バーボンの個性をじっくり味わうために

バーボン

家族

バーボンの味や香りは、蒸留所の個性をも表現しています。

特別なエリアの中で同じ製法で作られたとしても、蒸留所によって全く違うものが生まれてくるのです。

ひとつひとつ飲み試しているうちに、自分の好みに合うバーボンと出会うかもしれません。

すっかりバーボンの虜になってしまって、今日はどこの蒸留所のどの銘柄をいただこうか、などと、楽しみがぐっと広がるかもしれません。

もっとバーボンと深く付き合いたいという方は、ぜひ、ボトルやラベルのデザインにも注目してみてください。

そこにはどんなストーリーが隠されているのでしょうか。



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ワイルドターキー/WILD TURKEY

ワイルドターキー蒸留所の壁には、人の5倍はあろうかと思われる巨大な野性の七面鳥が描かれていています。

その七面鳥はラベルのサイズにおさまっても、堂々としていて、野性の力強さを感じます。

1940年にワイルドターキーと名付けられたバーボンが誕生しました。

蒸留所オーナーのトーマス・マッカーシーは、貯蔵庫のバーボンを一本持参して、アメリカ原産の鳥「七面鳥」の狩りに出かけたそうです。

そのバーボンは狩り仲間の中で大好評となり、「ワイルドターキー」と呼ばれるようになりました。

野性の七面鳥が生きるケンタッキーの広大な自然に思いを馳せながら、七面鳥狩りの男たちの仲間になった気分で、一杯味わってみてはいかがでしょうか。



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オールドクロウ/OLD CROW

オールドクロウは1835年に医師で薬剤師のジェームズ・C・クロウ(crow)が造り始めたバーボンです。

人々は、この熟練の職人の名にちなんで、彼が造ったバーボンをオールドクロウと呼び、そのままブランド名となりました。

ラベルには、カラス(crow)がバーボンの原料のひとつであり、北部を象徴する大麦を掴んでいます。

南北戦争の時に、北軍を勝利に導いたグラント将軍はオールドクロウを愛飲していました。

そして北軍は南軍にバーボンをふるまい、勝利を勝ち得たといわれています。

ジェームズ・C・クロウがつくったバーボンは、レシピが伝えられることなく、彼の死とともに味わえないものになってしまいました。

今日、手にしているオールドクロウは、彼の死後造られてきたものです。

果たして、ジェームズ・C・クロウのオールドクロウとはどんな味だったのでしょうか。

ブラントン/Blanton’s

ブラントンはアルバートブラントン大佐が作ったバーボンです。

ボトルの美しさもさることながら、まず興味を惹かれるのは、キャップに冠された、ケンタッキーダービーのサラブレッドと騎手のフィギュアです。

これには、ケンタッキーの開拓者への敬意が込められています。

今日のボトルのサラブレットはどんな形でしょうか。

8種類あるフィギュアを集めるのも楽しみのひとつになるでしょう。

そして、ラベルはぜひじっくりご覧頂きたいのですが、一枚として同じものがありません。

なぜなら、ボトルの登録番号、樽番号、倉庫番号、棚番号、樽から取り出された日にちアルコール分、プルーフを一枚一枚手書きしているからです。

今日のラベルの手書きの部分にはどんな数字があるのでしょうか。

このバーボンこそ、手元に届くまでの道のりを思い、じっくりと楽しむ方におすすめです。

バッファロートレース/BUFFALO TRACE

破れたラベルの向こうから、荒々しいバッファローが今にも向かってくるような迫力を感じるラベルです。

野性のバッファローの通り道をたどって、多くの開拓者や冒険家が西を目指したことから、その精神に敬意を表して、この歴史ある土地に蒸留所が作られました。

この蒸留所は約200年の間、幾度となく押し寄せた困難を乗り越え、1999年にバッファロートレース蒸留所という名になり、フラッグシップブランドとしてバッファロートレースがスタートしたのです。

もし、ひとりでこのバーボンを開けたとしても、アメリカ開拓時代の人々の冒険心や勇気、困難を乗り越えてきた力強さを感じた時、心強い友とグラスを傾けている気分を味わえるかもしれません。

ジャックダニエルズ/Jack Daniel’s

1863年テネシーウイスキーに必要で重要なチャコールメロウリングといわれる製法を習得した13歳のジャックダニエルは、誇り高きテネシーバーボンを造り始めました。

ジャックダニエルズといえばOld No.7を思い浮かべる方は多いと思います。

飴色のバーボンをひき立てる四角いボトルにはJack Danielと刻まれ、黒地に白抜きの文字が渋いブラックラベルがデザインされ、そのカッコ良さには数多くのアーティストやミュージシャンなどが魅了されてきました。

このブラックラベルを眺めているとチャコールメロウリングに使われるサトウカエデの炭を彷彿させます。

ボトルやラベルのカッコ良さはOld No.7だけでなく、そのほかの4つのシリーズの個性もセンス良く表現しています。

中でもシングルバレルコレクションは、まるで香水瓶のような気品漂う洒落たボトルです。

4つのテイストによって色の違うラベルは、Old No.7とは違う美しさがあり、ぜひ女性にも手に取っていただきたいシリーズです。

どのボトルに惹きつけられ、そしてそれは、どんな味わいでしょうか。

まとめ

バーボンには人それぞれの楽しみ方があります。

ボトルの立ち姿やラベルのデザインに惹かれて選ぶとき、そこに隠されたストーリーを思い、味わいの個性がひきたつかもしれません。

味や香りで選ぶとき、ボトルをあらためて眺める時間が楽しみになるかもしれません。

いずれにせよ、バーボンとの深いつきあいが始まり、じっくり味わう事になりそうです。

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