スコッチ・ウイスキーはシングル・モルト

ウイスキー

ジェムソン 700ml

スコッチ・ウイスキーはスコットランドでつくられるウイスキーの総称です。

大麦麦芽(モルト)を乾燥させるために使うピート(泥炭)の香りが残っているのが特徴で、その香りをスモーキー・フレーバーといいます。

スコットランドの蒸留所では多種多様なウイスキーが造られていますが、一つの蒸留所の原酒だけをボトリングしたシングル・モルトは限られています。

日本酒の酒蔵のように、スコットランドの蒸留所も豊かな個性を持っています。

そういう個性の違いを楽しんでみてください。



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シングル・モルトの製造方法

モルト・ウイスキーの原料は大麦ですが、大麦のデンプンはそのままではアルコール発酵しません。

発芽させて麦芽の糖化酵素でデンプンを糖化させます。

これに酵母を加えて発酵させると糖分は分解し、アルコール(約7%)と炭酸ガスに変わり、独特の香味も生まれます。

これを銅製のポットスチルとよばれる単式蒸留器に移して2度蒸留し、アルコール度数65〜70%まで濃縮します。

蒸留を終えると木製の樽で熟成させ、無色の液体が琥珀色の芳醇な液体に変わります。

樽から出して加水し、アルコール度数を下げて瓶詰めされます。

2ヵ所以上の蒸溜所の原酒を調合したヴァッテッド・モルトと、単一蒸溜所だけのシングル・モルトがあります。



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シングル・モルトが世に出るきっかけ

トウモロコシ等の穀物から造られるグレーン・ウイスキーは大量生産に向いており、穏やかでクセのない味が特徴です。

個性の強いモルト・ウイスキーはグレーン・ウイスキーをブレンドされ、ブレンデッド・ウイスキーとして口当たりの良い味と洗練された香りのウイスキーに生まれ変わりました。

品質も均一化されて量産化できるようになったことで、世界で飲まれるようになりました。

他方で、シングル・モルトは調合用の原酒となりましたので、それぞれの個性を際立たせる必要がありました。

そんな中、1963年にグレンフィディックが世界で初めて、シングル・モルトを販売しました。

その後、他の銘柄が次々と発売され、シングル・モルトの際立った個性が逆に人々を魅了していきました。

グレンフィディック

スコットランド北部の代表的なモルト・ウイスキーの産地・ハイランドの蒸留所です。

世界で初めてシングル・モルトを売り出したグレンフィディックですが、世界で最も飲まれているシングル・モルトへ成長しました。

熟成樽には1回だけ使用したスペインのシェリー樽とアメリカのバーボン樽を使用します。

樽は呼吸しながら、柔らかに香りや風味を原酒に移し、液色を琥珀に変えていきます。

新鮮な梨のような香りと、樽由来のバニラ香がもたらす上品な味わいが特徴のおすすめのシングル・モルトです。

ザ・マッカラン

スコットランド北部ハイランド地方の東に位置するスペイ川の流域をスペイサイドとよんでいます。

40以上の蒸溜所が集中しますが、特におすすめはザ・マッカランです。

18世紀から製造を始めた名門の蒸留所です。

自社が管理する森林で伐採されたオークは、1年間天日で乾燥された後、スペイン南部で酒樽に加工され、シェリー酒を3年間貯蔵します。

この樽を使って熟成されますので、ザ・マッカランは、シェリー樽由来のドライフルーツのような甘みと重厚で華やかな香りが特徴です。

ボウモアとラフロイグ

現地の発音でアイラ、モルト・ウイスキーで有名な島です。

ヨードのような香りとピート香が強いのが特徴で、八つある蒸溜所ごとに濃淡はありますが、好き嫌いがはっきり分れるシングル・モルトです。

アイラの中間テイストで「アイラモルトの女王」とも呼ばれるボウモアでさえ、仕込み水にピートの層を通った水が使用され、熟成には海辺の貯蔵庫が使われて潮の香りに包まれています。

他方、ラフロイグは「アイラモルトの王者」とも呼ばれ、チャールズ皇太子が愛飲されていることでも有名な熱烈なファンをもつシングル・モルトです。

悍馬のごとく飲みこなせれば、辿り着く香味があるとされ、真の王者に相応しい優しさ、深さや愛までも飲む人に感じさせるといわれます。

まとめ

今回はシングル・モルトを紹介させていただきました。

しかし世界的に見ると、スコッチ・ウイスキーは売り上げの約90%がブレンデッド・ウイスキーだそうです。

ジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガルやJ&Bなどが売り上げ上位を占めます。

他にも、オールド・パー、ホワイトホースやブラック&ホワイトなど、有名なスコッチほとんどがブレンデッド・ウイスキーです。

個性が豊かなシングル・モルトが人気を集めますが、ウイスキーとしてのバランス、調和や落ち着きを考えれば、ブレンデッド・ウイスキーも手放せませんね。

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