アメリカのリカーショップでバーボンに出会って私のアメリカウイスキーへのこだわりが生まれてきた
私がバーボンに初めて出会ったのはもう20年も前になります。
当時設計技師として機械製造メーカーへ勤務していた私はアメリカへ3か月滞在の出張へ行くことになりました。
現地のサービス拠点でアメリカへ輸出している機械のアフターサービスの現地での技術支援のためです。
アメリカ滞在中はアパートが用意されていてそこから20分ほどかけて会社へ通勤していたのです。
もちろん単身赴任となるので食事は自炊と言うことになります。
その生活の中で知ったのが会社の帰りにビールを買おうと立寄ったリカーショップで見つけたバーボンでした。
その時初めて買ったのがジャックダニエルという銘柄のバーボンで、ここから私とバーボンとの付き合いが始まったわけです。
目次
バーボンとの出会いについて
バーボンと私の出会いについては導入部で紹介させてもらた通りですが、最初の出会いでは飲みたくてたまらなくてかったものではなかったのです。
アメリカで会社帰りにビールを会に立ち寄ったリカーショップで店頭に無造作に置かれていたラベルが気に入って買ったものです。
以前はウイスキーといったらトリスやニッカそれとスコッチウイスキーしか飲んだことがありませんでしたので、黒ラベルのジャックダニエルのデザインを見てスコッチ等に見られない野暮ったさが、すっかり気に入ってしまったというわけです。
後で分かったことですが、ジャックダニエルはテネシーウイスキーというそうですが製法などからしてバーボンウイスキーにも分類されると言うことで今回取り上げました。
バーボンについて
バーボンの正式な名称はバーボンウイスキーですが、一般的には略してバーボンと呼ばれています。
アメリカの法律ではバーボンが法律的に定義されていますが、日本の法律にはバーボンの定義はなくウイスキーの分類に入るそうです。
このようなバーボンにはどんな歴史があるのか、またどんな基準でバーボンとして認められるのかなどについてご紹介しましょう。
バーボンの歴史について
バーボンと出会った時にはバーボン自体にどんな歴史があるのか全く分かっていませんでした。
ただ何となくデザインの野暮ったさが気に入ったこととアメリカでの生活していく中でどんなものかという興味本位で買ったものでした。
バーボンの名前の由来は古く独立戦争にまで遡るようです。
独立戦争ではフランスがアメリカの味方をして勝利を得ることができたことに感謝をして、後の大統領となったトーマス・ジェファーソンがケンタッキー州の郡のひとつをフランスの「ブルボン王朝」の名前にちなんでブルボン郡と名付けたそうです。
それが同地方で作られるウイスキーの名前となって定着していったものだそうです。
バーボンの定義について
アメリカでは法律によってその定義が定められており、次にその定義をあげてみました。
まず、原材料にトウモロコシ・ライ麦・大麦・小麦が51%以上使われていること。
これを連続蒸留機でアルコール度数が80%以下の蒸留酒とすること。
さらにその蒸留酒に水を加えてアルコール度数を62.5%にしたものを、内部を火で焼き焦がしたホワイトオークの樽に入れて熟成させていること。
瓶詰の時はアルコール度数40%以下であるアメリカ合衆国産のウイスキーであること。
このような条件を持ったものだけがアメリカではバーボンと認められているようです。
バーボンの飲み口について
原材料にトウモロコシ・ライ麦・大麦・小麦と穀物の幅が広く、その味わいも多様になります。
ライ麦のウイスキーはスパーシーな香りとなり、トウモロコシが多く使われているコーンウイスキーでは甘い香りが特徴となっています。
熟成年数が若い原酒がメインで使われているため、味わいとしては軽いものの、それが却って荒々しく力強いアルコールが感じさせられます。
熟成は大抵オーク樽によって行われるためバニラのような甘い香りが付くことも特徴といえるでしょう。
私がジャックダニエルを初めて飲んだ時の感想は、まず今まで飲んできたウイスキーと比べて大味な感じでした。
これまで飲みなれたトリスやニッカそれにスコッチの繊細な飲み口とは違った味だということでした。
ジャックダニエルについて
アメリカのリカーショップで偶然にジャックダニエルと出会ったことでバーボンへの興味がしだいに湧いてきました。
私の初めて買ったブラックラベルのものはアメリカでは安い部類のバーボンだったのでしょう。
その当時は全くといっていいほどバーボンの知識がなかったのでジャックダニエル自体がどんな位置にあるのかさえも分かりませんでした。
ジャックダニエルの歴史について
ここでジャックダニエルの歴史について調べてみましょう。
「ジャックダニエル」は、1886年にアメリカ合衆国政府に最初に登録された蒸留所です。
設立したのは、当時青年のジャスパー・ニュートン”通称ジャック”ダニエル、その名前がブランド名となっているのです。
1904年、ミズーリ州のセントルイスで開催されたセントルイス万国博覧会でオールドNo.7(後のブラックラベル)を出品し、世界各国の中で唯一金賞を獲得し、知名度も上がりそこから世界的に認められるようになりました。
ジャックダニエルが通常のバーボンではなく、テネシーウイスキーと呼ばれる要素は、バーボンと呼ばれるのに必要な工程に加え、樽熟成の前にサトウカエデを燃やした木炭で1滴づつ濾過させて雑味を取り除くという独特の公邸を実施している点にあるそうです。
現在のジャックダニエルのラインナップと製法についてについて
現在世界中で販売されているジャックダニエルのラインナップとそれらの製法について紹介いたします。
まず代表的な「ジャックダニエルブラック(Old No.7)」は、伝統の製法によって生み出される、ジャックダニエルブランドすべての基本となる味です。
製法は穀物を粉砕し、マッシュタンという槽の中で糖化させ、桶で発酵。
そして丸みを帯びた縦長・筒状のポットスチルで蒸留させ、樽熟成を経て完成となります。
しかしジャックダニエルがほかのウイスキーと大きく違っているのは蒸留から熟成の間の濾過「チャコール・メローイング」がされることです。
この「チャコール・メローイング」製法とは、テネシーの地に豊かに生い茂るサトウカエデの中から特に硬いものを選び抜き、角材にしてやぐら状に組み原酒をふりかけ屋外で乾燥させます。
2~3週間後に一気に燃やして木炭にして約3メートルの巨大な槽に詰め込みウイスキーを一滴一滴ゆっくり注入し磨くことで「ジャックダニエル」独自の味わいが生み出されるのです。
さてラインナップに戻りますが、ブラックのほか「ジャックダニエルシングルバレル」これは寒暖差の最も大きい熟成庫の最上段でピークを迎えた樽のみからボトリングされるもので、樽熟成まではブラックと一緒ですが、ひとつの樽の原酒のみでつくられます。
「ジャックダニエルジェントルマンジャック」これはジャックダニエルの製法で欠かせないチャコール・メローイングを蒸留後と熟成後の2回行い、樽熟成までは同じですが、2回目のチャコール・メローイングで雑味が一層さわやかになります。
「ジャックダニエルゴールド」これも1回目の樽熟成まではブラックと一緒ですが、1回目の樽熟成後に「メイプルフィニッシュ」という2度目の樽熟成を行い、さらに2度目のチャコール・メローイングを行って手間をかけて作られているので非常にスムースな味わいが特徴です。
「ジャックダニエルテネシーハニー」これはジャックダニエルブラックに天然の蜜蜂で作られたハニーフレーバーのリキュールが加えられています。
このようにいろんな種類がラインナップされています。
ジャックダニエルといえばブラックが世界的にも圧倒的に有名ですが、銘柄により製法が異なりそれぞれが個性を持っているのが特徴です。
私も飲み比べてこれらの違いを知りたいと思いますが、皆さんにも是非おすすめしたいと思いますがいかがでしょうか。
まとめ
これまでバーボンやジャックダニエルについて述べてきましたが、スコッチや日本のウイスキーにない荒削りなバーボンの味は、アメリカ合衆国の独立を勝ち取った人たちが作り上げた最高傑作のウイスキーといえるものだと思います。
また禁酒時代の厳しい歴史をくぐって生まれたものでありバーボンを飲みながら古きアメリカの歴史に思いを馳せてみるのもまた楽しいことではありませんか。