ブランデーをもっと気軽に楽しもう! 元バーテンダーが教えるブランデーカクテル
ブランデーは日常にはあまり馴染みのないお酒かもしれません。
そのイメージといえば、ガウンを着たセレブがブランデーグラスを片手に回しながら膝のペルシャ猫を愛でたり、シガーを燻らせながら嗜む、といったダンディーな映画の世界を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。
ブランデーそのものを飲むことは少なくても、ブランデーをベースにしたカクテルは実はわりと多いのです。
今回はブランデーカクテルの中でも、どのバーでもオーダーできるオーソドックスなカクテルを元バーテンダーがご紹介いたします。
サイドカー
ブランデーカクテルの代表とも言えるサイドカーは、パリのハリーズバーのハリー氏が考案したと言われています。
ブランデーとオレンジの果皮から作られたコアントロー、レモンジュースというシンプルなレシピのショートカクテルです。
シンプルゆえに、甘みと酸味とベースとのバランスが非常に難しく、バーテンダーの腕が試される1杯であるとも言えます。
絶妙なバランスに仕上がったサイドカーは、ブランデーの芳醇さが増し、適度なアルコール感で心地よい気分へと誘ってくれます。
アレキサンダー
19世紀半ば、イギリス国王エドワード7世の王妃であったアレクサンドラの捧げられたカクテルで、アレクサンダーとも呼ばれます。
ブランデーとクレームドカカオ、生クリームを使用した甘口のショートカクテルです。
チョコレート風味で口当たりも滑らか、クリーミーな味わいは女性に人気があります。
デートの時に女性におすすめしたい1杯です。
ホーセズネック
その名の通り、馬の首に見立てたスパイラル状のレモンピールを大胆にあしらったカクテル。
名前の由来は、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領がこのカクテルを愛飲しながら乗馬を楽しんでいたから、とも言われています。
ブランデーをジンジャーエールで割ったこのロングカクテルは、レモンピールの香りも爽やかで、低アルコールなので日中からも楽しめる1杯です。
ハネムーン
ロマンティックなネーミングが印象的なショートカクテルです。
ブランデーの中でもりんごが原料のアップルブランデーをベースに、24種類のハーブとスパイスを使用したベネディクティンと、オレンジの果皮から作られたコアントロー、レモンジュースをシェイクして作られます。
甘酸っぱい味わいは、新婚の雰囲気そのもの。
ブランデーとハーブの絶妙な香りと大人な後味が、結婚を表しているかのような1杯です。
名前の通り、ハネムーン時や、カップルに人気があるカクテルです。
ジャックローズ
ハネムーンと同じく、りんごが原料のアップルブランデーがベースのショートカクテル。
ネーミングの由来は、アップルジャックというアメリカ産のアップルブランデーからきています。
アップルブランデーに、レモンジュースと、ざくろのシロップであるグレナデンシロップをシェイクして作られます。
その名のように、バラ色のカクテルは、酸味とほのかな甘みのバランスが絶妙で深みのある味わいです。
自家製のグレナデンシロップや、フレッシュのざくろジュースで作り上げるバーもあり、お店のこだわりも光る1杯です。
スティンガー
ニューヨークのコロニーレストランで考案されたと言われているショートカクテル。
スティンガーとは、「針」や「刺すもの」「皮肉」といった意味合いがあります。
レシピはブランデーと、ホワイトペパーミントリキュールのみ。
そのネーミング通り、結構ドライでシャープな味わい。
アルコール感も高く、大人の1杯です。
ミントの清涼感が印象的で、食後におすすめのカクテルです。
まとめ
同じブランデーを使用していても、様々な味わいに変化するのがカクテルです。
昼間から飲める爽快なものから、カップルで楽しめるもの、デザートのような甘口タイプに、アルコールが高く大人な口当たりのものまで、シーンや時間帯によってチョイスできるのもカクテルの魅力です。
芳醇で豊かな香りと奥深い味わいが特徴のブランデーを愉しむことができるのは、スマートな大人のたしなみでもあります。
ブランデーカクテルをきっかけに、もっと気軽にブランデーを味わってみてください。