いも焼酎は黒霧島かプレミアム3Mか

焼酎

霧島酒造 黒霧島 25度 1800ml

お酒には醸造酒と蒸留酒がありますが、焼酎はウイスキーやブランデーと同じ蒸留酒です。

食事と一緒に飲まれるお酒はビール、ワインや日本酒といった醸造酒が主ですが、蒸留酒のなかでは焼酎だけが食事と一緒に楽しめます。

焼酎にも、いも、麦、そば、米など多くの種類があります。

今回紹介するいも焼酎(本格焼酎)は濃厚な味わいが特徴で、独特の香りがある焼酎です。



焼酎の分類

焼酎は、製法上の分類により、連続式蒸留焼酎(甲類)と単式蒸留焼酎(乙類)の2種類に分けられます。

前者は、連続式蒸留器で蒸留したアルコール度数が36%未満のもので、後者は単式蒸留器で蒸留したアルコール度数が45%以下のものをいい、昔ながらの製法で本格焼酎とも呼ばれます。

焼酎にはいも、麦、そば、米など様々な原料が使われますが、原料によって味やコクはもちろん、香りまで変化する繊細なお酒です。



原料のさつまいも

さつまいもは江戸時代初期に日本へ伝わったとされる中南米原産のヒルガオ科の植物です。

根の部分が食用になり、甘藷とも呼ばれています。

種類は豊富で40種類ほどが栽培されています。

いも焼酎として代表的なのは黄金千貫(コガネセンガン)です。

この他、紅さつま、紫芋、白豊や黄金千貫を品種改良したジョイホワイトなどがあります。

製造工程・発酵

お酒は酵母菌が糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する(発酵する)ことで造られます。

さつまいもはデンプンがほとんどですので、そのままでは酵母菌がアルコールに分解できません。

そのため麹菌を使ってデンプンをブドウ糖に分解(糖化)し、ブトウ糖を酵母菌でアルコール発酵させます。

できあがった原酒をもろみといい、アルコール度数は約14%です。

焼酎を造るのに欠かせない麹菌ですが、90年ごろまでは白麹菌がほとんどの蔵元で使われていました。

しかし、白麹菌の発見者の娘婿が白麹菌から新種の黒麹菌を培養することに成功し、新しい焼酎ブームに火をつけました。

製造工程・蒸留

発酵の終わったもろみは単式蒸留器に移して1回蒸留し、アルコール度数を40%程度に濃縮します。

本格焼酎の蒸留には単式蒸留器が使用されます。

蒸留には大気圧で蒸留する常圧蒸留と、減圧して蒸留する減圧蒸留があります。

大気圧では90℃~100℃で蒸留しますから、もろみに含まれる香味成分がアルコールと一緒に蒸留されて濃醇な焼酎に仕上がります。

減圧すると沸点が40℃~50℃くらいまで下がりますから、もろみから蒸留される香味成分は、沸点の低い華やかな香りだけになり、すっきりとしたクセのない味わいになります。

この減圧蒸留も焼酎ブームに拍車をかける要因となりました。

製造工程・貯蔵

蒸留を終えると貯蔵・熟成ですが、貯蔵することで焼酎の粗っぽさが消え、おだやかになっていきます。

これは原酒を貯蔵することで、ガス成分が揮散して荒々しさが取れるのと、アルコールと水がなじむような熟成効果がでるためです。

原酒に影響を与えない状態で熟成できるタンク貯蔵が一般的ですが、原酒に呼吸させて熟成を促進させる素焼きの甕が長期間貯蔵に用いられます。

原酒がまろやかになる効果があり、プレミアム銘柄で採用されている貯蔵法です。

貯蔵後、味を均質化するため原酒をブレンドし、割り水によってアルコール度数を下げて、ろ過して瓶詰めされます。

おすすめの飲み方はお湯割り

本場・鹿児島では焼酎はお湯割りです。

鹿児島では目盛りが付いたついたお湯割グラスが販売されています。

お湯を先に入れ、焼酎はあとからゆっくりと注ぎます。

割合は6:4~4:6の間がよいとされますが、食事との相性は5:5ぐらいでしょう。

飲む温度は40~45℃がおすすめです。

焼酎の香りが引き立ち、味も豊かに広がります。

黒霧島

いも焼酎の本場・鹿児島県のお隣り宮崎県都城市にある霧島酒造。

いいちこの三和酒類製を抜いて焼酎メーカー全国の売上高4年連続トップです。

その快走を支えるのが、いも焼酎の赤霧島、黒霧島、白霧島の霧島シリーズ。

なかでも知名度抜群の黒霧島がおすすめです。

黄金千貫と黒麹、清冽な地下水で仕込んであります。

黒麹の香りととろりとした味わい、キリッした後味が特徴です。

黒麹を使ったいも焼酎、いわゆる黒ブームの魁となった一本です。

プレミアム焼酎・3M

鹿児島県垂水市の森伊蔵酒造が造る「森伊蔵」、鹿児島県肝属郡錦江町の白玉醸造が造る「魔王」、鹿児島県薩摩川内市の村尾酒造が造る「村尾」は伝統的な製造方法で作られ、生産量が極めて少ない限定品で、入手困難なため破格のプレミアがつくいも焼酎です。

3Mと呼ばれ、飲んだことはなくても名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

焼酎ブームの折には、一世を風靡した銘柄です。

まとめ

いも焼酎の分野で、鹿児島県と宮崎県が販売量を競い合っています。

いも焼酎といえば「黒霧島」、全国どこでも飲めるようになってきました。

焼酎のブームも落ち着き、安定したものになりつつあります。

しかし、3Mと呼ばれるプレミア焼酎、「森伊蔵」、「魔王」、「村尾」は入手できません。

どうすれば手に入るのでしょう?

ネットで見つけても高すぎます!

もう少し安くなりませんでしょうか…。

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