純米酒しか飲まない、そんなあなたは日本酒通ではありません!

日本酒

純米酒しか飲まない、そんなあなたは日本酒通ではありません!

「俺は純米酒しか飲まないよ」「アルコールが添加された酒なんて工業製品じゃねえか」「通は純米酒」「お前は酒がわかってねえなぁ、日本酒にアルコールを足すのは量を水増しして安く売るためなんだよ」「アルコールが添加されていると頭が痛くなる」最近、日本酒にこだわった居酒屋ではこんな会話が聞こえてきます。

わいわいがやがや、と非常に良い雰囲気です。

しかし、この会話に疑問を感じないあなた。

これを読んで日本酒についての理解を深めましょう!

純米酒万歳な皆様も是非お読みください。

純米酒だけが日本酒ではありません!


1.日本酒は何からできるの?

日本酒は何からできるのか。

まず、日本酒は大きく分けると2種類に分かれます。

純米酒か否かです。

純米酒とは文字通り「米と水」のみからできています。

他に原材料はありません。

純米酒では無いお酒は「米と水」でできたお酒に「醸造アルコール」を最後に添加します。

日本酒は基本は「米と水」。

そして酒類によってはそれにプラスして「醸造アルコール」からできています。


2.醸造アルコールとは?

では、醸造アルコールとは何からできているのでしょうか?

まず、国内で流通している日本酒に添加されている醸造アルコールは「さとうきび」を発酵させたものです。

要は、「焼酎」です。

決して工業製品ではありません。

日本酒の添加されたアルコールを否定する事は焼酎を否定する事になるのです。

現在日本で添加しているアルコールはブラジルをはじめとする海外から輸入をしています。

ただ、酒蔵によっては自社で米などを原料にして醸造アルコールを作り添加している酒蔵もあります。

是非、探して飲み比べをおすすめします。

3.どうしてアルコールを添加するの?

日本酒に添加されているアルコールが「食品由来の焼酎のようなもの」という事は理解していただけた事と思います。

では何故純米酒にアルコールを添加するのか?

添加する理由は「飲み口」をすっきりさせる事、「香り」を引き立たせる事の2つです。

純米酒は非常に品質が安定しない商品です。

理由は米の風味旨味が前面に出るからです。

これは一見良い事のように聞こえますが、その反面クセや独特の香りも前面に出てきてしまうのです。

「純米酒は飲み疲れる」と言われるのもそのためです。

米の風味が飲み口の重さにつながるのです。

アルコールを少量添加することでそのクセを穏やかにすることができるのです。

「マイルドにしている」と言い換えられるかもしれません。

そして、クセが穏やかになったことで何が起きるか。

フルーティな香りが際立つのです。

米の風味に隠れていた日本酒の良い部分が表に顔を出す。

「お米が原料なのにフルーティな香りが出る」その日本酒の不思議な魅力をアルコールは引き出してくれるのです。

4.何故アルコール添加に嫌なイメージがするの?

アルコールを添加することに嫌なイメージがする理由は以下の2つです。

①メチルアルコールの影響敗戦後、日本人は非常に困窮しました。

明日食べる食べ物もない。

そんな時代にアルコールを買う余裕などありません。

その時代に登場した、いや登場してしまったのが「ばくだん」というお酒です。

安価に酔える、そのお酒には工業用アルコールであるメチルアルコールが含まれていたのです。

メチルアルコールは摂取すると失明等につながるのです。

そのイメージが特に年配の方に色濃く残っており、脈々とアルコールという単語にくっついて回っているのです。

②三増酒の影響これも戦後のお話です。

「ばくだん」と同様に「三増酒」が誕生しました。

これは「作った日本酒にアルコールをたくさん添加して薄くなったお酒に糖類や酸味料で味を補ったお酒」です。

この薄っぺらく伸ばした安くて美味しくない日本酒が市場に出回ったのです。

これによって「添加するアルコール=伸ばすため」がひろがったのです。

まとめ

ここまで添加するアルコールの正体から添加する理由までをご説明いたしました。

アルコール添加が嫌われる理由についても述べました。

現在は「3.どうしてアルコールを添加するの?」でも述べた通りより品質を高めるためにアルコールを少量添加しています。

日本酒通を目指す皆様には「純米酒」だけを飲むのではなく、純米酒以外も選択肢に入れて飲むことをおすすめします。

そして、日本中に約3,000蔵ある酒蔵の中からお気に入りの酒蔵を見つけて頂ければ幸いです。

今晩も美味しい日本酒で乾杯を!

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