バーボン製法の特色といえばこれ!サワーマッシュ製法ってどんなもの?

バーボン

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バーボンと言えばアメリカンウイスキーの代表ですよね。

スコッチやアイリッシュとは違った風味を持ち、独特の味わいが人気です。

そんなバーボンで特徴的なのが「サワ―マッシュ製法」です。

これはバーボンの製造工程の一種なのですが、現在はほとんどのバーボンがこの製法で製造されています。

バーボンとサワ―マッシュ製法についてみてみたいと思います。



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スコッチやバーボンは「地域限定」ウイスキー

アルコールに詳しくない人にはバーボンとスコッチなどのウイスキーは全く別物であると考える人がいます。

しかし、これは間違い。

バーボンもスコッチもウイスキーの一種であり、同じ分類に属します。

ただ、どちらも国によって保護されているスピリッツであるため、スコッチやバーボンになるためには厳しい基準をクリアしなければなりません。

スコッチは文字通りスコットランドのみで作られたもの。

さらに細かくスペイサイドやハイランド、ローランドなど、製造された地域によってさらに細かく分類されることもあります。

これに対しバーボンはアメリカ合衆国内で作られていなければなりません。

しかし生産地はほとんどがケンタッキー州内に集中しています。

アメリカ国内で製造されるバーボンの大手ブランドはほぼ全てケンタッキーにあるのです。

ですから、ケンタッキーは「バーボンキャピタル」と呼ばれており、バーボンの歴史はケンタッキーの歴史と深く結びついているのです。



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バーボン以前のウイスキーは…

アメリカンウイスキーは、スコットランドやアイルランドの移民によってもたらされた蒸留技術から発展していきました。

バーボンの最初に製造したのはスコッチ・アイリッシュ系の「サミュエルズ家」であったと言われています。

一家は1780年頃、ペンシルバニア州からケンタッキー州へと移り住んできました。

移住当初は農業を行うかたわらウイスキーの蒸留を行っていました。

サミュエルズ家は1840年代になってから蒸留所を設立し、ウイスキー事業の展開を始めます。

このブランドは「メーカーズマーク」として、現在も広く愛されています。

しかし、ケンタッキー州最古の蒸留所と言われるのは「メーカーズマーク」のものではありません。

最初の蒸留所ができたのは1783年。

「エヴァン・ウィリアムス」によってルイビルのオハイオ川流域で作られたものが最初です。

彼の名前のついたバーボンは人気銘柄の一つです。

ケンタッキー州でバーボン誕生!

バーボンが初めて作られたのは1789年と言われています。

つまり、アメリカ合衆国発足の年ですね。

作ったのはエライジャ・クレイグ牧師。

バージニア州オレンジカウンティ出身のクレイグ牧師は1789年にジョージタウンに蒸留所を設立しました。

バーボンと言えば、熟成には焼き焦がした新品のオーク樽を使用しますよね。

これはクレイグ牧師が樽を保管していた倉庫が火事になったため、焼き焦がした樽を使用したという説があります。

サワーマッシュ製法の開発!

バーボンはスコッチやアイリッシュウイスキーと同様にウイスキーに分類されるものです。

しかし、原材料や製法に大きな違いがあるため、独特の味わいを持っています。

バーボンとその他のウイスキーの違いを大きくしているものの一つが製法。

バーボンのほとんどは「サワ―マッシュ製法」と呼ばれる方法で作られています。

サワードウ・ブレッドの製造過程に類似しているため、このように呼ばれているとか。

この製法が開発されたのは1823年のことです。

開発したのはスコットランド人化学者である「ジェイムズ・C・クロウ博士」。

ケンタッキー州ウッドフォードカウンティの「オールドペッパー蒸留所」(現ウッドフォード・リザーブ蒸留所)で働いていたときに開発したと言われています。

この発明はバーボンとテネシーウイスキーの生産方法に革命をもたらしたのです。

サワーマッシュ製法とは!

スコッチなどを製造する際は、バッチごとにモルトを湯に浸し、麦から得られる最大限のものを引き出します。

残った残滓はそのままにはせず、全て取り出します。

これに対し、サワーマッシュ製法で作られるバーボンは残滓を残し、お粥のようにドロドロになった液体そのものを発酵槽の中に加えて発酵し、そのまま蒸留します。

蒸留が終わると糖分とアルコールの抜けた蒸留液が残ります。

これは少々酸味を持つので「サワーマッシュ」や「バックセット」と呼ばれています。

サワーマッシュ製法というのは、サワーマッシュの一部がポンプで発酵槽にもどされ、次の新しいバッチの糖化液と混ぜられることを指すのです。

蒸留所によって違いはありますが、発酵槽に入る液体の約1/4をサワーマッシュが占めることが多いです。

これは温暖な気候であるケンタッキー州では特に有効な製法。

というのも、気温が高いため、ケンタッキー州では発酵液の中でバクテリアが多く繁殖してしまいます。

これを抑制してくれるのがサワーマッシュの酸なのです。

このおかげでイーストの働きが活発になります。

バーボンで使用されるトウモロコシは、スコッチに使用されるようなモルティング済の大麦ほど発酵に向いていません。

ですから、イーストには助けが必要となるのです。

サワーマッシュ製法と言えば、ウッドフォード・リザーブ!

現在ほとんどのバーボンがサワーマッシュ製法を用いて製造されています。

中でもおすすめはサーマッシュ製法を始めた「ウッドフォード・リザーブ蒸留所」のバーボン。

どんなものがあるのでしょうか。

ウッドフォードリザーブケンタッキーストレートバーボン

石灰岩のブロックで建てられた独特の貯蔵庫を使用し、オーセンティックでゆっくりとした熟成を重ねました。

並外れては滑らかな口当たりが特徴です。

独特のフレーバーの秘密は発酵槽。

近年ではステンレス製のものが殆どですが、ウッドフォード・リザーブでは昔ながらの木製(イトスギ)の発酵槽を使用しています。

また、蒸留はバーボンには珍しい「単式蒸留器」で3度ほど行われています。

まるでアイリッシュウイスキーのようなクリーンでスムースな味わいが楽しめます。

バーボンを始めて飲む、という人におすすめです。

アルコール度数は43%。

カラーは鮮やかなハチミツ色。

ドライフルーツ、オレンジ、ミント、ココアが香ります。

口に含むと、豊かで円やかな味わいです。

絹のように滑らかに、長い余韻が残ります。

ウッドフォードリザーブダブルオーク

熟成を終えたウッドフォード・リザーブをホワイトオーク樽にて再び熟成させたバーボンです。

ホワイトオークの柔らかく甘い特徴が際立っています。

カラーはより深く、赤く印象的です。

カラメル、ハニー、チョコレート、マジパンの香り。

口に含むとバニラ、ダークヘイゼル、リンゴ、フルーツミックスのフルボディです。

ハチミツ、リンゴ、クリームが複雑に混じり合って口に残ります。

アルコール度数は43%。

「ウッドフォード・リザーブ」よりも濃厚で深みのある味わい。

ストレートまたはオンザロックで飲むのがおすすめです。

まとめ

バーボンに独特の個性を与えてくれる「サワーマッシュ製法」。

スコッチやアイリッシュウイスキーとの違いを決定的なものにしています。

現在、アメリカ国内で造られているバーボンのほとんどはこの製法でつくられており、「サワーマッシュ製法」以前のいわゆる「スイートマッシュ製法」で作られたものはありません。

しかし、どうしても「スイートマッシュ製法」のバーボンが欲しいと思ったら、ウッドフォード・リザーブのバーボンを探してみて下さい。

ウッドフォード・リザーブは「サワーマッシュ製法」を始めた蒸留所ですが、今も「スイートマッシュ製法」を行っているただ一つの大手蒸留所なのです。

通常のバーボンと飲み比べてみるのも楽しいかもしれません。

興味がある方は是非、試してみて下さいね。

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