バーボンを保存するなら冷凍庫!
アメリカンウイスキーの代表と言えば、バーボンウイスキーですが独特の風味や甘味から愛好者が非常に多いと思います。
しかし、バーボンなどのウイスキー類はアルコール度数が高いため、賞味期限や保存方法について規定はありません。
しかし、バーボンを含むウイスキー類はアルコールが揮発する際、風味が損なわれます。
そこで、常温保存より礼装保存がおすすめです。
何故、風味が無くなるのか?
多くの方は何故、バーボンやスコッチなどのウイスキーの風味が無くなるのか疑問に思います。
その理由は、アルコールが揮発性であることや風味自体も液化していることにあります。
香料の多くはエステル系の化合物が利用されていますが、バーボンの風味はオーク樽を焦がし、樽から染み出るポリフェノールが主体です。
そのため、水分やアルコールに溶けやすい為、アルコールが揮発する際に風味も損なわれます。
また、アルコールは水分も取り込んだ状態で揮発するため、バーボンに含まれる風味が相乗して失われていきます。
そこで、活躍するのが冷凍庫です。
冷凍保存の場合、アルコールの揮発温度や水分の蒸発が生じないため、バーボンの原液内部に風味を閉じ込めます。
常温保存がダメな理由とは?
飲みかけのバーボンをしっかりと密閉すれば問題ないと考える方もいます。
しかし、一度でも開封すると瓶の密閉性は無くなります。
アルコールは揮発性が高く、20数度でも簡単に蒸発してしまいます。
その際、ポリフェノール由来の風味や味までも奪ってしまいます。
実際には、室温で保管すると瓶内部から少しずつアルコールが揮発していきます。
また、ポリフェノール自体も酸素と接触することにより酸化反応を起こし、風味を変えてしまいます。
そのため、バーボンやウイスキーなど風味が重要視されるお酒程冷凍保存が好ましいです。
しかし、これはあくまで瓶を開封した場合です。
未開封のバーボンやウイスキーは冷凍保存する必要がありません。
冷凍しても凍らないの?
そもそも、バーボンを冷凍した場合凍らないのかと考えます。
アルコールの凝固温度は低く、家庭用の冷蔵庫レベルでは凍りません。
水分については冷凍することで凍結するため、バーボン自体の粘性が高くなります。
これが、バーボンを冷凍庫で保存する最大の利点です。
揮発し易いアルコールの温度を下げ、同時に蒸発する水分を凍らせてしまえば風味が無くなるといった問題を解決出来ます。
この方法は、非常に効果的ですがバーボンなどのアルコール度数の高いお酒にしかおすすめしません。
ワインや日本酒、ブランデーなどを凍らせた場合、長期保存可能どころか凍って美味しい状態にはなりません。
これらのお酒は、開封すなわち酸素に触れた瞬間から酸化が促進するため、直ぐに消費する必要があります。
冷凍庫から出す際の注意は?
冷凍庫から出す際、アルコール度数の高いバーボンなどはアルコールと水分が分離している状態です。
そのまま飲んでも全く美味しい状態ではありません。
先ず、夜に飲むことを決めた時点で冷凍庫から取り出します。
そして、冷蔵庫で保管します。
実は、アルコールなどの揮発性の高い物質は、急速に解凍されると体積が膨張して、外に漏れだすことがあります。
その際に風味も失われるのでゆっくりと常温に戻す必要があります。
また、冷蔵庫である程度の状態まで解凍された後は、1時間ほど常温に晒します。
これで後は飲むだけの状態とお考えの方は、ひと手間が足りません。
瓶の内部で軽く振り混ぜることをおすすめします。
これで、アルコールと水分、また瓶内部の空気に溶け込んだ風味が混ざり合い、冷凍前の状態になります。
まとめ
筆者自身は、バーボンやウイスキーを冷凍長期保存することはしません。
開封したら時間との勝負と考え、短期間で消費してしまいます。
その際に気温の高い日は冷凍庫、高くない日は冷蔵庫で保管しています。
基本的に1週間ほどは全く問題ありませんが、半年ほど冷凍保存したバーボンを飲んだ際は冷凍焼けしたような味がしました。
確かに長期保存は出来ますが、空気中の水分が霜になるため、冷凍焼けした感じになりますので早めに消費することをおすすめします。