新しいブランデー選びに役立つ知識とブランデーの紹介
酒選びとは出会いや運であるというように、次にどんなお酒に出会えるかは想像もつきません。
たまたま友人に紹介されたり、目についた物を手に取ったり出会いは得てして突然なものです。
ここを通じて素敵なブランデーと出会う手助けとなれば幸いです。
難しく考えず、“気になった物”を一度お試し下さい。
それも大切な出会いの一つとなるでしょう。
ブランデーの熟成度
ブランデーでよく耳にする“X.O”や“VSOP”“ナポレオン”ですが、ただの銘柄だと思っている人はいませんか?
お恥ずかしいながら私もその一人でした。
私がよく耳にしていたのはヘネシーX.OやカミュVSOP、これで一つの名前だと思っていました。
実はこのX.OやVSOP、ナポレオンというのは、ブランデーの熟成度のランクの名称なのです。
他のも名称が存在しており、熟成年数が長くなればなるほど価値がありお値段も高額になっていきます。
熟成年数の短い順で並べると下記のようになります。
☆☆☆(スリースター)
V.S.(VerySpecial)
V.O.(Very Old)
V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)
ナポレオン
X.O(Extra Old)
Hors d’age(オール・ダージュ)
これはフランス事務局の、コニャックは“BNIC(全国コニャック事務局)”アルマニャックは“BNAI(全国アルマニャック事務局)”が厳格な基準をもって決めています。
よって、コニャックとアルニャック以外はこの基準に準じていない為注意が必要です。
熟成年数を表す単位
熟成年数を表すのに“コント”という単位を使用し、このコントの数によってV.O.やナポレオン等のランク付けがされます。
蒸留した年を“コント00”とし、翌年4月1日から樽に入った原酒をコント0と数えます。
4月1日になる度にコント数が増えていきます。
ブランデーは何故色がついている?
ブランデーの色に疑問を持った事はありませんか?
実は、蒸留したばかりのブランデーは他のお酒と同様に無色透明なのです。
では人工的に着色した?
そうではありません。
ブランデーは樽で熟成するため、樽の木材の成分が分解されて溶け出した事により色がつくのです。
その為、熟成年数が長ければ長いほど樽の成分が多く溶け出すため、濃い琥珀色がついたブランデーとなります。
ただし例外もあり、コニャックやアルマニャックはカラメルの添加で色を調整していることもあり、熟成度をより高く見せる事があるので注意が必要です。
意外と知らない!ブランデーの語源
そもそもブランデーとはどういう意味か知らない人も多いでしょう。
ブランデーとは葡萄酒を蒸留し、オークの樽で熟成させたアルコール度数の高いお酒の事を指します。
元々無色透明で香りも粗かったお酒は、熟成していくにつれて色は琥珀色に、香りは引き立ち、味はまろやかになっていきます。
語源はオランダ語で、Brandewijn(ブランデウェイン)。
“焼いたワイン”という意味です。
後にイギリスで訛り、今ではお馴染みのBrandy(ブランデー)に変わったと言われています。
ブランデー紹介
人気なブランデーでも意外と飲んだ事がなかったり、そんなブランデーもあるの!?
といったこともありますよね。
そこで私の選ぶブランデーを一部ご紹介したいと思います。
HennessyX.O.(ヘネシー)
しっかりとした味わいで芳醇でインパクトがあり、ウッディでバニラ調、余韻はシナモンのようです。
ヘネシーはコニャックの中でもトップブランドで、ブランデーの中でも知名度が高く、一度は耳にしたことがある名前だと思います。
何と言ってもヘネシーは高品質で創業250年を数える代表ブランドです。
ブランデーの原料となる葡萄はユニブランを使用し、最良の畑である“グランド・シャンパーニュ”“プティット・シャンパーニュ”“ファン・ボア”“ボルドリ”で栽培しています。
更には、樽にもこだわっており、樹齢100年以上のフランスのオーク樽を使用しています。
そして原酒(オー・ド・ヴィー)のもっとも古い物は200年以上も前から保存しています。
これらのこだわりによって上質なコニャクを生み出しているのです。
ポールジロー 35年
ポールジローは大量生産されないが故に、希少性の高いコニャックです。
大量生産せず、丁寧に作られているポールジローはブランデー好きな人ならば苦手な人はいないと言われるくらいのものです。
味は濃厚でフルーティーな香りを放ち、葡萄そのものの味わいを楽しめます。
無添加で無着色なので安心して飲めるブランデーです。
大量生産されている機械を使った大手ブランドとは違い、一つ一つの品質を確認しながら手摘みされる事が広く知られています。
REMY MARTINX.O.(レミーマルタン)
ケンタウロスがシンボルのレミーマルタンは人と自然の調和を指しています。
四代目がポール・エミール・レミー・マルタンが射手座であった為、デザインとして選ばれました。
プラムと熟成した砂糖漬けのオレンジの風味にヘーゼルナッツとシナモンのほのかな香りで、口当たりはまろやかです。
レミーマルタンは、是非とも常温でのストレートをおすすめします。
MARTELLCORDON BLEU (マーテル コルドンブルー)
フランス語でブルーリボンを指すコルドンブルー。
“最高に栄誉のあるものに贈られる青いリボンの勲章”という意味です。
1912年に生み出され、伝説のコニャックと騒がれました。
フルーティーでコーヒーやナッツを思わせる香ばしい香りを放ちとても香りが良く、すみれの花の香りと表現されることがあります。
ブランデー特有の優雅で芳醇な味わいでなめらかなのが特徴です。
“飲む香水”と呼ばれるほど香りの良さで有名です。
REMY MARTINV.S.O.P.(レミーマルタン)
香り高く甘みが強いのでそのままでもすすむ一品です。
値段も安く普段飲みに適していて、お菓子作りに使用したり、栗の渋皮煮、珈琲や紅茶に混ぜたりしても美味しく頂けます。
苦手な人が少なく、贈り物にも自分用にも適しています。
Jean Fillioux(ジャン・フィユー トレ・ヴィユー)
コニャック地方のグランド・シャンパーニュで造られる最高級のブランデーです。
グランド・シャンパーニュ産100%を名乗れる唯一のブランドが、このジャン・フィユーです。
エレガントな香りと味わいは是非とも一度堪能して頂きたい一品です。
リムーザン・オークの樽のみを使用しており、栄誉ある“セプ・ドール(黄金の葡萄の木)称号”を受けた貴重なコニャックで、グルメの間での評価もとても高い一品です。
購入の際戸惑ってしまう事がありますが、ボトルデザインが日本流通向けに変わっています。
海外で流通しているのは透明なガラス瓶で、日本で流通しているのはグリーン調のフロスティボトルです。
中身に違いはありません。
ただし値段の関係で、並行輸入品の方が安い事から市場では海外流通品のクリアボトルの方が多く出回っています。
まとめ
ブランデーを選ぶうえで、見た目や名前だけでなく少しの知識をつける事によって、更に選ぶ楽しさを実感できる事でしょう。
そのまま飲む以外にも、混ぜたり食べたりする事もできるブランデーは、より一層奥深く私たちを楽しませてくれます。
香り、味、見た目で私たちを楽しませてくれるブランデーとの新たな出会いをどうぞお楽しみください。