お酒にトラウマを持っていた私を変えてくれたのがバーボンでした
私は成人するまで殆どお酒を飲んだ経験がありませんでした。
私の父はよくお酒を飲む人で、日本酒や焼酎をとても美味しそうに飲んでいました。
私もいつか父のようにお酒を飲めるようになりたいと思っていたのですが、日本酒や焼酎を少し飲ませてもらったとき正直美味しいとは思いませんでした。
むしろ私は飲めない体質なのかなと思った程です。
そんな私がバーボンと出会いバーボンを毎日飲むようになったお話をこれからしたいと思います。
私の家族
私の家族はみんなそろって晩ご飯を食べます。
そして父は必ずおかずをあてにお酒を毎晩飲んでいました。
そんな光景が当たり前で、その父の姿をみて私もいつかお酒が飲めるようになるのかなと子供ながらに思っていました。
私は食事をするテーブルの席が父の隣だった為、よくお酒を作らされていました。
コップを用意し氷を入れてお酒をついだり、冬になるとお湯割りを作ったりしていました。
その時に香ってくるお酒の匂いはとても消毒の匂いがし、私はよくこんなものが飲めるなと心の中で思っていました。
一体どんな味がするのんだろうとよく想像しながらお酒を作り手渡していました。
初めてのお酒の味
ある日、いつものように父がお酒を飲んでいたとき、父はお酒に強い為あまり酔わないのですがその日はとてもご機嫌で少し酔っぱらっていました。
そのせいもありおかわりのお酒をつくり手渡すと、父が隣にいた私にぺろっとなめてみるか?
と言いました。
普段の父はとても優しく、あまり怒らない人です。
しかし私はなぜか心の中で、お酒をちょっと飲んでみてもいいと父に言うと怒られるのではないかと思っていました。
そんなこともあってか、父からのその言葉に私はとても驚き、少し戸惑いながらもうんと答えました。
そして、ほんの少しだけぺろっとお酒をなめてみました。
お湯割りの焼酎でした。
私は頭の中で実はものすごくおいしいのだろうと思い込んでいました。
父の毎晩お酒を飲んでいる姿は本当に嬉しさが溢れていて、おいしそうに飲んでいたからです。
しかし、ほんの少ししかなめてないですが、私はうわっと声をあげて、すぐにうがいをしにいきました。
その姿をみて父は笑っていました。
消毒のようなお酒臭いにおいとともにアルコールの強烈な味を舌にした私は、よくもこんな物が飲めるなと思いました。
そして私にはお酒は飲めないと思い込んでしまったのです。
兄弟の存在
私には兄と弟が居ます。
そんなに歳は離れていません。
兄はとても寡黙で、普段あまりしゃべらない人でした。
お酒もまったくのまず、自分もお酒が飲めなくても大丈夫だとどこかで安心できていました。
しかし、私の弟は父に似たのかお酒がとても強く、父から勧められた日本酒のお湯割りも弟がぺろっと舐めると僕はおいしいと思ったよと言う程でした。
私にはその発言が考えられず、最初は父に気を使っていっているのだろうと思っていました。
しかし夏になる頃、弟は風呂上がりに父が冷やしておいた缶ビールを一杯飲むようになっていました。
当時まだ中学生でした。
その光景を目にし、私はとても複雑な気持ちになったのを覚えています。
小さなプライド
弟の酒を飲む姿を目にした私は、心の中でなんだか悔しいというかなぜ弟は飲めるのに自分は飲めないのんだという気持ちになりました。
自分より二つも年下の弟が大人の飲み物であるお酒を飲んでいるという事が、当時の私のプライドを研ぎすませていったのです。
私はとてもプライドが高い性格の為、なぜ弟だけ酒が飲めるのんだという事を直接本人に聞く事ができませんでした。
弟は本当にお酒がおいしくお酒の味を分かって自ら飲んでいました。
そして、弟が高校生になった事には父と晩酌する程になっていたのです。
私はその光景がとても複雑で、毎日作っていた父のお酒もいつしか弟が作るようになっていました。
私の心の中で、お酒という物が何か大きなトラウマのようなものへと変わっていっていたタイミングでした。
そしてそのプライドは日に日に高まり、私はお酒とそして弟からも完全に距離を置くようになってしまったのです。
初めての一人暮らし
私は高校を卒業し、地元を出て一人暮らしを始めました。
とても自由な生活をしながら自分のやりたい事に精を出し、見知らぬ土地で新しい仲間もできました。
そんなとき、友人とご飯に行く事になり居酒屋に誘われました。
そこで私は自分のプライドの高さ故に、自分もお酒を飲めると友人に嘘をつき焼酎のお湯割りを頼んだのです。
友人はとてもおいしそうにのんでいました。
私と同い年の友人です。
それなのに私は、結局一口しか飲めませんでした。
とても情けなく虚しい気持ちになったのを覚えています。
それからと言うもの、食事に誘われても居酒屋をさけるようになり成人してからも殆どお酒を飲む機会を作りませんでした。
食生活の乱れ
一人暮らしを初めて半月ほど立ったとき、私は食生活が乱れているなと感じていました。
自炊の経験が全くなかった私は、家で料理をするということを一回もしませんでした。
毎晩コンビニ弁当か外食で済ませることが殆どでした。
しかし、毎日同じ物を食べているたべてると飽きてしまい、そしてもっとちゃんとしたものを食べないと体を壊してしまうと思い近くにあったスーパーに初めて言ってみたのです。
バーボンとの出会い
スーパーへ行き、食べ物を色々みてみると何か作ってみたいなという気持ちになりました。
しかし作り方も分からず、作る道具すらありません。
肉一つ見ても値段が高く、これを調理して作るぐらいだったらコンビニの方が安く済むし簡単だと思ってしまいました。
そして帰ろうとした時、ふとお酒のコーナーが目に入りました。
私はふらっとよって見ると、沢山の見た事もないお酒が並んでいました。
私は父の飲んでいたお酒しか知らなかったため、世の中にはこんなに沢山の種類のお酒があるのかととても驚きました。
そして色々眺めていると、あるお酒に目が止まりました。
それはバーボンウイスキーです。
その時はこれがなんのお酒か全く分からず後で知った事なのですが、所見で見た時、そのラベルやボトルがとてもかっこ良く見え一瞬で惚れ込んでしまいました。
父が飲んでいた紙パックの酒とは雲泥の差に思え、こんなオシャレなお酒があるのかととても私の印象に残りました。
自宅に帰り、お酒を調べてみるとアメリカで作られているバーボンと言う酒だと言うことを知りました。
調べれば調べる程かっこ良いという言葉しか出でこず、お酒から完全に距離を置いていた私があのお酒を飲んでみたいと思いました。
初めて飲むバーボン、その味に衝撃を受ける
私はその欲望を抑えきれず数日後スーパーへ行き、気になっていたバーボンを購入しました。
家にもって帰り、テーブルの上に置くととてもかっこよく見えいつものテーブルとはまったく違う雰囲気を放っていました。
私はその光景を見ているだけでなんだかとても満足してその余韻にしばし浸っていました。
そしてその日の夜、私はバーボンの飲み方を前日に調べておいたので炭酸水と割ってハイボールにして飲んでみました。
お酒は本当に久しぶりに飲みました。
見た目はとてもかっこよくオシャレだけど、やっぱりおいしくないのかな、自分には飲めないのかなと内心思っていました。
しかし、一口飲んでみると本当に衝撃が走りました。
初めて、うまい、と感じたのです。
私はなんだかとてもうれしくなり、そのまま一杯飲み干す事ができました。
お酒に対してプライドをもち、壁をつくってトラウマまで抱えていた私が、バーボンと出会いその美味しさに気付けました。
私と同じように、お酒にトラウマがある方やお酒の味が苦手な方にはぜひバーボンはおすすめです。
本当に癖がなく、のみやすいなと感じました。
そして今までギスギスしていた心のわだかまりは、自然と溶けるようになくなっていきました。
これをきっかけに、私は毎日仕事帰りに家でバーボンを飲むようになりました。
そして、弟を家によびお酒を一緒に飲める仲になりました。
バーボンが私にお酒に美味しさをおしえてくれ、そして家族の絆を繋げてくれました。
まとめ
私はお酒が嫌いでした、自分で勝手に苦手意識をずっと抱いていました。
そして目に見えない所で変なプライドがお酒から私を遠ざけていました。
しかし、ひょんなことからバーボンと出会い、そのかっこよさに一目惚れしてしまいました。
そして一口飲んだとき、私のお酒に対する考え方は一変しました。
人生いつどんなきっかけが起こるかわかりません。
私はバーボンと出会えて、お酒を飲めるようになって本当によかったと思っています。
お酒が飲めない方や苦手意識があるかたも、私のように沢山のお酒を知る事で自分好みの一本に出会えるかもしれません。
自分のお気に入りのお酒を見つけると、人生が何倍にも楽しくなれます。
わたしにとってのその一本は、間違いなくバーボンです。