高級ブランデーであるコニャックのおすすめ5大ブランド
コニャックとはフランスのコニャック周辺で生産されているブランデーの一種です。
原料に使用されているぶどうは基本的に白ワイン用ぶどう品種である『ユニブラン』が使われています。
品質が高いことで有名であり、日本では高級ブランデーの等級として「ナポレオン」も広まり幅広い層に支持されているコニャックに焦点を当てて紹介していきます。
1.原料:ユニブラン
ヨーロッパでも特にイタリアとフランスを中心として栽培されている白ワイン用ぶどう品種です。
取り立ててコニャックを製造するのに適しているぶどう品種として認識されています。
強めの酸味が特徴で、その味わいはとてもフルーティーです。
風味は柑橘系を思わせる爽やかさを持ち合わせています。
涼しい地方で生産されたものは、アルコール度数の低いワインになってしまいます。
しかし、それを逆に利用して製造されたものが、コニャックなどのブランデーとして世に出回っているのです。
2.製造方法
昔から使われている銅製のポットスチルを使用した単式蒸留を2回行います。
ポットスチルとは蒸溜に使用するかぶと型をした単式蒸溜釜を指します。
もろみを入れて加熱し、蒸発させる釜、その蒸気を凝縮させるための冷却器、またその2つを繋ぐパイプから成り立っています。
ポットスチルで蒸溜された酒はアルコール以外の成分も多く蒸溜されるので、香りが非常に個性的な蒸溜酒を製造することができます。
製造されたアルコール度数70%程度の精留分を、フランス産のオークの樽で2年以上熟成してから、水で度数40%にまで希釈して製品化していきます。
少量のカラメルを加えることで色付けする場合もあります。
3.等級制度
樽による熟成の度合いによって、V.O.、V.S.O.、V.S.O.P.という等級に分けられます。
しかし、この分類は公に決められたものではないので、製造メーカーや製造者によってその等級には差が出ます。
V.S.O.P.よりも上の等級は、呼び方が統一されていません。
V.V.S.O.P.、X.O.、EXTRA、NAPOLEONなど、各メーカーによって様々な名前付けられているのも特徴です。
4.世界5大コニャック
4-1.ヘネシー
1765年に創業され2015年には創業250年という長い歴史を数えることとなったコニャックを代表するブランドです。
アイルランド出身の創業者であるリシャール・ヘネシーは、ルイ15世統治下のフランスに移住し、コニャック地方でヘネシーを設立しました。
高級酒の代名詞として広くその名前を馳せており、ブランデーを飲まない人でもその名前だけは知っている人は多いでしょう。
ヘネシーは高級酒として有名で、日本ではドンペリなどに並んで高級クラブでもお馴染みのお酒になっています。
特徴としては、安定的な高品質であることです。
妥協することなくこだわって製造することで高品質なコニャックを生産し続けています。
そのこだわりの1つが原料のぶどうです。
ユニブランを「グランド・シャンパーニュ」「プティット・シャンパーニュ」「ボルドリ」「ファン・ボア」といった第一等級の畑で栽培しています。
熟成に使用する樽は樹齢100年以上のフランスのオーク樽を30万樽以上所有することで、樽にも強いこだわりが表れています。
オー・ド・ヴィーと呼ばれる原酒も200.年以上前から保存されているような古いものもあり、これらが相まってヘネシーの高品質なコニャックが生産されているわけです。
またコニャックの品質を「星の数」で表す方法は、今では当たり前のように使用されていますが、これはリシャール・ヘネシーのひ孫である「モーリス・ヘネシー」が考え出したものです。
さらにコニャックの等級の1つ「X.O」を生み出したのも、ヘネシーです。
元来は家族や友人たちのために作られた基準ですが、今では世界標準の基準となっています。
4-2.カミュ
1863年にフランス南西部のコニャック地方で設立され、特に高価な「コニャック」を生産しているメーカーがカミュです。
家族経営を行っている伝統的なメーカーであり、コニャックメーカーの中でも最大級の規模を誇っています。
150年以上の歴史があり、伝統と歴史を重んじるブランド「コニャックの名門」として広く知れ渡っています。
特徴としては、味や香りの柔らかさです。
飲みやすさを際立たせる、とてもまろやかな、その飲み口は日本人の舌に最も合うブランデーとしても認識されているのでおすすめのブランデーです。
ロンドン国際ワイン・スピリッツ コンペティションに3度参加し、常に金賞を受賞するという功績から「世界最高のコニャック」と呼ばれています。
4-3.レミー・マルタン
1724年にコニャック地方で創業されたレミー・マルタン。
その最大の特徴は、原料に使用するぶどうを栽培する土壌を統一していることです。
コニャック地方最上級の土壌であるグランド・シャンパーニュと、それに次ぐ土壌であるプティット・シャンパーニュの土壌での栽培を行なっています。
この2つの土壌の組み合わせて作られた土壌はフィーヌシャンパーニュと呼ばれています。
蒸留方法も独自の路線を走っています。
ブランデーは一般的に底に沈殿したぶどうのかすをろ過した後に蒸留します。
しかし、レミーマルタンはろ過しないままに蒸留します。
これはレミーマルタン独自の伝統的な蒸留方法で、リーズ蒸留法と呼ばれています。
リーズとは底に沈殿したぶどうのかすのことで、それを残してゆっくり2回蒸留することでアミノ酸が多く含まれます。
レミーマルタンのコクのある味わいはこの製法によるものなのです。
4-4.マーテル
1715年にマーテルがコニャックで最高のブランデーを作ろうと創立した、天を翔けるツバメのロゴがトレードマークのブランデーです。
フランス語で天翔けるツバメは「Marlette」と書き、マーテル(Martell)と発音が似ていたため、トレードマークになったと言われています。
大手のコニャックメーカーの中でも特に古い歴史を持ち、2015年には300周年を迎えました。
最初は地元でのみ愛されていたブランデーでしたが、次第に貴族に好んで飲まれるほどのブランデーにまで達し、コニャック地方の中でも特別な存在とされています。
またコニャックメーカーの中でも古典的で伝統的な製法を守り続けており、チーフブレンダーは世襲制によって選出されています。
酒庫にあるブランデーをこだわってブレンドすることで、まろやかなバランスが良く華やかで高貴な味わいとフレッシュかつ果実の優しい香味を作り出しているわけです。
4-5.クルボアジェ
1809年にパリで創業されたクルボアジェ。
その後、もっとコニャック作りに適した場所に本社と工場を置くために、1928年にコニャック地方のJarnacという町に工場を移しました。
現在もそこで蒸留~熟成~瓶詰めまでを行っています。
フランスの皇帝ナポレオンにとても好まれ、「ナポレオンのコニャック」とも呼ばれています。
1910年にクルボアジェが初めてコニャックの出来具合に従っていくつかの等級に分け販売しました。
これが現在の等級制度である「VS」「VSOP」「XO」等の分類に大きな影響を与えたとされています。
原料にはグランド・シャンパーニュ、プティット.シャンパーニュ、ボルドリ、ファン・ボアで栽培されたぶどうであるユニブランを使用し、巧みにブレンドしています。
それによりフレッシュで少し酸味を感じる味わいを生み出しています。
まとめ
ブランデーの中でもコニャックは等級が分かれていたり、そのこだわった各社の製法により特に高級なイメージが強いです。
しかし、伝統を重んじていて長い歴史の中で生まれたそれぞれの味わいはブランデーの良さをしっかり伝えてくれるものになっています。
特別な日には少し奮発をしてコニャックを飲んでみるはいかがでしょうか。