ケンタッキー最古の蒸留所・ウッドフォードからおすすめバーボン!
バーボンと言えばケンタッキーですが、数ある蒸留所の中でも最も古い歴史をもつものの一つが、ウッドフォード蒸留所です。
ケンタッキー産でなければバーボンにあらず、というファンも多いバーボン業界ですから、ケンタッキー最古の蒸留所ともなればその格は必然的に高くなります。
なんといってもこちらの蒸留所、アメリカ合衆国国家歴史登録財およびアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されています。
つまり、本国からのお墨付きをもった、バーボンの歴史を語る上でも重要な建物なのです。
ウッドフォード蒸留所のおすすめバーボンを見てみたいと思います!
目次
ウッドフォード蒸留所の歴史って?
前身は1812年設立のオスカー・オールド・ペッパー蒸留所。
その後、ブラウン・フォーマン社の買収と売却をへて、1994年にバーボンの製造が再開されました。
バーボンの製造工程において、最も特徴的と言われるのがサワ―マッシュと呼ばれる製法です。
これは発酵を行う際に、少量の酵母とモロミ蒸留残液を全体の約30パーセント加えるやり方です。
こうすることによって発酵がゆっくりと進み、香り高い発酵液が造られるのです。
大多数のバーボンに用いられている製法ですが、この製法を編み出したのが、ウッドフォード蒸留所の前身、オスカー・オールド・ペッパー・蒸留所で働いていたジェイムズ・C・クロウでした。
彼は化学者であり、彼の編み出したこの製法によってリカーの品質改善と品質安定が実現できるようになったのです。
そんな歴史を持つ蒸留所が現在の名前になったのは2003年からです。
途中ラブロー&グラハム蒸溜所という名前を経て、現在のウッドフォードという名前が付けられました。
バーボンの製法を今に伝えるウッドフォード蒸留所は、バーボン史を語る上で、決して欠くことのできない存在なのです。
ケンタッキーダービーとバーボン!
ケンタッキーと言えばバーボンで有名ですが、もう一つ上げるなら、ダービーですよね。
毎年5月最初の土曜日には、アメリカ最高の競馬レースと言われるケンタッキーダービーが行われます。
ケンタッキーダービーはアメリカ競馬レース最大のイベントでもあり、レースの2週間前から「ケンタッキー・ダービー・フェスティバル」が行われるほどです。
このダービーでは昔から、出走馬の本馬場入場の際には、マーチングバンドの演奏で「MYOLDKENTUCKYHOME」を歌う習わしがあります。
この時、バーボンベースのカクテル、ミントジュレップを飲みます。
これも大切な習慣なのですね。
ミントジュレップに使われるバーボンを提供しているのが、ウッドフォード蒸留所です。
蒸留所の造るウッドフォードリザーブは、ケンタッキーダービー唯一のオフィシャルバーボンなのです。
それ故に、ダービーに合わせて発表されるダービーボトルは大注目です。
毎年アートワークを変えて発表されるボトルは、コレクターならずとも欲しくなる逸品。
希少価値も高く、バーボンファン垂涎の的となっています。
ケンタッキーダービーでは、このウッドフォードリザーブを使ったカクテルが大勢の観客に振舞われ、ダービーを盛り上げています。
有名なのはやはりミントジュレップですが、その他にもオールドファッションドなどのカクテルも見られます。
簡単なので、レシピをご紹介したいと思います。
ミントジュレップ
南部では様々な折に飲まれます。
とても伝統的なカクテルです。
飲みなれない方は、ソーダの量を多めにすることをおすすめします。
材料:ウッドフォードリザーブ90ml
ミントシロップ20ml
ミントの葉1枚
1グラスにミントとシロップを入れ、つぶす
2ウッドフォードリザーブを加え、クラッシュアイスを入れる
3ソーダを入れてかき混ぜ、ミントの葉を飾る
オールドファッションド
名まえの通り由来は古く、1880年ごろに作られたというカクテルです。
フルーツや砂糖をつぶして加えることによって味の変化を楽しむカクテルなので、多彩な味をもつウッドフォードリザーブにはピッタリのカクテルと言えますね。
世界中のバーで人気があります。
材料:ウッドフォードリザーブ45ml
角砂糖1個
アンゴスチュラ・ビターズ(カクテルの苦み付け)少々
ソーダティースプーン1杯
チェリー、オレンジ、レモン、ライムスライス
1グラスに角砂糖を入れ、アンゴスチュラ、ビターズを入れる
2ソーダを加え、角砂糖を砕く
3氷を入れ、ウッドフォードリザーブを入れてかき混ぜる
4飾りにチェリー、オレンジ、レモン、ライムスライスを添える
こちらはコーヒーを加えたり、ハチミツを加えたりするなど、アレンジも多彩。
ウッドフォードリザーブのおいしさを、色々試していただけるので、おすすめです。
ウッドフォード蒸留所のおすすめバーボン!
バーボンを超えるバーボンを目指す、と断言しているのはマスター・ディスティラーのクリス・モリス氏です。
古い歴史と伝統を持つウッドフォード蒸留所が今目指しているのはどんなバーボンなのでしょうか?
いくつか見てみたいと思います。
ウッドフォードリザーブマスターズコレクション1838ホワイトコーン
ウッドフォードリザーブマスターズコレクションの10年目のコレクションです。
サワ―マッシュ製法を編み出した、かつてのマスター・ディスティラー、ジェームス・C・クロウからインスピレーションを得ています。
こちらは従来使われる黄色いトウモロコシではなく、白いトウモロコシを使用しています。
そのため口当たりは軽く、シャープになりました。
飲みやすく、あらゆる人におすすめできますよ。
カラー:明るい黄金のハチミツ色。
香り:モルトのソフトで香ばしい香り。
リンゴのフルーティさもあり、かすかにバニラや砂糖の甘さも感じる。
味わい:レモンカスタードやショートブレッド。
かすかにホワイトペッパーが残る。
甘く、バターの芳醇さが長く続く。
ウッドフォードリザーブ
蒸留所の名前のついた、フラッグシップモデルです。
1812年に初めてケンタッキーで造られたクラフト・バーボン。
その伝統を今に伝える、まさにケンタッキー・ストレート・バーボンと呼ぶにふさわしい逸品です。
1999年から、様々な鑑評会で20以上ものメダルを獲得しています。
カラー:クリアではっきりした琥珀。
香り:ココアをまぶしたオレンジやわずかなミントを感じる。
ドライフルーツの濃厚な香り。
バニラやシガーもかすかにのぞく。
味わい:リッチで濃厚、まったりとした舌ざわり。
トフィー、キャラメル、チョコレートとシナモンがまろやかに広がる。
シトラスも複雑に混ざる。
ウッドフォードリザーブダブルオーク
熟成が済んだウッドフォードリザーブをさらに2つ目の樽で寝かせました。
ウッドフォードリザーブの樽は世界一トーストが深いということで有名ですが、ダブルオークはそれよりも4倍長い時間トーストしたものを使用しています。
この樽で1年間寝かせることで、特別なバーボンが生まれます。
自然の木の味わいが加わっただけで、深く濃厚なアロマが沸き立つのです。
カラー:深い琥珀。
香り:トーストしたオークが深く豊かに香る。
ダークフルーツ、キャラメル、チョコレート、ハチミツなど、甘くまろやかな香り。
味わい:フルーツとスパイスの複雑なミックス。
バニラ、ダークキャラメルが濃厚に広がる。
まとめ
古い歴史を誇るウッドフォード蒸留所ですが、伝統を守りつつ新しい製品を世に生み出そうと、生産者たちのチャレンジは続いています。
オリジナルのウッドフォードリザーブをさらに進化させたダブルオークはまさにその象徴とも言えますね。
バーボン人気が高まり、他との差別化が蒸留所の課題となっています。
伝統の上からどんなバーボンが生まれてくるのか、これからもウッドフォード蒸留所のバーボンは要チェックと言えますね。