ウイスキーファンなら気になる「ウイスキー・バイブル」。2017年のベストウイスキーは?
ウイスキーは世界的な愛好家が多い飲み物です。
起源はアイルランドやスコットランドですが、今や世界中に蒸留所があり、オリジナリティあふれるウイスキーが見られます。
そんな世界中のウイスキーを飲み比べ、採点し、評価するのがジム・マーレイ氏。
ウイスキーファンなら名前を知らない人はいないでしょう。
彼の高い評価を得ることは、ワールドワイドなコンペティションで賞をとるのと同様の価値があります。
ここではジム・マーレイ氏が選んだ、2017年のベストウイスキーをご紹介します。
目次
ジム・マーレイってどんな人?
ウイスキー愛好家の間では知らない人はいないと言われるジム・マーレイ氏。
ウイスキーライターとして、毎年その年のベストウイスキーを決める「ウイスキー・バイブル」を発表しています。
ジャパニーズウイスキーの質の高さが世界的に認められたのは、彼によって高評価を与えられたことも一因と言われています。
名だたる世界的なコンペティションで受賞するのと同様、「ビル・マーレイによって高い評価を受けた」というのは、大変なステイタスとなるのです。
世界初のフルタイム・ウイスキーライター
もともとジム・マーレイ氏は全米紙のジャーナリストでした。
しかしウイスキーを愛するあまり、ウイスキー専門のライターになる事を決意。
全米紙のジャーナリストをやめ、フルタイムのウイスキーライターとなります。
ジム・マーレイ氏は1975年に「talisker蒸留所」を訪れたのを皮切りに、世界中の蒸留所を巡り、「誰よりも多くの蒸留所を訪れた男」と呼ばれるようになりました。
また彼はウイスキー・バイブルの編集者であると同時に、世界的なウイスキーコンペティションである「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」の議長裁判官も務めています。
彼の行う評価は常にウイスキー業界に大きな影響を与えているのです。
ウイスキー・バイブルってどんなもの?
ウイスキー・バイブルはウイスキーライターであるジム・マーレイ氏のプロジェクトの一つ。
ジム・マーレイ氏と彼のチームが世界中のウイスキーを入手し、採点し、ガイドしています。
ウイスキーを味わうのはジム・マーレイ氏のみ。
彼の厳しいテイスティングにより「香り・味・仕上がり・バランス」の項目ごとに採点し、評価。
点数は100点満点で表されます。
このコンパクトなウイスキーガイドはウイスキー愛好家たちに支持され、彼の選ぶウイスキーは常に注目の的となっています。
近年ではジャパニーズウイスキーブームの「山崎シェリーカスク2013」をその年のベストウイスキーに選び、全世界に衝撃を与えました。
BOOKER’S RYE 13 Year Old(ブッカーズ ライ 13年)
ジム・マーレイ氏が選んだ2017年世界最高のウイスキーがこちら。
ブッカーズのライウイスキーです。
ジム・マーレイ氏いわく、「脳みそを揺さぶるような」香りで、驚くほどの深い味わいを感じるそうです。
ジム・マーレイ氏の採点は97.5/100。
ウイスキーは伝説のマスターディスティラー「ブッカー・ノウ」が蒸留した最後の樽の一部から作られています。
アルコール度数は68.5%で、ライ麦のスパイシーさが際立っています。
エイジングの過程でのオーク樽由来のウッディさのバランスが素晴らしく、大胆なライ麦の風味を感じます。
完全限定生産。
GLEN GRANT 18 YEAR OLD(グレングラント 18年)
第2位となったのはこちらの「グレングラント」のシングルモルトウイスキー。
グレングラントは170年の歴史を持つスコッチ・ウイスキー・ブランド。
蒸留所はスコッチ・ウイスキーの聖地・スペイサイドにあります。
こちらのシングルモルトウイスキーは、ピートを使用せず、すっきりした味わい。
大麦由来のまろやかな口当たりです。
「18年」は熟成期間18年以上の原酒のみが使用されています。
熟成に使われた樽はバーボン樽です。
バーボン由来のハチミツ、バニラの風味が際立ちます。
グレングラントの持ち味である「スムースさ」と、スペイサイドらしい華やかさを楽しむことができます。
世界のベストウイスキーでは第2位となりましたが、ジム・マーレイ氏はこの「グレングラント 18年」をスコッチ・ウイスキー部門の第1位となる「ベスト・スコッチ・オブ・ザ・イヤー」に選びました。
WILLIAM LARUE WELLER BOURBON (ウイリアム・ラルー・ウエラ―・バーボン)
第3位に選ばれたのはアメリカン・ウイスキーであるバーボン。
こちらはバーボンの本場ケンタッキーにある「バッファロートレース蒸留所」で作られたケンタッキー・ストレート・バーボンです。
「ウイリアム・ラルー・ウエラ―」とは、ケンタッキーでバーボンが製造され始めた頃に活躍した、バーボン興隆の祖の一人です。
その名を冠したバーボンは非常になめらかでスムース。
ライ麦ではなく小麦を使用することで、優しい甘さを引き出しています。
バッファロートレース蒸留所の「アンティークコレクション」シリーズの一つです。
YAMAZAKI SHERRY CASK 2016 EDITION (山崎 シェリーカスク 2016)
ジャパニーズウイスキー部門で第1位となったのがこちらのウイスキー。
ベースとなっているのは「山崎シェリーカスク2013」。
25年以上の熟成期間を経た貴重なモルトが組み合わされています。
こちらは世界でも5000本限定でリリースされたレアなウイスキー。
ラベルに使用されている紙は、手すきの越前和紙で、スペシャルな装丁が施されています。
現在では30万円を超えるプレミア価格となっています。
CROWN ROYAL NORTHERN HARVEST RYE (クラウンローヤルノーザンハーベスト ライ)
原材料の90%にライ麦を使用したウイスキーです。
カナディアンウイスキー部門の第一位。
ライ麦らしいぴりっとしたスパイシーさとペッパー、バニラ、バタースカッチの味わいが見事なバランスで調和しています。
カナダのドリンクメーカー、「シーグラム社」のプレミアムウイスキーです。
「クラウンローヤル」のシリーズは、もともとイギリスのジョージ6世がカナダを訪れた際に献上されたウイスキー。
その場限りのものでしたが、愛好家たちの強い要望によって一般販売されるようになりました。
カナディアンウイスキーを代表するウイスキーです。
REDBREAST 21 YEAR OLD (レッドブレスト 21年)
アイリッシュウイスキー部門の第一位がこちらのウイスキー。
アイリッシュウイスキーの中でも「シングル・ポットスチル・ウイスキー」になります。
数あるアイリッシュウイスキーの中でも、「シングル・ポットスチル」はレッドブレストだけです。
シングル・ポットスチルとは3回の蒸留を行うのがポイント。
原材料には大麦以外の穀物も使用し、味わいはすっきり軽やか。
「レッドブレスト 21年」は、シングル・ポットスチル・ウイスキーの中でも最長となる21年間の熟成期間を経ています。
熟成に使用された樽はホワイトオークのバーボン樽と、ファースト・フィルのオロロソ・シェリー樽。
豊かで複雑な味わいのコンビネーションを楽しむことができます。
オールドスタイルのアイリッシュウイスキーを楽しみたい方におすすめ。
このウイスキーを蒸留しているのは「新ミドルトン蒸留所」です。
世界最大級のポットスチルを持ち、古くから伝わるシングル・ポットスチル・ウイスキーの伝統を現在でも忠実に守っています。
まとめ
毎年秋ごろになると、ウイスキーファンの注目はジム・マーレイ氏の「ウイスキー・バイブル」に集まります。
彼のチョイスするウイスキーは度々議論を巻き起こしますが、知られていなかったウイスキーを発見できるので、人気です。
この度は2017年版からいくつかご紹介しました。
日本のウイスキーは世界でも人気となっていますが、ビル・マーレイ氏による高い評価のおかげ、という部分もあります。
ジム・マーレイ氏のガイドブックが気になった方は、Amazonで購入可能。
英語版になりますが、チェックしてみて下さいね。