スコッチウイスキーの聖地、アイラ島のシングルモルトを知ろう!
スコットランドの南西部にあるアイラ島には、個性的なシングルモルトウイスキーが多数あることで知られています。
ウイスキーは製造工程の中で、ピート(泥炭)を焚いて、香り付けを行いますが、アイラ島では潮風がしみ込んだピートをたっぷりと焚きます。
そうして、個性的なウイスキーが生まれるのです。
では、どのようなシングルモルトウイスキーがあるのかご紹介しましょう。
目次
ラフロイグ(Laphroaig)
ラフロイグはアイラウイスキーの中でも、非常にクセが強いです。
強烈なフレーバーで、薬品、消毒液、ヨード臭といった表現をされることが多いです。
燻した感じが良く伝わるウイスキーで、煙たいウイスキーとも言われています。
好き嫌いがかなり分かれてしまうウイスキーですが、それだけにハマると抜け出せない人が多いです。
ラフロイグファンとして有名なのは、チャールズ皇太子です。
皇室御用達で、その証明としてラベルには「プリンス・オブ・ウェールズ」のマークが描かれています。
日本での販売元はサントリーで、流通量も非常に多いです。
日本向けのラインナップは下記のとおりです。
ラフロイグ10年(750ml/43%)
ラフロイグ・クォーターカスク(700ml/40%)
ラフロイグ・セレクトカスク(700ml/48%)
ラフロイグ10年は多くのバーに置いてますので、気軽に頼むことができます。
ボウモア(Bowmore)
ボウモアはアイラ島で最古の蒸留所で作られています。
水に浸した大麦を専用の部屋の床にまいて発芽させる、昔ながらのフロアモルティングをいまだに続けています。
そのおかげで、ほどよいスモーキーさがあります。
また、蒸留所と貯蔵庫が波打ち際にあり、潮の香りがウイスキーに染み込みます。
それでいて、樽から移ったフルーティーな味と香りを楽しむことができます。
アイラ島では唯一エリザベス2世が訪問した蒸留所であり、その時に用意した樽は今も倉庫に飾ってあります。
そういった縁もあり、2014年の空母クイーン・エリザベスの命名式では、船員の安全を祈願するために船にぶつけて割るボトルにボウモアが選ばれ、エリザベス2世により割られました。
蒸留所の所有はビームサントリーで、販売元は親会社のサントリーです。
日本向けのラインナップは下記のとおりです。
ボウモア 12年(700ml/40%)
ボウモア 15年ダーケスト(700ml/43%)
ボウモア 18年(700ml/43%)
ボウモア スモールバッチ(700ml/40%)
ラフロイグ同様手に入れやすいです。
ブルイックラディ(Bruichladdich)
爽やかな青いボトルが特徴的なブルイックラディは、アイラモルトの中で最もクセのないウイスキーです。
創業当時、燃料となる石炭を入手することができたために、ピートを焚く必要がありませんでした。
そのため、他のアイラモルトの特徴であるピート香がなく、すっきりとした軽い飲み口になっています。
製造過程で特徴的なのは、アイラの主要蒸留所で唯一ボトリングまで島内で完結させることです。
最後までアイラ島で行い、アイラ生まれであることにこだわり続けています。
販売元はレミー・コアントロー・ジャパンです。
日本向けのラインナップは下記のとおりです。
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ(700ml/46%)
ブルックラディ アイラ・バーレイ2009(700ml/50%)
ブルックラディ ブラックアート1990(700ml/49.2%)
なお、同蒸留所では、エレガントな風味のあるポートシャーロット、桁外れのピート香に挑戦したオクトモアがあります。
一般的なバーならほぼ置いてあります。
ラガヴーリン(Lagavulin)
ラガヴーリン蒸留所の背後には湖があります。
湖の湧水は地下のピート層をくぐり、茶色く色づいています。
その湧水を使ったラガヴーリンは、パワフルでヘビーなピートという強烈な個性を持っています。
それだけでなく、スモーキーさの後の余韻はエレガントな風味が長く続きます。
スコッチウイスキー「ホワイトホース」の原酒としても有名です。
ラガヴーリンは、アイラモルトの中で最も仕込みに長い時間をかけます。
蒸留には合計14時間もかけます。
また、ラインナップの中心も他のウイスキーが10年、12年が主流ですが、ラガヴーリンは16年を中心に据えています。
日本での販売元はモエ ヘネシー ディアジオです。
日本でのラインナップは一種類のみです。
ラガヴーリン16年(700ml/43%)
強烈なピートという特徴があるので、多くのバーでラインナップに加えています。
アードベッグ(Ardbeg)
アードベックは1815年創業の老舗蒸留所です。
アイラモルトで最もスモーキーなシングルモルトと言われています。
強烈なスモーキーな香りをしており、口に含むと最初は舌に痺れを感じるほどの刺激があります。
その後、重厚感のある甘みが口の中に広がります。
スコッチウイスキー「バランタイン」の原酒としても有名です。
アイラの蒸留所では唯一、蒸留器に精留器(ピューリファイアー)が取り付けられているため、スモーキーであるにもかかわらず、フルーティーな味わいが含まれています。
日本での販売元はモエ ヘネシー ディアジオです。
日本でのラインナップは下記となります。
アードベッグ 10年(700ml/46%)
アードベッグ ウーガダール(700ml/54.2%)
アードベッグ コリーヴレッカン(700ml/57.1%)
強烈なスモーキーさにファンも多く、バーで気軽に飲めます。
ブナハーブン(Bunnahabhain)
ラベルに書かれた水夫の絵が特徴的なブナハーブン。
アイラウイスキーではあまりピートを使わないので、香りも口当たりもライトなウイスキー。
スコッチウイスキー「ホワイトホース」の原酒としても使われています。
特徴がないのが特徴といったウイスキーで、アイラウイスキーのクセが苦手な人に人気が高いです。
特にアメリカでは高い売り上げを誇っています。
日本での販売元はアサヒビールです。
日本でのラインナップは下記の二つです。
ブナハーブン 12年(700ml/46.3%)
ブナハーブン 25年(700ml/46.3%)
特徴の乏しさから置いてあるバーは少ないです。
カリラ(Caol Ila)
アイラ島で最も生産量の多いシングルモルトです。
スモーキーさは控え目ですが、ドライでスパイシーな味わいです。
スコッチウイスキー「ジョニーウォーカー」など多数のウイスキーにブレンドされている原酒です。
アイラウイスキーを初めて試すにはちょうどよいウイスキーですので、アイラウイスキー入門におすすめです。
日本での販売元はモエ ヘネシー ディアジオです。
日本でのラインナップは一種類のみです。
カリラ 12年(700ml/43%)
多くのバーにおいてあるので、気軽に飲むことができます。
キルホーマン(Kilchoman)
アイラ島では124年振りにできた蒸留所で、2005年に蒸留を開始しています。
2008年から販売を開始しており、小ロットの限定販売が主流となっています。
現在販売されている主力製品・キルホーマン マキヤーベイは3年から5年熟成の原酒を混ぜ合わせたものです。
そのため、まだ熟成期間が足りず、深みは足りません。
しかし、力強いスモーキーさ、口内に広がるフルーティーさを楽しむことができます。
これからのウイスキーですので、すぐにはおすすめできるものではありませんが、現時点での味わいを確かめて、十年ものの発売を待つのも良いかもしれません。
日本での販売元はウィスク・イーです。
日本でのラインナップは下記となります。
キルホーマン マキヤーベイ(700ml/46%)
キルホーマン2008 7年(700ml/46%)
キルホーマンマデイラカスク(700ml/50%)
キルホーマンサナイグ(700ml/46%)
キルホーマン ソーテルヌカスク(700ml/50%)
徐々にキルホーマンを置くバーは増えていますので、案外容易に見つかります。
まとめ
主要なアイラウイスキーを8本ご紹介しました。
一口にスモーキーと言っても、ウイスキーごとにスモーキー度合いの違いがあり、後味も違うことがお分かり頂けたと思います。
今までウイスキーを飲んだことない方にもおすすめですが、バランタインやジョニーウォーカーなどブレンデッドウイスキーを嗜む方には、ウイスキーをもっと知る絶好の第一歩となります。
ぜひスモーキーなアイラウイスキーを体験してみてください。