バーボンウイスキーと牛乳のコラボレーション、「カウボーイ」
バーボンウイスキーはアルコール度の強いお酒なので、何かで割って飲むのが一般的ですよね。
水割り、お湯割りはもはや日本の国民飲料という感じですし、少し前にはハイボール、ソーダ割りが流行したのを覚えている方もあると思います。
また、清涼感があるのでコーラ割りも好まれていますね。
このようにいろいろなカクテルになっているバーボンですが、牛乳割りという飲み方があるのをご存知でしょうか。
1.「カウボーイ」のルーツは、本場スコットランド
バーボンウイスキーを牛乳で割ったカクテルは、「カウボーイ」という愛称で知られています。
バーボンウイスキーのメッカであるケンタッキー州、テネシー州の一帯は、なるほど酪農が盛んな地域でもありますし、カウボーイたちが搾った牛乳にバーボンを注いで飲んだのがはじまり?……と想像してしまいますが、実は牛乳とウイスキーの組み合わせはもっと古く、もともとはスコットランドでよく飲まれていたものだといいます。
確かに、スコットランドも酪農が盛んな国ですね。
それが19世紀末にロンドンなどに広まり、アメリカに伝播したようです。
イギリスでは「ウイスキー・パンチ」という名称で呼ばれていました。
2.カウボーイのレシピは
カウボーイの作り方はとても簡単で、基本的にはバーボンウイスキーと牛乳をまぜるだけです。
ただ、細かいレシピを見ていくと、ウイスキーと牛乳の割合が2 : 1、1 : 1、2 : 1、また、牛乳ではなく生クリームにウイスキーをまぜる、最後に生クリームを加える、などなどレシピブックによってバリエーションがあります。
これは好みで選んでもかまいません。
お酒に強くない方、バーボンの風味を消したい方は牛乳を多くすればいいですし、こってりした口当たりが好きな方は生クリームを加えればよいでしょう。
3.どんなウイスキーが向いているのか
バーボンウイスキーは、はっきりした味や香りがある銘柄が合っているように思います。
たとえば、フォアローゼズ、ジャック・ダニエルズのように明快な甘みのあるものなどがおすすめです。
また、牛乳は無脂肪や低脂肪よりも、ある程度脂肪分があるものの方が向いていると思いました。
カウボーイは、清涼感を楽しむよりも、コクを楽しむカクテルですから、少しこってりした材料を選ぶとおいしいような気がしますね。
ただ、生クリーム100%だとさすがにバーボンが負けてしまうかもしれません。
3.「ウイスキー・パンチ」も飲んでみよう
カウボーイの原点、ウイスキー・パンチを試してみたいという方は、バーボンをスコッチウイスキーに変えれば簡単に作ることができます。
スコッチもバーボン同様、好みで選んでかまわないのですが、スコットランドの主に北部で作られる、ハイランドモルトと呼ばれるウイスキーは、華やかな香りを持っているので牛乳にも合います。
南部のローランドモルトは、牛乳で割るには少し風味がやわらかすぎるかもしれません。
あくまでも私見ですが。
これもまた個人的な意見ですが、スコットランドでも海に近い地域で作られるアイラモルトは、ヨードのような独特の香りがあって、これはちょっと牛乳向けではないように思います。
ちなみに、ブレンデッド・ウイスキーは風味にメリハリをつけるためにたいてい、アイラモルト系のウイスキーがまぜられていますから、ブレンデッド・ウイスキーもとりあえずは避けた方がいいのではないでしょうか。
4.二日酔いしづらいカクテル
カウボーイには、牛乳と合わせることで二日酔いしづらくなるというメリットがあります。
アルコールは肝臓で分解され体の外に排出されますが、スムーズに排出させるためにはアミノ酸の働きが不可欠です。
牛乳には良質のタンパク質・アミノ酸が豊富に含まれており、もちろんアルコール分解に必要なアミノ酸もしっかり入っていますから、アルコール度の高いウイスキーを牛乳と一緒に飲むのは、いわば理にかなった飲み方なのです。
まあ、お酒は嗜好品なので、おいしく飲めればそれだけで存在意義があるのですが。
まとめ
カウボーイは口当たりがソフトで飲みやすいカクテルです。
バーボンウイスキーの持っているクセの部分を牛乳がうまく打ち消してくれるので、ウイスキーに慣れない方でも抵抗なく飲めると思います。
ただ、飲みやすさにつられて飲み過ぎないようにしてください。
摂取量が多くなりすぎると、牛乳が入っていてもさすがに二日酔いになります。