スリヴォヴィッツってどんなブランデー?東欧からのおすすめ!

ブランデー

シュペヒト スリヴォヴィッツ プラム (紫) 700ml [正規品]

スリヴォヴィッツという名前を聞いたことがあるでしょうか?

こちら、東欧・中欧で広く飲まれている、スモモを原材料としたブランデーなのです。

商用として市場で売られているものも多くありますが、いまだ家庭によっては手作りのレシピを受け継いでいるところもあるとか。

人々の生活に深く浸透しているスリヴォヴィッツとは、一体どんなブランデーなのでしょうか。



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スリヴォヴィッツはスモモからできている

スリヴォヴィッツという言葉はどういう意味かといいますと、スラヴ語で「スモモ」(特にダムソン・プラム)を表しています。

数ある東・中欧フルーツブランデーの中でも、このスリヴォヴィッツは一番愛されていると言っても過言ではありません。

「スリヴォヴィッツァ」や「シュリヴォヴィツァ」とも呼ばれます。

主な原産国はセルビア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ共和国、ポーランド、ハンガリー、ブルガリアです。

このあたりでは果実から醸造される蒸留酒を「ラキヤ」、「パーリンカ」、「パーレンカ」などと呼んでいますが、スリヴォヴィッツもそのうちの一つと考えられています。

原材料は前述のとおりスモモ、プラムですね。

特に「ダムソン・プラム」と呼ばれるものです。

この東欧系のプラムはどのようなものかといいますと、見た目は巨大な巨峰、という感じ。

固い果皮をまとっており、ブドウそっくりです。

しかし中を割ってみると、ブドウよりやや黄色味の強い果肉が見えます。

味わいはブドウより甘く、繊維質が多いのでやっぱり桃だ、と納得するはず。

このプラムを原材料としたブランデーは香りも強く、独特の風味があります。



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スリヴォヴィッツはどうやって作るのでしょう

広く普及しているスリヴォヴィッツ。

その製造方法はおおまかには同じですが蒸留回数や味付けは地域や個人の好みでかなり異なります。

ベースとなる作り方は以下のようなものです。

1.プラムを潰し、圧搾する。

2.攪拌して発酵。

この際に酵母・デンプン・砂糖などを入れる場合もあります。

3.蒸留する。

4.熟成させる。

スリヴォヴィッツは蒸留の後にハーブやスパイス、ハチミツやクルミなどで味付けをすることも一般的。

人々が好みや伝統にそった味付けを行っているのです。

そのように製造される場合、原材料はすべて身近なもの。

庭先ですぐに取って来ることが出来るようなものが使用されたりします。

そんな風に誰もが家庭の味として楽しんでいたスリヴォヴィッツですが、近年は自家製の蒸留を違反とする国も出てきました。

有害物質が使用されていたり、製造工程を誤って、有毒ガスを発生させたりする事例があとを絶たないからです。

現在ほとんどのスリヴォヴィッツは地域の蒸留所生産のものとなりました。

ですから、店先にあるものは品質的にはある程度のものだと考えていいと思われます。

しかし、細々と自家製蒸留を行っている家庭もまだ存在するとか。

オリジナルレシピのものに興味はありますが、もしも旅先などでそのようなものを進められたら注意した方がいいかもしれませんね。

ユダヤ教とスリヴォヴィッツ

スリヴォヴィッツはユダヤ教の人々にも広く親しまれています。

ユダヤ教の食物の洗浄規定(カーシェール)の認定を受け、そのように明示しているものも販売されています。

ユダヤ教には「過越」「ペサハ」と呼ばれる祭りがあります。

これは聖書にも記されている祭りで、最初の夜には酵母の入っていないパン(マッツァー)などのごちそうを食べ、お祝いするのです。

この祭り、毎年「春分後の最初の満月の日」に祝われます。

この期間中はお酒や小麦を食べることは許されていませんが、スリヴォヴィッツを飲む事は許されています。

ですから東欧圏のユダヤ教の人々にとって、スリヴォヴィッツはなくてはならないブランデーなのです。

様々な国のスリヴォヴィッツとは…

東欧諸国の間に広く親しまれているスリヴォヴィッツ。

実は国によって呼び方や文化も様々。

どの国も昔からスリヴォヴィッツのような、プラム原材料のブランデーを作ってきた古い歴史がありました。

そのため、その起源と名称を巡っては様々な議論が巻き起こったのです。

EUが始まると、複数の国がスリヴォヴィッツに関するEUの「原産地名称保護制度」の適用を申請しました。

ウチのがホンモノだ!

と言い合っていたわけですね。

これを受けて2007年にEUでは「スリヴォヴィッツ」という名前が一般名称であると定め、各国それぞれがスリヴォヴィッツの産地呼称を保護するように求めました。

このため東欧諸国のスリヴォヴィッツはそれぞれの地域の名称で呼ばれています。

呼び名が違って紛らわしく感じるかもしれませんが、どれもプラムを原材料とした「スリヴォヴィッツ」なのです。

トロヤンスカ・スリヴォヴァ(Troyanska Slivova)

こちらはブルガリアで知られているスリヴォヴィッツです。

14世紀にオレシャクという場所に設立された「トロヤン修道院」の修道士によって製造されたのが始まりと言われています。

修道院のオリジナルレシピには、ハーブが40種類以上も使用されていたとか。

その製法は歴代修道院長が継承してきました。

また、使用されるプラムは「マジャルキニ」と呼ばれる、トロヤン地区で生産されるもののみに限定されています。

この品種は芳香に富み、種が簡単に外れるため、スリヴォヴィッツの材料としては最適でした。

このように造られた修道院のスリヴォヴィッツは品質の高さにも定評がありました。

1894年にはベルギーで行われた蒸留酒の鑑評会にて、銅賞を受賞したのです。

プロが作ったものではなく、修道院のものが賞を受けるということはかなり難しいのではないでしょうか。

それ以降もトロヤン修道院のスリヴォヴィッツの伝統は絶えることなく続きます。

2009年、95歳を迎えたブルガリア正教総主教のマクシムはこのトロヤン修道院産のスリヴォヴィッツで誕生日を祝ったそうです。

また、ブルアリアには9月後半に「スモモの日」なるものがあるそう。

スモモは古くからトロヤン地域の主要特産物で、西欧にも多く輸出されていたそうです。

人々にとってスモモは大切な資源。

そんなスモモからできたスリヴォヴィッツが愛されるのは当然のことと言えますね。

ブルガリアのスリヴォヴィッツを一つ上げておきます。

Troyanska Slivova Plum Brandy(トロヤンスカ・スリヴォヴァ)

ブルガリア政府協力のもと、チェコの「ルドルフ・ヤリーネク蒸溜所」で製造されているスリヴォヴィッツです。

オーク樽で7年間熟成されています。

結婚式などの祝い事には欠かせないスリヴォヴィッツです。

セルビアン・スリヴォヴィッツ

セルビアのスリヴォヴィッツは「スリヴォヴァ」と呼ばれています。

セルビアでは主に食前酒として飲まれているとか。

ここセルビアでも何世紀にもわたってプラムの生産とスリヴォヴィッツ製造が行われてきました。

スリヴォヴィッツ以外にも、プラムは様々な料理に応用されており、セルビアの人たちにとってプラムは欠かすことのできない重要な食材なのです。

生産量は世界第2位というからすごいですよね。

「家を建てる最良の場所は、スモモが最もよく育つ場所」ということわざまであるそうですよ。

セルビアの人の間で一般的な飲み方は氷点下までよく冷やし、ショットグラスに入れて飲むやり方です。

このショットグラスは「チョカニ」「チョカニチチ」と呼ばれ、セルビア人にとって、これを使って飲む事は古くから伝わる伝統なのだそうです。

ちなみに、海外にスリヴォヴィッツを最も多く輸出しているのはこのセルビア。

プラムおよびスリヴォヴィッツはセルビアの人々にとってとても重要なものと言えるのです。

Navip 8 Year

どっしりとした風味と味わいのスリヴォヴィッツです。

ラベルには大きなプラムが描かれています。

濃厚な味わいは料理に使用するのにぴったりです。

フルーツのコンポートを作る際に使用するのがおすすめです。

まとめ

プラムブランデーがこんなに東欧圏に親しまれているということは、意外と知られていないのではないでしょうか。

ほとんどの国で自家製のものは禁止されているということですが、自家製だったからこそここまで広がり、人々の生活に溶け込んでいたといえるのではないでしょう。

東欧の人々にとって「スリヴォヴィッツ」は毎日の生活で欠くことのできないお酒といえます。

誕生、洗礼、結婚、葬儀など、人生の節目には必ず供されるスリヴォヴィッツ。

どんな味わいなのか、試してみたくなりますよね。

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