元バーテンダーの勧めるブランデー入門
“ブランデー“それはウイスキーやバーボンと並び、いわゆる“ハードリカー“、“茶色いお酒”の一つとして知られています。
ハードボイルドな映画やドラマでもアイコン的な象徴として登場することもおおいですね。
そんなお酒の類でも“大人な”イメージやアルコールの強いイメージからなかなかどんなお酒なのかわからず、ウイスキーやバーボンとは何が違うのか?といった事からなかなか入門しにくいイメージがある方も多いのではないでしょうか?今回は元バーテンダーである私が、未経験者の方にブランデーの解説やブランデーを使ったカクテルなどの紹介を交えつつ、ブランデーの魅力を知っていただけたらと思います。
ブランデーの区分
そもそもブランデーやウイスキー、バーボンなどの強いお酒はいわゆる“蒸留酒”と言われます。
日本でも身近なところでは焼酎や泡盛は“蒸留酒”に分類されます。
“蒸留”とは日本酒やワインといったいわゆる“醸造酒”を“蒸留”という“醸造酒”に熱を加え、沸点の低いアルコールだけを蒸発させ、アルコール度数の極めて液体を抽出することです。
茶色い琥珀色をしているのは樽熟成を行っているため樽の色素が付いて熟成されています。
ブランデーとその他“蒸留酒”
ブランデーとよく似たお酒にウイスキー、バーボンがありますね。
ではその違いはなんなのか?
基本的な製造工程はほぼ共通しているのですが。
ブランデーとは白ブドウなどの“果実酒”を“蒸留”させ樽で熟成させることによって作られています。
ウイスキーは“麦”をバーボンはコーンなどの“穀物”を主な原料として作られています。
ブランデーは果実酒を原料としているため大変“フルーティ“で甘い香りが特徴です。
ウイスキーやバーボンはそれぞれ泥炭を使ったり、あえて樽を焦がしたりと“スモーキー”な香りを持つものが多いことが特徴です。
ブランデーの種類
前項にある通り、ブランデーは“果実酒”を原材料にしている為、大変香りがよく肉料理に調理酒として用いられたり、製菓にも用いられることもしばしばあります。
主な原料とされているのは白ブドウですが、実はリンゴを原材料とした“カルヴァドス”や野イチゴを使った“フランボワーズ”など、カクテルによく用いられるお酒もブランデーの一種なのです。
イタリアの食前酒で有名な“グラッパ”は樽熟成を行っていないので、無色透明ですがこれもブランデーの一種です。
ブランデーのおすすめの飲み方
ブランデーは大変甘い香りを特徴としていて、中世フランスでは“王侯の酒”と称されていたほどの香りを命としてるお酒です。
その為、おすすめの飲み方のスタイルとして常温のストレートで飲む事が基本的とされています。
グラスの底を手で包み体温で温度をあげ、香りを嗜みながら飲むという飲み方です。
ウイスキーやバーボンのように氷を入れたオンザロックスタイルで冷やして飲むスタイルは香りを立たなくしてしまうため、ヨーロッパではあまり推奨されません。
むしろ上質なブランデーをオンザロックスタイルで飲む事は敬遠されています。
ブランデーの飲み方2
ウイスキーやバーボンと大きく違う所は前項でも述べたようにやはり、常温でそのまま嗜むところだと思います。
また水割りやソーダ割といったスタイルも、アメリカ方面では見受けられる飲み方の一つとされていますが、やはりこちらもメジャーな飲み方ではないようです。
このようにブランデーはストレートで飲むスタイルが基本とされているため、単純にアルコールが強すぎてなかなか手が出せないという方もおられるかと思います。
そこでアルコール度数は大きく変わらずともカクテルとして飲む事で飲みやすく楽しむことができるためおすすめしたいと思います。
ブランデーを使ったカクテル
ブランデーを使った有名なカクテルに“サイドカー”があります。
ブランデーにオレンジのリキュール、レモンを加えシェイクすることでアルコール度数は高いが大変口当たりがよく飲みやすくなり“レディキラー”の異名をもちます。
また“ホーゼスネック”というカクテルではブランデーにジンジャエールを加えレモンの皮を添えたスタイルでブランデーの香りを残しつつ、ジンジャエールの甘みが加わり飲みやすいスタイルとして知られています。
ブランデーを使ったカクテルはこの他にもあります。
ブランデーの入り口としてカクテルから入るというのも一つの入り口ではないでしょうか。
まとめ
ブランデーはウイスキーや焼酎などと比べると高価なものから安価なものまで市販の銘柄や種類は割と限られていると思います。
嗜み方や他の原料を使った種類のブランデーを知っていただければ気軽に楽しむことができるお酒だとも思います。
またカクテルや料理などといった側面でも重宝されるお酒ですので家庭に置いていても汎用性の高いお酒だとおもいます。
今回の紹介でブランデーの入り口に立っていただけたら幸いです。