
竹鶴氏は当初、スコットランドの伝統的なウイスキーを日本に広めようと奮闘していましたが、なかなか庶民には受け入れられず苦戦。
そんななかで、安価で飲みやすいウイスキーの開発に成功。
ウイスキー好きを増やし、本場のおいしさを堪能したいと考える人を増やすことに成功しました。
そんな彼のそばにいたのが、リタというスコットランドの女性でした。
スーパーニッカと"竹鶴"の物語
竹鶴氏はウイスキー研究のため単身スコットランドに渡り、柔道を通じて現地の開業医一家と親しくしていました。
そこにいたのが、一家の長女・リタ。
2人は恋におちて、竹鶴氏はリタの為であれば帰国せず・スコットランドに残ろうと告げます。
ところがリタは、竹鶴氏の夢を優先して、日本に渡って生涯を共にすることを決意しました。
とはいえ、大戦下で2人の生活は順調に運びませんでした。
リタは流暢な日本語を操り、懸命に夫を支えましたが、外国人というだけでスパイの容疑をかけられてしまいます。
それでも彼女は日本人になる努力を惜しまず、夫を支え、竹鶴氏もリタを信じ続けました。
リタは竹鶴氏よりも先に鬼籍に入ってしまいますが、そのとき竹鶴氏は、墓標に自分の名も刻んだと言います。
彼女に捧げられたウイスキーの名前は「スーパーニッカ」。
その後も竹鶴氏の思いが込められた高級ラインナップが製造され続け、彼の名を冠したピュアモルト・ウイスキーがついに2014年、世界最高賞に輝きます。
こんな2人の恋の物語に思いをはせつつ、ご両親・ご夫婦間での贈り物に、サントリーやニッカの高級ウイスキーを選んでみてもよいかもしれませんね。
こんなものを添えるとGood!
ウイスキーをより楽しんでもらえるように添え物をすると、さらに喜ばれるかもしれません。
最後に、そんなご提案をさせていただきたいと思います。
チョコレート・魚の燻製
スコッチやアイリッシュによく合うとされるおつまみ。
チョコであれば糖類が少なくカカオ分の多い、ほろ苦い味のものがよく合います。
ご夫婦やご家族などで一緒に召しあがるなら、ケーキなどでもよいですね。
煙草も嗜まれる方であれば、チョコのかわりに葉巻・パイプなど、風情を演出するアイテムに置き換えるのもグッド。
魚の燻製は、現地でもよくアテとして食べられているので、本場感を演出するなら間違いなし。
高級酒店などで販売されている、少し値段が高めの缶詰などを選ぶと、日持ちがよく有難がられるでしょう。
お相手のかたの都合さえ良ければ、お取り寄せの冷凍ソーセージなどでもよいかもしれません。
グラス・カップ
琥珀色に輝くウイスキーを傾けながら過ごす時間は、まさに至高。
こだわりの強い方におすすめなのは、バカラなどの高級グラスです。
ウイスキーグラスと言えば、チューリップ型の口のすぼまった・足付きのものが伝統的。
この形は、香りをグラスのなかに閉じ込めてゆっくりと楽しむことが目的でありますが、いま流通しているウイスキーに限って言えば、何も「ウイスキーグラス」の形にこだわる必要はありません。
常温であればどんな環境でもしっかりと香りたち・長く持つように工夫が凝らされているからです。
親しい間柄の人であれば、ウイスキーを贈った足で一緒にグラスを選びに行くのもよいですね。
ハイボールがお好きな方には、お店などで提供されるハイボールカップをおすすめしますが…これもちょっぴり良いものだと、喜ばれます。
注目を集めているのが、象印やサーモスが先導で開発している、真空二重構造のカップ。
中には、氷と飲み物を入れた状態で10時間以上お酒が薄まらない…というものもあります。
デパートなどにいくとよく並んでいるため、是非ご検討ください。
まとめ
ウイスキーの歴史は古く、中世~近代までは貴族の飲み物とされていました。
栄光と勝利・健康の象徴であったのです。
日本やアメリカで親しまれるようになってからはそのような意味が薄まりましたが、贈答品としては格別の意味があり・また込めたいものであります。
なんとなくウイスキーを贈りたい・それをきっかけによりお相手との関係を深めたいというかたのヒントになれば、幸いです。