アイルランドのウイスキー!アイリッシュウイスキーのおすすめはこれ!
スコットランドと言えばスコッチウイスキーが有名ですよね。
一方、そのお隣のアイルランドでもウイスキーは製造されていて、世界5大ウイスキーの生産地に挙げられています。
アイリッシュウイスキーの特徴はなんといってもその飲みやすさと後味の良さ!
そんなアイリッシュウイスキーのおすすめをいくつかご紹介したいと思います。
アイリッシュウイスキーの特徴って?
アイリッシュウイスキーは大体4つの形態に区別できます。
モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンディッドウイスキー、そしてピュアポットスティルウイスキーです。
この中でアイルランド特有なのがピュアポットスティルウイスキーで、非常に伝統的な造り方を行っています。
大麦麦芽と発酵させていない大麦を原材料の主体として使用します。
そこにオート麦や小麦など5種類の原材料を加えたあと糖化させ、発酵させて蒸留します。
発酵させていない大麦を使う、というのがポイントで、これによってアイリッシュウイスキー独自のピリッとした味わいを持つようになるのです。
さらにアイリッシュウイスキーは、一般的に、蒸留回数が多いのも特徴です。
そのため味わいなめらかで、飲みやすく軽快な口当たりを楽しめます。
ピーティでスモーキーなフレーバーが多いスコッチとは、かなり違いますね。
アイリッシュがメインストリームの時代があったんです!
歴史の中で、アイルランドのウイスキーは一時期世界シェアの6割を誇っていた時代がありました。
しかし、20世紀初頭に最大の輸出国アメリカで「禁酒法」が制定され、生産規模は縮小されました。
多くの蒸留所が閉鎖されてしまいます。
さらに、アメリカで密造された粗悪品にアイリッシュのラベルが使用されたこともあり、アイリッシュウイスキーの品質への信頼が落ちてしまいました。
アイルランド内戦をへて、第二次世界大戦中には中立国だったアイルランドは、輸出にも制限をかけました。
アイリッシュウイスキーはほとんどアイルランド国内にのみ流通し、世界の主流はスコッチへと移ってしまいました。
どんどん蒸留所は消え、現在残っているのはわずかに4つのみです。
しかもそのうちの一つは最近再開されたばかり。
残念というか、悲しくなってしまいますね。
ミドルトン蒸留所
アイルランド南部、コーク州にある蒸留所です。
1825年にマーフィー3兄弟によって創業をはじめました。
しかし現在は、アイリッシュ・ディスティラーズ・グループがここで生産を行っています。
アイリッシュ・ディスティラーズ・グループは、1966年にコークディスティラーズ、ジョン・ジェムソン&カンパニー、ジョン・パワーズの3社が合併したもので、ペルノ・リカールの傘下にあります。
アイルランドにある蒸留所の特徴として、その規模の大きさが上げられます。
小規模で独自のウイスキーを作るスコットランドの蒸留所と異なり、アイルランドでは品質の一貫性が重視されていたため、大規模な装置で多量のウイスキーが生産されていたのです。
多種多様性が特徴のスコッチウイスキーとは対照的といえるかもしれませんね。
現在、アイルランド伝統の技法ピュアポットスティルウイスキーを造っているのは、このミドルトン蒸留所のみです。
こちらで造られているアイリッシュウイスキーをいくつか見てみたいと思います。
ジェムソンスタンダード
ザ・アイリッシュという感じのウイスキーです。
非常に飲みやすく、クセのない味わいです。
ウイスキー初心者や女性におすすめです。
カラー:豊かで深い琥珀色。
香り:かすかなシェリーを感じる。
香ばしい麦の香り。
味わい:ナッツ風味を伴う、スムースでくせのない味わい。
ミドルトン・ベリー・レア2015
良質の樽を厳選してビン詰めされています。
ミドルトン蒸留所のフラッグシップともいえるものです。
1984年から、年ごとに造られますが、2015年はマスターディーラー、ブライアン・ネイションによってセレクトされました。
カラー:淡い琥珀。
香り:華やかで、スモーキーさを全く感じない。
味わい:なめらかで軽やかな飲み口。
深い熟成を感じる。
ブッシュミルズ蒸留所
1608年創業と言われ、現存する最古のアイリッシュウイスキー蒸留所です。
アイルランドのアントリム州にあります。
なんといってもこちらの蒸留所の製品は、フレッシュでフルーティ、というのが特長です。
それは大麦麦芽だけを原材料に、3回蒸留という技法を守って造られているからに他なりません。
日本・スコットランド以外で造られている唯一のモルトウイスキーです。
現在の蒸留所は2009年に改装され、生産過程に最新の技術が用いられています。
こちらもアイリッシュの特徴である、安定品質・大量生産を重視しています。
ブッシュミルズ
自然乾燥させた大麦麦芽だけを使用して造られています。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜた、ブレンディッドウイスキーですが、モルト率50パーセントとかなり高め。
そのためスコッチのような強いスモーキーさはなく、クリーンでピュアなのど越しです。
刺々しさはなく、穏やかな香りで、こちらもウイスキー初心者や女性におすすめ。
水やソーダで割って、みんなでワイワイ飲むのもいいですね。
カラー:鮮やかな黄金。
香り:バーボン樽由来の心地よいバニラ・キャラメル。
味わい:ハチミツ・バニラのまろやかでリッチな味わい。
ブッシュミルズブラックブッシュ
シェリー樽とバーボン樽で最長7年熟成されたモルト原酒を70パーセント以上使用した、ブレンディッドウイスキーです。
シェリー樽特有の甘い香りが特徴です。
カラー:深い琥珀。
香り:フルーツ、スパイス。
味わい:熟したベリーのよう。
ナッツの風味もまろやかに広がるリッチな味わい。
クーリー蒸留所
アイルランドのラウス州にある蒸留所です。
元アルコール工場があった場所に、1987年、アイリッシュウイスキーの再興を事業コンセプトに設立されました。
ウイスキー製造を始めたのは1989年ということですから、かなり新しい蒸留所ですね。
しかし、こちらの蒸留所は、すでに酒類コンテストで多数の受賞を果たしています。
それは「アイリッシュウイスキーの革命児」とも呼ばれるほどの、チャレンジ精神とあくなき探求によるものです。
伝統的な3回蒸留ではなく、蒸留は2回。
アイリッシュでは使われていないピートを使用。
伝統にこだわらずに、これまでとはちがうアイリッシュウイスキーを造り続けています。
これからも目が離せない蒸留所です。
カマネラ
4年、6年、8年のシングルモルトウイスキー原酒をブレンドしています。
こちらはアイリッシュウイスキーには珍しく、ピート香の強い、スコッチタイプのシングルモルトウイスキーです。
「カマネラ」という名は、アイルランド北西の街、ゴールウエイのそばにある地域の名前です。
現在では国立公園があります。
ここはかつて、ピートの採掘場所でもあったそうです。
まだピートを使用して造られていた、昔のアイリッシュウイスキーを懐かしんで、この名がつけられました。
アイルランドの大地を思わせる、グリーンの素敵なボトルです。
カラー:かすかなグリーンを帯びたゴールド。
香り:ピート由来によるスモーキーさ。
フルーツの芳香。
味わい:バニラ・ハチミツ・チョコレート。
カマネラ12年
12年の熟成により、さらにピーティさが深まったウイスキーです。
深い味わいは、ロックで頂くのがおすすめです。
カラー:緑を帯びたゴールド。
香り:スモーキーでかすかに樽の香り。
味わい:アーモンド、バニラ、甘いクッキーの複雑なハーモニー。
スパイシーさもある。
キルベガン蒸留所
アイルランドウエストミース州の蒸留所です。
1757年創業のブルスナ蒸留所を起源としています。
1989年にはクーリー蒸留所に買収され、博物館となっていました。
しかし、2007年に創業250年を記念して、蒸留が再開されるようになりました。
2014年からこちらの蒸留所で造られた製品が販売されています。
キルベガン
蒸留所の名を冠したウイスキーです。
ポットスティル製法で造られています。
ライトな風味で、アイリッシュらしい飲みやすいウイスキーです。
カラー:琥珀色。
香り:華やかでフルーティ。
味わい:すっきり。
まとめ
スコットランドとは近いのに、風味や特徴が随分違うのに驚きますね。
軽くスムースな飲み口のものが多いので、炭酸割りなどでさわやかに頂くのがおすすめです。
アイリッシュウイスキーが見直され始めたのは、アイリッシュコーヒーの流行があったからとも言われます。
コーヒーと一緒、というのもまさにアイリッシュならではの頂き方。
是非、トライしてみて下さいね。