元BARの店長が語る意外と知らないバーボンウイスキーの定義
皆様は、バーボンと言ったら何を思い浮かべますか?
様々あると思いますが、バーボンと思っていたウイスキー本当は、バーボンじゃないかもしれませんよ。
表記にバーボンって書いてあるからとか甘いやつだからとか、元々そう思って飲んでいたものも、実はバーボンじゃない可能性があります。
では、何がバーボンなのか見ていきましょう。
バーボンの歴史
バーボンの定義を知る前に、折角なのでバーボンの歴史も一緒に覚えてしまいましょう。
バーボンの由来
BOURBON:これは、フランスの王朝の名前「ブルボン(bourbon)」の英語読みから来ています。
それは、アメリカ独立戦争の時に、イギリスの植民地13州と同盟を結んだルイ16世が戦争に加わったのがきっかけでした。
1783年独立にする事が出来たアメリカは、フランスのブルボン王朝への感謝を込めて、英語読みのバーボンをケンタッキー州の街の名前に起用しました。
それが、ケンタッキー生まれのウイスキーの呼び方として全世界に広まりました。
バーボンウイスキーの始まり
1700年代後半、ドイツの出身の移民者がペンシルバニアでスコッチやアイリッシュウイスキーを作るノウハウでライウイスキーを作っていました。
始めは、アメリカにはこの2つの種類のウイスキーしかありませんでした。
第3代大統領トーマス・ジェファーソンが州知事だった時の頃、ケンタッキーの住民にトウモロコシ栽培をすれば土地をあげるよと政策を打ちました。
次々入植者たちがトウモロコシ栽培を始めました。
当時の農家は、農業からの収入に少しでもの足しにと考え、トウモロコシを蒸留してウイスキーを作り始めました。
これが、最初のバーボンウイスキーとなります。
一説では、エライジャ・クレイグ牧師によって始めて作られたとも言われております。
また、当時他の州では、アルコールにかなりの重税がかけられていた為、税が高くないケンタッキー州やテネシー州にバーボン業者が集まりました。
これが、ケンタッキー州とテネシー州に集中した理由ともなります。
バーボンウイスキーとコーンウイスキー
当時の入植民は、もっと甘いウイスキーを作ろうと考えコーンウイスキーを作り始めました。
しかし、コーンウイスキーとバーボンウイスキー、原料と製法が違うとされ、審議がなされました。
結果、コーンウイスキーとバーボンウイスキーは、別々の物を指す法律まで出来ました。
なので、元々バーボンウイスキーは、土地の呼び名であり、ケンタッキー州で生産されました。
バーボンウイスキーの定義
さて、ここから本題に入りましょう。
バーボンウイスキーの定義は、国によって様々ですが、ほとんどはアメリカの法律に基づいて作られています。
バーボンウイスキーは、世界の5大ウイスキーの中で、唯一、着色料の使用が禁止されています。
では、5大ウイスキーは、ご存じでしょうか。
おさらいです。
- スコッチウイスキー(モルトグレーン)
- アイリッシュウイスキー(ピュアポットスチル)
- アメリカンウイスキー(バーボンテネシーライ)
- カナディアンウイスキー(ライ系)
- ジャパニーズウイスキー(モルトグレーン)
アメリカ国内でのバーボンの定義
- アメリカ国内で製造されていること。
- 原材料のトウモロコシの含有量が51%以上であること。
- 新品のオーク樽を炭化被膜処理(樽を炭化させる事)
- 80%以下の度数で蒸留されていること。
- 熟成の為に樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下であること。
- 製品として瓶詰する場合のアルコール度数は40%以上であること。
以上がバーボンウイスキーの定義です。
こう見ると事細かに書かれていて何の事か分かりませんよね。
でも、大丈夫です。
今お持ちの、ウイスキーの製造方法を調べればこのようなことが出てきます。
こちらは、法律で定められているので、仮にケンタッキー州やテネシー州で作られていても上記が満たされていないウイスキーは、バーボンウイスキーになれないのです。
製造方法
バーボンウイスキーの製造方法を分かりやすく解説していきます。
原料
メインの原料51%以上のトウモロコシ、法律に基づいた通りですね。
②原材料のトウモロコシの含有量が51%以上であること。
更に、ライ麦・小麦・大麦これらを麦芽のデンプンを用いて糖化(甘みを引き出す)させるのです。
バーボンの甘みの原点は、ここにあったんですね。
そこに、更に酵母を加えてアルコール発酵させます。
熟成
連続式蒸留機(衛生的によくないものを除去し、アルコールの元を精製)で、アルコール度数を80%以下にするために蒸留をしたのちに出来上がるのがバーボンンの原酒となります。
④80%以下の度数で蒸留されていること。
この地点では、バーボン独特の琥珀色は、しておりません。
無色透明なのです。
驚きですよね。
では、着色量を使っているのかというとそうでは、ありません。
続きを見ていきましょう。
熟成
アルコール度数62.5%以下に加水して調整をしたのち樽に入れます。
これも、法律どおりですね。
⑤熟成の為に樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下であること。
樽は、新品のホワイトオーク製の炭化被膜処理した樽に詰め熟成を行います。
③新品のオーク樽を炭化被膜処理ここで熟成を行うことによって、成分がニューポッド(未熟なモルトウイスキー)に変わります。
更にニューポッドの一部は、大気中に揮発するので、この間にバーボンは作られます。
貯蔵期間
バーボンに関しては、特に決まりは、ありませんがピュアウイスキーであることを示すために4年半未満の場合は、ラベルに熟成期間を表示しなければなりません。
実際にラベルを見てみるとついていたりするので、是非探してみてください。
バーボンウイスキーの種類
バーボンウイスキーといってもその中でも、種類はあります。
- バーボンを2年以上熟成させたのが:ストレートバーボン
- 樽と樽をブレンドしないで、少量を瓶に詰めたものを:シングルバレルバーボン
- さらに色々な樽をブレンドさせたものは:スモールバッチバーボン
以上の3つに分類されます。
元BARの店長のおすすめバーボンウイスキー
これであなたも本物のバーボンを飲める事間違いなし。
- ベイゼルヘイデン:バーボンの癖が程よく調整されていて、どんな飲み方にも合うウイスキーです。
- ノブクリークシングルバレル:ナッツやバニラの風味にフルーティさが加わり絶妙なバランスで味わえます
- ブラントン:こちらは、上記と違いコクがあり味わい深いウイスキーです。
ロックで味わうのがとてもいいです。
- ブッカーズ:こちらは、フルーティな味わいにほろ苦さを感じられるバーボン好きの方には、たまりません。
- ウッドフォードリザーブ:こちらは、ケンタッキー州最古の蒸留所が作る、スーパープレミアムスモールバッチバーボンです。
少量しか作られない為とても貴重となっております。
- I.W.HARPER 12年:12年熟成とうのは、バーボンではかなり長期の熟成期間で、独特の味わいとコクと柔らかさがありほんのりと甘みが絶妙です。
そして、ボトルが高級な香水のようなボトルなのですべてにこだわり抜いた逸品です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
バーボン一つ取ってもこんなにも、歴史やこだわりがあります。
最近では、またバーボンブームが来ております。
バーボンを取り扱うお店も増えてくるので、是非お近くのBARでバーボンを心置きなく楽しんでいただければと思います。
また、ご自分でご購入される際には、是非下調べをして頂き、必ず表記にトウモロコシの含有量が記載されているので、確認してからご購入ください。