バーボンストリートでバーボンを飲もう。ニューオリンズのおすすめはここ!
ニューオリンズと言えばジャズの発祥地で、南部独特の文化が有名ですよね。
世界的な観光地でもあるニューオリンズにはバーボンストリートと呼ばれる目貫通りがあって、いつも大勢の観光客でにぎわっています。
昼間は明るく、ストリートパフォーマーたちがお客さんを楽しませている和やかな雰囲気。
そして夜は一層賑やかにナイトライフが展開しています。
そんなニューオリンズ、実はバーボンとちょっとした関わりがあるとも言われているんです。
見てみたいと思います。
バーボンストリートがあるニューオリンズってどんなところ?
ニューオリンズはアメリカ南部ルイジアナ州にあり、同州で最も大きな都市です。
ミシシッピ川の河口に位置し、メキシコ湾にも面する重要な湾岸都市で、穀物や綿花の重要な輸出港として栄えました。
「New Orleans」は英語表記ですが、もともとは「Nouvelle-Orléans」、フランス語です。
これはかつてここがフランス領ルイジアナであったため。
ルイ15世の摂政、オルレアン公フィリップ2世にちなんだ名前です。
フランスの植民地であったため、現在でもフランス、また、のちの植民地支配者であるスペインの影響が色濃く残っています。
バーボンストリートってバーボンに関係あるの?
バーボンストリートという名前を聞くと、バーボンに関する深いいきさつがあるのかと考える方もいるかもしれませんね。
しかし、バーボンという名前の由来をご存知でしょうか。
バーボンはお酒が造られた当時、そのあたりを統治していたのがフランスのブルボン王家だったからバーボンと名付けられたのですよね。
バーボンストリートもこれと同じ。
当時ルイジアナ州ニューオリンズはフランス領で、ブルボン王家の支配下だったのです。
ですから、バーボンストリートの名前は当時の統治者であるフランスブルボン王家に因んでつけられました。
まさにバーボンと同じ由来ですね。
ですから、バーボンストリートがバーボンの聖地であるとか、バーボン発祥の地であるとかそのようなことはありません。
両者ともフランス配下にあり、統治者がブルボン王家だったというだけなのです。
バーボンを愛する人はたくさん!
ただし、この界隈でもバーボンはとても愛されています。
バーボンの故郷ケンタッキー州はルイジアナから見ると北東の方角。
そこそこ離れていますが、昔からバーボンを通じてやりとりが行われていました。
現在はこのバーボンストリートに「ニューオリンズバーボン協会」(New Orleans BourbonSociety)なるものがあります。
ここで言うバーボンは本当にアルコールのバーボンのことです。
ニューオリンズでバーボンを愛する人々が集い、バーボンを肴にあれこれと語り合ったりイベントを開催したりしています。
バーボンストリートにあるバーでは多種多様なバーボンが楽しめますし、おすすめですよ。
ニューオリンズとバーボン
バーボンと他のウイスキーの大きな違いは、その製造方法ですよね。
バーボンたりえるためには、以下の条件が必要です。
●アメリカ合衆国内で製造されていること。
●原材料となるトウモロコシは51%以上使用すること。
●炭化皮膜処理された新品のオーク樽を使用すること。
●蒸留はアルコール度数80度以下で行うこと。
●樽に入れ、熟成を行う際の原酒はアルコール度数62.5%以下であること。
●製品としてボトル詰めを行う際はアルコール度数40パーセント以上であること。
これらの規定が守られていないものはバーボンと呼ぶことができません。
さらに、この中の規定でバーボンをバーボンたらしめていると言われるのが、「炭化被膜処理された新品のオーク樽を使用すること」。
これによってバーボンに独特のバニラやキャラメルのアロマが付加されるので、バーボン造りには絶対に必要です。
バーボン樽はなぜ焦げているのか
さて、それではバーボンの樽はなぜ「炭化被膜処理」、つまり焼き焦がしてあるのだと思いますか?
よく言われるのが、バーボンを初めて作ったとされるエライジャ・クレイグ牧師のちょっとした失敗からです。
クレイグ牧師の鶏小屋が火事になり、そこに置いておいたバーボン樽も焼けてしまいました。
そのため仕方なくその樽を使ってみたらとってもおいしいお酒ができた!
これがバーボンの樽を焼き焦がす理由だ、というもの。
または、当時バーボン樽に魚を入れていたので魚の臭みを消すために、樽の内部を焼き焦がしたという説。
さらには、バーボン造りに使った樽がなぜかはわからないけれどもたまたま最初から焦げていたので、そのまま使用した、という説。
どれも決め手に欠けるようで、これ!
という定説はありません。
しかし、ニューオリンズでは違う解釈がなされているのです。
バーボンがおいしいのはニューオリンズのおかげという説
ニューオリンズのバーボン協会(New Orleans BourbonSociety)によりますと、バーボン樽を焦がした始まりは今までみたものとは異なります。
1820年代、ニューオリンズはバーボン製造のメッカであったケンタッキー州からバーボンを大量に輸入していました。
(当時はバーボンとは異なりクリーンなカラーだったそうで、現在ではホワイトドッグと呼ばれています。)その量は250万ガロンといいますからなかなかの量です。
輸送にはありとあらゆる樽が使用され、汚染を防ぐためにすべての樽の内部を焼き焦がしました。
ケンタッキーからニューオリンズまで5か月の輸送期間だったそうで、腐敗にはかなり気を使いました。
あらかじめ樽を焼き焦がせば、木材の表面が炭化し、腐敗を引き起こす菌が定着しにくくなるということで、全ての樽を焼き焦がして炭化処理を行いました。
さらにこれには防虫効果もあったそうです。
アルコール度数が高いとはいえ、長期輸送ではカビや防腐対策は必須ですよね。
このような樽の中で5か月を耐え抜き、バーボンがニューオリンズに到着します。
とても素晴らしいお酒ですから、受け取ったニューオリンズの顧客はまたすぐに蒸留所にバーボンの発注を出します。
「赤いお酒をまた送ってくれ」と。
この注文に戸惑ったのは蒸留所です。
蒸留所では「赤いお酒」なんて出荷していないのですから。
出荷したお酒はクリーンで透明なはず。
のちに色々調べて、途中でバーボンは変色していたことが分かりました。
焦がした樽の中で長期輸送したため、本来とは違うものになっていたのですね。
この「赤いお酒」が評判となり、ケンタッキーでは熟成の樽を全て焼き焦がすようになったのです。
つまり、ニューオリンズまで運ぶ時に樽を焼いて使ったら美味しいバーボンができた。
今世界中で美味しいバーボンが飲めるのはニューオリンズのおかげ。
というわけですね。
ニューオリンズのバーボン協会のHPでは、次のようなことが書かれています。
「バーボンの発祥地はケンタッキーかもしれないが、現在私達が楽しんでいるバーボンのエイジング過程を生み出したのはニューオリンズである。」このような自負があるからこそ、ニューオリンズに「バーボン協会」なるものが誕生したのですね。
バーボンストリートで最高のバーボンを
ニューオリンズの人たちはバーボンが大好き。
それは先述した理由から、バーボンが自分たちの歴史にあると考える人が多いからかもしれません。
そんなニューオリンズではバーボンベースのカクテルが特に愛されています。
美味しいバーボンカクテルが飲める場所をいくつかピックアップしたいと思います。
Three Musesスリーミュゼス
バーの経営者Kimberly Patton-Braggさんは全国紙にも名前が載った、熱烈なウイスキー愛好家です。
キンバリーさんはこのバーで30種類以上のバーボンを取り揃え、質の高いサービスを提供しているのです。
特におすすめは、「the Spaghetti Western(スパゲティウエスタン)」という名の、彼女の代表的カクテルの一つです。
これはブレットのバーボンに、カンパリオレンジソーダとローズマリーを加えたもの。
鮮やかな赤が美しいさっぱりしたカクテルです。
Bourbon Houseバーボンハウス
こちらは先述の「ニューオリンズバーボン協会」を設立した、Dickie Brennan氏が経営するレストランです。
アメリカ国内でも最高のバーボン・バーの一つと言われています。
バーボンに関する様々な催しはここで行われています。
月に2回ほど無料バーボンテイスティング会も開かれるとか。
さらにバーボンなどアルコール以外にも、朝食からディナーまでありとあらゆるものが楽しめますよ。
まとめ
意外と距離のあるケンタッキーとルイジアナですが、バーボンを通じて結びつきを感じますね。
ニューオリンズはクレオール文化が独特で、アメリカ南部観光には絶対におすすめの場所です。
ケイジャン料理やフレンチクオーターの観光など、楽しみはたくさん。
加えてナイトライフの楽しみも充実しています。
本場のジャズを聴きながらバーボンカクテルを飲めたら最高でしょうね。