個性的なグリーク・ブランデー「メタクサ」の楽しみ方
リキュールのように甘くまろやかな口当たりと、オーク樽の香りの他にハーブの香り付けをしたギリシャ特有のブランデー「メタクサ」は独特の味わいと香りがします。
ギリシャへ観光に行ったことのある方なら、現地でお召し上がりになったこともあるでしょう。
メタクサはオリーブオイルをふんだんに使うギリシャ料理との相性がとても良いです。
メタクサの美味しい楽しみ方をご紹介いたします。
目次
グリーク・ブランデー「メタクサ」の特徴
独特の甘い味わいと風味を持つ「メタクサ」は、蒸留と熟成、ブレンドの後に、バラの花や香草から抽出したエキスと甘味料を加えて作られるブランデーです。
アルコール度数は40度です。
「メタクサ」の色合いは黄色みの強い琥珀色をしています。
「メタクサ」のはじまり
「メタクサ」を製造販売したのはスピロス・メタクサ氏です。
1880年にギリシャ南部のアッティカ地方のブドウ園でワイン生産を行っていて、同地の港町ピレウスにブランデーの蒸留工場も建て1888年にブランデー「メタクサ」の販売を開始します。
独特の風味と味わいを持つグリーク・ブランデーは販売後まもなくギリシャ王室御用達となります。
2年後の1890年にはロシア皇帝御用達となり、現在のウクライナにある都市オデッサに第2蒸溜所を建設します。
そして、5年後の1895年には、トルコのコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)に第3蒸溜所を建設し、東欧圏での人気を誇るようになります。
「メタクサ」の香りと甘みの調合は門外不出の極秘レシピ
「メタクサ」はギリシャのペロポネソス半島産のサヴァティアーノ種の白葡萄を使った白ワインから作られます。
単式蒸留機で蒸留した後、オーク樽で3から30年熟成させます。
ここまでは他のブランデーと変わりません。
熟成で色着いてから連続式蒸留機で作られたブランデーとブレンドされて、独特の風味と味わいをもたらす植物エキスと甘味料を加え、再びオーク樽に詰められ、最低でも1年は熟成させるのです。
「メタクサ」の個性とも言える植物エキスと甘味料のレシピは門外不出で、一部の関係者以外、極秘なのだそうです。
「メタクサ」のロゴはギリシャの歴史を物語っている
ギリシャは学問やオリンピック発祥の国です。
そして数々の歴史を裏付ける遺物の宝庫でもあります。
1888年にスピロス・メタクサ氏が港町ピレウスに最初の蒸留工場を建設した時に、古代ギリシャのコインが発掘されました。
そのコインにはペルシャ戦争で使われた三段櫂船が描かれていました。
三段櫂船が活躍した有名な歴史的出来事といえばサラミスの海戦です。
ペルシャ軍が優勢であった戦況でギリシャ軍は船の数も少ない厳しい状況の中でも狭い水道を利用した戦略でペルシャ軍に勝利し、戦況も逆転させたのです。
「メタクサ」のロゴはコインに描かれた三段櫂船の上にサラミスの海戦で活躍した古代ギリシャの兵士が描かれています。
ギリシャらしさを感じられる良いデザインです。
手に入れられたらいスゴイ!40年熟成の古酒、「メタクサ グランド ファイン」
ギリシャの個性が詰まった「メタクサ」は、数々の賞を受賞し、スピロス・メタクサ氏の子孫が経営を継続していましたが、1989年にイギリスの酒造メーカーに買収され、その後も他社酒造メーカーに買収され続けました。
スタンダードな「メタクサ」は現在も製造販売されていますが、陶器のボトルに詰められた古酒「メタクサ グランド ファイン」は流通している現品しかありません。
この古酒の味は、深みがあり、濃厚なのにリキュールのように甘く飲みやすいのだそうです。
陶器のボトルも古代オリンピックに使われていたオーナメントを思わせるデザインです。
アルコールに弱い方でも、デザインに興味がある方なら手に入れたくなる一品でしょう。
特別な日にほんの少し口に含んで飲みたいブランデーです。
「メタクサ」の美味しい飲み方
「メタクサ」はその独特な香りと甘くまろやかな味わいを楽しめる、常温ストレートで飲む方法がおすすめです。
特に、広口のクリスタルグラスに注ぐと香りを楽しむことができます。
アルコールに弱い方は、「メタクサ」と同量の水で割ってお召し上がりください。
地中海の爽やかなレモンと炭酸で楽しむ「メタクサ」のフィズ
「メタクサ」はオリーブオイルをふんだんに使った食事との相性が良いブランデーです。
食事と一緒に召しあがれる爽やかなフィズをご紹介します。
*1杯分の材料*
・メタクサ・・・・・・・・・・50ml
・レモン汁大さじ・・・・・・・1杯
・グラニュー糖・・・・・・・・ティースプーン2杯
・クラッシュドアイス・・・・・・適量
・冷たい炭酸水・・・・・・・・・適量
・レモンスライス・・・・1枚
*用意するもの*
・シェイカー
・ロンググラス
*作り方*
・レモンの香りを強くさせるためにしぼりたての果汁を使いましょう。
・シェイカーにメタクサ、レモン汁、グラニュー糖、クラッシュドアイスを入れてよく振りましょう。
・ロンググラスにクラッシュドアイスを入れ、シェイカーで撹拌したメタクサを入れます。
その後、好みの量の炭酸水を入れて、スライスレモンをグラスに飾ります。
「メタクサ」にはオリーブオイルたっぷりのムサカがおすすめ!
ムサカはバルカン半島など東地中海沿岸地域で食べられている伝統的な野菜料理です。
フランスの郷土料理ラタトゥイユに近い料理です。
しかし、ギリシャで食べられているムサカはラザニアによく似ています。
チーズやパスタが入ることがありますが、一般的なムサカはシンプルでオリーブオイルもふんだんに使った野菜のナスが主役です。
美味しいギリシャのムサカのつくり方をご紹介します。
*2〜3人分のムサカの具材の材料*
・ナス・・・・・・・・大きめのもの3本(7~8mm厚さで切り)
・ジャガイモ・・・・・2個(皮をむいて7~8mm厚さの輪切り)
・タマネギ・・・・・・1個 (皮をむいてみじん切り)
・ラムのひき肉・・・・200g
・トマト・・・・・・・1個 (皮をむいた後1cm角切りする、カット済みのホールトマト缶でも良い)
・ニンニク・・・・・・1/2片(みじん切り)
・ローリエ・・・・・・1枚(半分にちぎる)
・トマトペースト・・・大さじ2
・水・・・・・・・・・100CC
・塩・・・・・・・・・少々
・コショウ・・・・・・少々
・オリーブオイル・・・適量 (たっぷり使います)
・イタリアンパセリ・・適量(みじん切り)
*2〜3人分のベシャメルソースの材料*
・オリーブオイル・・・30g
・薄力粉・・・・・・・30g
・ぬるま湯・・・・・・330CC
・ナツメグ・・・・・・ひとつまみ
・塩・・・・・・・・・少々
・コショウ・・・・・・少々
*用意するもの*
・耐熱皿
*作り方*
①ナスとジャガイモを塩水に15分浸します。
ナスは水気を切って、オリーブオイルでカラッと揚げます。
ジャガイモはレンジで加熱し、その後オリーブオイルで表面をこんがり焼きます。
②フライパンにたっぷりのオリーブオイルを熱し、みじん切りしたニンニクを加えます。
香りが出てきたら素早くタマネギを炒め、しんなりして甘みが出た頃にラムのひき肉を加えます。
火が完全に通る前にトマトペーストを全体になじませ、その後火をしっかり通します。
③次にカットしたトマトとローリエを加えます。
トマトがトロトロのペースト状になるまで炒めます。
水分が減り始めたら水、塩、コショウを加え弱火で煮込み、水分をとばします。
④③を煮込んでいる間にベシャメルソースを作ります。
弱火で温めたオリーブオイルで薄力粉を炒め、少量ずつぬるま湯を加え、ナツメグ、塩、コショウで味をととのえます。
⑤耐熱皿にオリーブオイルを薄く塗り、ナスとジャガイモを1/2の量敷き詰めます。
次に③で作ったトマトソースを敷き、残りのナスとジャガイモを敷きます。
最後に④で作ったベシャメルソースをかけ、220℃のオーブンで20分焼きます。
出来上がってあら熱が取れたらイタリアンパセリを振りかけて出来上がりです。
まとめ
オリーブオイルは抗酸化作用があり、オメガ3を含む食品なので、体に脂肪を蓄えるのを防いでくれます。
ムサカのメインは野菜のナスです。
野菜と油がしっかり取れてダイエット中でも健康的で美容にもおすすめの食事です。
「メタクサ」のフィズの甘みと爽やかな口当たりでムサカをおかわりせずにはいられなくなるでしょう。
ぜひ、大勢で集まった休日に、グリーク・ブランデー「メタクサ」のフィズとオリーブオイルをふんだんに使ったシンプルなムサカでギリシャ風の食事のんびりと楽しみましょう。