世界で注目されています!クラフトバーボン
「次はこれが来る!」と言われているのがクラフトバーボンです。
バーボン・ウイスキーの中でも希少価値が高く、個性豊かなものばかりのクラフトバーボン。
一人でまったり楽しんだり、誰かと楽しくグラスを傾けたり…。
贈り物にも最適です。
今、世界から注目を集めるクラフトバーボンをいくつかおすすめしてみたいと思います。
目次
クラフトバーボンは普通のバーボンと違うの?
バーボンといえば、以下のように定義されます。
・アメリカ・ケンタッキー州で生産されるもの
・原材料は51%以上トウモロコシを使用したもの
・熟成にはオーク樽を使用したもの
クラフトバーボンはこの条件を満たし、さらに職人が一つ一つ手間暇かけて作り上げた、プレミアムバーボンです。
大量生産されないため、普通のバーボンよりは高価ですが、試してみる価値アリです。
クラフトバーボンは「本当の」アメリカン・ウイスキー
クラフトバーボンを最初に手掛けたのは、ジム・ビーム社の6代目、ブッカー・ノウです。
彼は禁酒法時代以前の、力強い本来のバーボンを蘇らせようとしたのです。
最上級の材料を厳選し、仕込み、蒸留、貯蔵まで職人の手で行いました。
徹底した管理により製造されたバーボンは今までにはなかった、深く力強い香味を持って生まれました。
これこそが、バーボン本来の姿だったのです。
ただし、量産はできないため、少数限定に限られ、「スモール・バッチ・バーボン」ともよばれました。
それでもバーボン本来の姿を味わえるクラフトバーボンは人気を呼びました。
ブッカー・ノウ以降、次々とクラフトバーボンが造られるようになり、バーボン市場はちょっとしたクラフトブームになりました。
その中でも有名なものをいくつかご紹介してみたいと思います。
クラフトバーボンの代表格・ブッカーズ
1988年に初のクラフトバーボンとして生まれたのが、かの「ブッカーズ」です。
細やかな品質管理のもと、6~8年熟成の樽から、一切の加工なしでボトリングされています。
そのため製造年や度数によって香味に微妙な違いが出ていますが、それがバーボン通には好まれています。
アルコール度数は63度とかなり高めですが、それを感じさせないなめらかな口当たりです。
バニラやキャラメルのようなバーボンの王道らしい深い香りを持ち、飲んだ後はリッチな余韻が続きます。
プレミアムにふさわしい木箱に入っていて、贈り物にもおすすめのバーボンです。
おすすめはやっぱりロック?
おいしいお酒は素で味わうのが一番ですが、こちらは水で割ったり、オンザロックで楽しんでも、香味や味の変化が楽しめて嬉しいお酒です。
バーボンと水を5:4の割合にしたものは「ブッカーズ・スタイル」と呼ばれ、広く知られた飲み方です。
また、この「ブッカーズ」を世に出したブッカー・ノウは1:2の水割りを「ケンタッキー・ティー」と呼んで愛飲していたそうです。
また、ミントジュレップで飲むのもおすすめです。
こちらはバーボンを使った有名なカクテルです。
作り方は簡単で、ミントの若芽と砂糖、炭酸水を入れ、バーボンをお好み注ぎます。
クラッシュアイスをたくさんいれて、ステアすれば出来上がりです。
この飲み方はアメリカ南北戦争時代から行われていたとも言われ、クラフトバーボンの代名詞・「ブッカーズ」をおいしく頂けるアレンジの一つです。
テイスティングまとめ
色:深い琥珀色
香り:バニラ・キャラメル・オーク
味:濃縮されたフルーツの甘み・わずかにコーヒーのような苦み
余韻:長くリッチー
本国アメリカで人気ナンバーワン!ノブ・クリーク
こちらもアメリカン・ウイスキー業界をけん引するジム・ビーム社によって造られています。
「ブッカーズ」と同様、6代目ブッカー・ノウによって、はじめて造られました。
こちらも禁酒法時代以前の、バーボン本来の姿を目指しています。
特徴としては熟成期間が他のものに比べ長く、低温と高温で二度焼きしたオーク樽で9年もの間熟成されています。
9年樽の中から厳選した1樽からボトリングされており、究極の甘みと香味を持ちます。
オーク樽の香ばしい香りとバーボン本来のふくよかな甘みが混ざって、至高の一品とも言えます。
こちらも余韻は強く、ゆったりと長く後を引きます。
アルコール度数は60度ほどです。
日本よりもアメリカ本国での人気が高く、クラフトバーボンの中では一番人気と言われます。
ボトルにも是非注目してください!
新聞紙のようなラベルが張られたボトルは見栄えもよく、おしゃれです。
禁酒法時代には、愛飲家は飲酒がばれないように、ボトルを新聞紙でくるんで飲んでいたそうです。
「ノブ・クリーク」の外見はこの時代のエピソードを再現しています。
また、ボトルの形状も当時のフラスクボトルを真似ています。
禁酒法時代以前のバーボン、というにふさわしいこだわりがここにも詰まっています。
強いアメリカを目指した名前なんです!
また、「ノブ・クリーク」という名前にも意味があります。
これはケンタッキー・ヒルにある小川の名前からとったものです。
そしてこの地で生まれたのが、アメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンです。
この、古き良きアメリカの時代をめざすバーボンにはそれにふさわしい力強い名が与えられました。
ノブ・クリークは世界でも認められたバーボン・ウイスキーです
2014年には世界的権威のある酒類のコンペティション、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)において、ウイスキー部門で金メダルを獲得しました。
また「ノブ・クリークシングルバレル」は、最高賞トロフィーの栄誉に輝きました。
「ノブ・クリーク」のめざす力強さと深淵さが世界でも認められたのです。
テイスティングまとめ
色:琥珀色
香り:バニラ・ナッツ・オーク
味:強いバニラ・キャラメルの甘み・わずかにスモーキー
余韻:甘くリッチ
長期熟成のフルボディタイプ!ベイカーズ
こちらもジム・ビーム社のクラフトバーボンです。
名まえの由来は、ジム・ビーム兄弟の孫にあたるベイカー・ビームにちなんで付けられています。
アルコール度数は53.5度です。
ジム・クリーク社の貯蔵庫は樽を9段積みにしています。
上の樽の方が熟成が早く、アルコール度数も高まります。
「ベイカーズ」は上段8~9段目あたりの、長期熟成を経た樽からボトリングされています。
長期熟成を経たものは「フルボディタイプ」と呼ばれ、樽芳も芳しく、最もパンチがあると言われます。
おすすめの飲み方は…
舌に重く、独特の風味を持つ「ベイカーズ」ですが、こちらもやはりまずロックを試してみて頂きたいです。
高いアルコール度数の割に飲みやすく、複雑な味わいは長く余韻を引きます。
チョコレートなどをつまみながら食べると、風味も増しておいしく頂けます。
また、意外と合うのがソーダ割りです。
コーラ、ソーダ、ジンジャーエール…炭酸水ならなんでも大丈夫です。
クラッシュアイスを入れて飲めば、炭酸の壮快さとバーボンのほろ苦い甘さが混じり合って、飲みやすく、女性でもはまります。
また、ウッディな味わいは、シガーとも相性が良いので、愛煙家の方にも是非、おすすめしたいです。
テイスティングまとめ
色:濃い琥珀色
香り:バニラ・キャラメル
味:炒ったナッツ・ウッディ
余韻:スムーズで長く続く
まとめ
クラフトバーボンは手作り・少量生産・高品質の最高級バーボンです。
ステンレスタンクでの発酵が常識となった今でも昔ながらの木桶発酵にこだわり、時間と手間を惜しまずに造られています。
こうした伝統的で丁寧な仕事が素晴らしいプレミアムバーボンを生み出し、バーボン愛好家のみならずバーボン未体験の人をも虜にしているのです。
現在は徐々に正規輸入も増え、日本でもクラフトバーボンを入手しやすくなってきました。
世界の新たな流れ、クラフトバーボンのお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか?