バーボンの究極シンプルレシピ!!「ミントジュレップ」
バーボンウイスキーを使ったカクテルのなかに「ミントジュレップ」があります。
まろやかなバーボンに対して清涼感と苦味のあるミントという、やや意外な組み合わせにも感じられますが、アメリカで18世紀ごろに誕生し、古くから親しまれてきたシンプルなカクテルです。
ここでは、そんなミントジュレップについてお伝えしていきます。
カクテルなのに、バーボンだけ!!
ミントジュレップの作り方は、好きなグラスにミントの葉を4~5枚入れ、砂糖をティースプーン2杯、水少々を加えてマドラーでミントの葉をつぶしながら、砂糖を溶かします。
そこへ砕いた氷をたくさん詰めてバーボンを60ml注ぎます。
さらに氷をプラスしてミントの葉やお好みのトッピングを加えたらできあがりです。
たったこれだけ。
飲み物に至ってはバーボン以外に何も使っていません。
シンプルで、とても簡単。
あれこれ買いこまずにサッと作れるのでおすすめです。
材料の分量やトッピングを変えた自分だけのミントジュレップレシピを持っている人もたくさんいます。
香りのする飲み物
「ジュレップ」って、一体なんでしょう?調味料で見かける、ゆるいゼリー状の「ジュレ」を思い浮かべてしまいそうですが、「ジュレップ」の語源になったといわれる「グルアーブ」はペルシャ語で、ローズウォーターとかバラの花精水のことを言います。
アロマや香水などに使う精油を作る際、バラの花を水蒸気蒸留したあとに残った水分にバラの成分や香りが残っていて、それが主に飲みものの香り付けや化粧水として使われていました。
このグルアーブがアラブ系の人々にも広まり、15世紀ごろには香りつきの飲み物の総称として「ジュラブ」と呼ばれるようになったのです。
18世紀になるとジュラブが訛って「ジュレップ」となり、アメリカ南部では朝の習慣として、砂糖を加えた水にお酒を混ぜたドリンクを飲むようになりました。
これがジュレップのはじまりといわれています。
ミントジュレップの誕生
1797年ごろアメリカを旅する人々に対して振舞われたドリンクとして、ミントジュレップの記録が残っています。
それから1800年代に入ると氷をたくさん使うためか、ミントジュレップが富裕層の間で広まり、ライウイスキーを使って作られていました。
バーボンウイスキーは誕生していましたが、このときまだ世に出ておらず、バーボンでミントジュレップを作るようになったのは南北戦争時代になってからでした。
”ストレート”とミントジュレップ
ウイスキーを飲むとき、当たり前に使う「ストレート」という言葉。
何も足さず、そのままでいただくことをさしますが、その意味で「ストレートのバーボン」と言うようになったのは1855年ごろのケンタッキー州だといわれています。
先述したように富裕層の間ではバーボンをミントジュレップで飲むのが流行っていたため、普通にバーボンを注文するときは「ストレート(何も足さない)」と言う必要があったのだとか。
ミントジュレップあってのストレートというわけですね。
ちなみに、1970年代後半からウイスキーをストレートで飲むことを「ストレート・アップ」とも表現するようになりました。
反対にオン・ザ・ロックスのことを「オーバー・ロックス」とも表現するようになったため、ウイスキーを注文する際に「アップオアオーバー?」と店側が尋ねる習慣ができました。
まとめ
バーボンだけで作る”シンプルすぎる”カクテル、ミントジュレップ。
朝のドリンクだったと言われていますが、飾られたミントのスーッとした香りで確かに目が覚めそうですね。
日本でも西洋のハーブが受け入れられ、育てやすいことからガーデナーの人気も高く、ホームセンターなどで苗が売られているのをよく見かけます。
ミントジュレップを自分で育てた摘み立てミントで作ってみると、また一味違った楽しみが増えますね。