アメリカをホームに持つバーボン
酒類の中でもウイスキーファンは多く、その産地も世界中にあります。
世界のウイスキーをリードする5大産地の一つ、アメリカではテネシー・ウイスキーとバーボン・ウイスキーが有名です。
バーボンは最近では人気再燃の兆しを見せ、日本でも目にする機会がさらに増えてきました。
ジム・ビームやメーカーズマークで有名なバーボンとは、どんな特徴を持ったお酒なのでしょうか。
目次
バーボンはウイスキーなのでしょうか
バーボンはウイスキーの一種です。
しかしアメリカで作られたものなら何でもバーボンになるのかというと、そうではありません。
アメリカン・ウイスキーとは穀物が原料とされ、アルコール度が95%未満のものに限られます。
さらにオーク樽で熟成・およびスピリッツをブレンドし、アルコール度数40%以上でボトリングされたものを言います。
その中でもバーボンと呼ばれるのは穀物を51%以上80%未満使用していて、ホワイトオーク樽を使用したものです。
さらに2年以上熟成させたものはストレート・バーボン、ブレンドなしで少量をボトル詰めしたものはシングル・バレル・バーボン、5~10種の樽をブレンドしたものはスモール・バッチ・バーボンと呼ばれ、区別されています。
以外に厳しい規定があるのですが、本場の蒸留所はプライドをもってこの製法を伝承しています。
実は健康に良い飲み物?
実はお酒の中でもウイスキー類は美容効果もあるということをご存じでしょうか。
アルコール度高めのため、「悪酔いしやすい」と女性には敬遠されがちなお酒ですが、そんなことはありません。
ウイスキー類は糖分も控えめで、通風を引き起こすと言われるプリン体もほとんどありません。
プリン体はビールの1/530しか入っておらず、ウイスキーは尿酸を排出する効果もあるので、実は健康にも良いのです。
さらにメラニンを抑制する働きもあるため、美白も期待できます。
樽熟成のため、お酒の中にはポリフェノールも含まれていて、リラックス効果もあるのです。
バーボンはウイスキーの中でもさらにハードなイメージですが、女性が気軽に飲むにはやはりカクテルがおすすめです。
おしゃれなカクテルならば気負わず頂けます。
カクテルにはこんな名前も…
バーボンベースのカクテルで有名なのはやはり「マンハッタン」ではないでしょうか。
バーボンをベースにスイートベルモットを加えたこのカクテルは「カクテルの女王」と呼ばれています。
そのほかにも「サザンベル」などスタンダードなものはありますが、バーボンベースのカクテルには「ケンタッキー」と名の付くものが目につきます。
「ケンタッキー」、「ケンタッキー・スプラッシュ」、「ケンタッキー・カーネル」などです。
ケンタッキーという名がなぜバーボンカクテルに多く使われているのでしょうか。
バーボン・キャピタル
バーボンの故郷ともいえるのが、アメリカ・ケンタッキー州です。
アメリカ独立戦争の時に、フランスのブルボン王朝がイギリスからの独立を願うアメリカを助けました。
これに感謝して、後のアメリカ大統領・トマス・ジェファーソンがケンタッキー州の一郡をバーボンカウンティと名付けたのです。
そしてこの地域で作られたウイスキーはバーボン・ウイスキーと呼ばれるようになりました。
現在も、世界中のバーボンの69%はこの地域で作られています。
「世界のバーボン・キャピタル」と呼ばれるのはこのためです。
この地域にはバーボンの有名蒸留所が数多くあります。
日本でもなじみ深いジム・ビーム
2014年に、日本企業サントリーが買収し、お茶の間のCMでも良く見るようになったのがジム・ビームです。
ジム・ビーム一族は7世代にわたってケンタッキー州でバーボンを醸造してきました。
全世界120カ国で親しまれ、バーボンを知る人なら必ず試したことのあるメーカーです。
なめらかな口当たりで、バニラやキャメルの香ばしさが感じられます。
後口も良く、調和のとれた味わいです。
世界で認められる最高品質・メーカーズマーク
一般的なバーボンとは異なり、ライム麦を主な原料としてバーボンを醸造しているのがメーカーズマークです。
1959年に蒸留所を作り、ケンタッキーの有名バーボン蒸留所として名をあげました。
「最高の原料を使い、人の手で生産する」をポリシーとし、高品質のものを少量生産しています。
ボトルには赤い蝋封がなされ、さらなるプレミアム感を高めています。
ふくよかでなめらかな口当たり、ハチミツとバニラの繊細な味わいです。
故郷ケンタッキーでバーボン文化に触れる
バーボンはケンタッキー州において重要な存在です。
数ある蒸留所一つ一つに歴史があり、魅力があります。
ケンタッキーで蒸留所を巡れば、バーボンがどれほど人々の生活に欠かせないものだったのか知ることが出来るでしょう。
観光地に観光ツアーがあるように、ケンタッキーには蒸留所を巡る「ケンタッキー・バーボン・トレイル」というツアーがあります。
バーボンに興味を持たれたら、本場の蒸留所の空気を味わってみてはいかがでしょうか。
ケンタッキー・バーボン・トレイルとは
ケンタッキー州レキシントン、バーズタウン付近にある9つの有名蒸留所を巡るツアーです。
ツアーと言ってもどこの蒸留所から始めても良く、9つすべて回ってスタンプを集めれば、ツアー特製の限定オリジナルTシャツがもらえます。
蒸留所によっては距離が離れていることもあるので、マップで位置を確認し、効率よく回る必要があります。
予約はいりませんが、10人以上の場合は必要です。
さらに、一つの蒸留所の見学に1~2時間はかかると見た方が良いです。
バーボン・トレイルのHPでは、全ての蒸留所を楽しくゆったりと回るなら3日はかけてほしいと述べています。
このツアーには前述のジム・ビームやメーカーズマークの他、フォアローゼス、ワイルドターキーなど、バーボンを語る上で欠かせない蒸留所がすべて含まれています。
試飲や現地購入もできるので、バーボン好きなら参加して損はありません。
世界最大のバーボンのお祭り
個々の蒸留所ツアーも大人気ですが、一年に一度バーズタウンで行われる「バーボンフェスティバル」はよりお祭り色も強く、大人気のイベントです。
バーボンを愛する人が世界中から押し寄せ、毎年5万人以上の人で賑わいます。
このフェスティバルは1週間も続き、地域全ての蒸留所が参加します。
それぞれに試飲して歩けば、以外なお気に入りが発見できるかもしれません。
また、日替わりで楽しいイベントが40種類以上も行われます。
有名シェフの作る料理に舌鼓を打ちながらバーボンを頂くことが出来る他、バーボンの歴史を学ぶ講座も開かれます。
さらにファミリーイベントという特色が強く、子供達も楽しめるような遊具のブースもあります。
色とりどりの熱気球が空に浮かんでいくのを見れば、子供は大喜びでしょう。
また、子供と共にディーゼル機関車にのって2時間のプチ旅行をすることもできます。
社内では強盗が現れ、寄付金を募るというイベントも起こりますので、子供達はドキドキすること間違いなしです。
フェスティバルのハイライトにはバーボンの樽を転がして時間と正確さを競う世界バーボン樽リレー選手権が行われます。
このシーズンには付近の街でも様々な催しが開かれ、地域の人のフェスティバルへの情熱が感じられます。
ケンタッキーの人々は今なおバーボンを深く愛し、バーボンの首都であることに強い誇りを持っているのです。
まとめ
ウイスキーの中でもバーボンは特に地域制の強いお酒です。
味も製法も独自のものを守り続け、有名どころの蒸留所は一族代々で経営しています。
ただおいしくバーボンを頂くのもいいですが、アメリカの中でもケンタッキーという一つの地域で深く愛され、製造され続けているお酒だと認識すれば、より深くバーボンを味わう事ができるのではないでしょうか。